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気まぐれ猫と音楽だらけの暮らし

マイフェバレット満載!好きなことしかしない気まま気まぐれでもちょっとセンチメンタルな、お話ばかりですが、聞いて!

金彩友禅に触れる

2010-10-09 19:22:51 | アート・文化

 なじみの呉服屋のドミナントは金彩友禅作家。下絵を描いたのち接着剤で埋め、色のついた金粉を粉にしてふりかけ、ぼかして色を重ねたりして仕上げると言うもの。初めて見た絵付の方法なので姫も私も見入ってしまいました。

 絵柄は上手なのですが今一つ心に打つものがなく、色々な反物を見せて貰っても全部同じ印象。花を描かせれば、全部同じ大きさ、同じ色。遠近感とか影の対比とか、チラリズム的なわびさびがない。重ねて私の色彩感覚に有る地色と図柄のイメージとかけ離れているものばかり。悪くはないのですが、頑張っても欲しいと思える物がない。でも半襟は銀の粉で縁どられていて雅なので一枚買いました。振袖の時にいいかな?と姫が言うからです。確かに。これだけどかっと描かれていれば半襟も楽しいでしょうね。白のまま使って汚れたら染めてもいいかもね・・・と草木染めに凝っている姫は今から楽しそうです。

 今日はろうけつ染の小紋を着ていた姫ですが、これは私の昔の着物。大元は大叔母の物。昭和の30年代に作られたらしい。しっかりしたちりめんです。他に大正時代の羽織なども貰ったのですが、リメイクしないと着る事が出来ないのでちょっと考え中。帯にするかどうか…悩んでいますが、こうやって世代を超えて楽しめるなんて洋服にはないことですよね。

 若い作家さんなのですが、抽象的でも写実的でもない。不思議な絵です。ただ綺麗なだけの着物はいらない。しかも四季が混ざってしまっている。どおして?と尋ねれば「最近のお客様は3シーズン着ていられる着物を一枚買う場合が多いから」だそうです。へえそうなの?季節に合わせてそれぞれ買うのではないの?小紋なら花じゃなくてもいいわけで、花にするから季節感が重要視されるわけで、だったら訪問着で一枚ずつ揃えても楽しいのに。たとえ一週間しか着る時期がない柄であっても。ちょうど稲穂の帯を手に入れたのですが今月だけですねきっと。松竹梅は正月だけじゃなく、結婚式にもいいしね。柳に燕は夏の文様に見えますが吉祥柄なので実を言えば年中着てもおかしくはないはず。季節に先駆けて着るのが着物ですが、何も梅と桜と紅葉と松葉を一緒にしなくてもねえ。ついでにたけのこ、どんぐり、山吹、牡丹、水仙、なでしこが一緒になったらさぞかし一年着ていられるんでしょうね。飽きるなあ。嫌だわそんなの。だったら無地の木綿を二・三枚着ていた方がいいわ。紬とか色無地とかでもいいですよね。江戸小紋なんかも便利だし。まあねえ、それ一枚しかないというのであれば、買うなら江戸小紋か色無地でしょうしね。マルチな友禅は・・・・・・いらないなあ。と思う。聞けば「本当はお客様の好きな柄だけを書いてあげたい」という。そういう受注もあるとか。安心しました。

 今欲しいのは彼岸花か津和蕗。帯でも着物でも良いのですが、帯の方が楽しめるでしょうね。作家さんと帯地を見ながら妄想を繰り広げるのは楽しかったです。