気まぐれ猫と音楽だらけの暮らし

マイフェバレット満載!好きなことしかしない気まま気まぐれでもちょっとセンチメンタルな、お話ばかりですが、聞いて!

一筋の光

2013-09-08 22:52:22 | 日記・エッセイ・コラム

 被災者の中で、かなり早期に中古でも一戸建てを購入した人もいる。避難先に購入した人、福島の浜通りに戻るべく探していた人。実際いわき市は2013年現在土地が高騰している。そのいわき市にも社員宿舎を購入したがそれも破格の値段だった。今ならもっと高かっただろう。リフォームも済んでかなり綺麗になった。

 しかしペットの為に新築を決意したのは多分に我が家くらいだろう。小型犬や猫ならともかく、大型犬を買うには仮設住宅でもだめ、ペット同居可の仮説は満杯。県内にある保護施設は急ごしらえでスキルもない。よって劣悪な環境におかれていてトラブルが絶えないという。幸いにも私たちのペットが良い団体に引き取られたのは天の采配だろう。しかも吠え続けた犬を救助するべく扮装してくれた団体のボランティアには本当に敬意を示したい。

 被災地に取り残されたぺっとたちという写真集がある。窓際のベッドで猫が丸くなって死んでいる。飼い主を待っていたのだろう。鎖に繋がれたまま庭の小屋で死んでいる犬もいる。最初のころ自衛隊や警察は出来る限りは鎖を外して水や食料を自分で探せるようにしてくれたらしい。我が家は二回ほど自宅に帰り犬に餌をやっていたので、犬たちは待っていたらしい。いつもなら体当たりして壊すサッシもそのままで、ただひたすら待っていたのだ。しかも自宅は住宅地の奥。表からは庭の犬小屋は見えない。でも団体の職員は吠える声を頼りに三日ほど捜索してくれたとか。最終日にやっと救助された。

 それからが大変。犬を引き取るにはアパートじゃ無理。その経緯は以前のブログにもアップしたが、今回それが本になることになった。

 お涙ちょうだいのペットの死亡する話は沢山ある。しかし生き延びて実際の家族と再会し今安心して暮らしているペットの話は少ない。これが被災者の、そしてペットを残してきて苦悩している人たち、そしてペットたちの希望の光になってほしいと思う。

 やれば出来た。犬の為に家を建てるなんてばかばかしいのかもしれない。でも線量が低いからと区画整理されて宿泊は出来ないものの居住制限地区に再編成された場所にある我が家には他よりは早く帰れるだろう。しかし、この先の燃料棒の取り出しや汚染水の問題は解決されていない。

 しかし前に進むべく国が前面に立ってやるというのだから信じてみよう。

 オリンピック招致が決定し、これも被災者や日本国民にとっても不安を抱えながらも復興の兆しになると思う。

 頑張った犬のアンジー。頑張った子供たち。頑張った自分。

 そう・・・・・。その原動力は人それぞれかもしれない。しかし失敗するかもしれない。銀行が建設費を貸し出してくれない場合は動けなくなる。被災者の一部には東京電力からの賠償金が出ているのでそれを使う事もできる。しかし現金はとっておきたい。よって最終的には保険で返済が出来るので繰り上げ返済はせずに、出来るだけ家計を工夫し支払っていきたいと考えている。

 犬はとても元気だ。甘えん坊で私にくっついて離れない。新しく来た猫も子分だと思っているのか仲良しだ。やはり一匹ではさみしいのだろう。

 避難所から親戚宅へ、そこからアパートへ、アパートから一戸建てに。これを一年半の間にやり遂げたんだから・・・・・そのバイタリティーはどこから生まれたのか・・・・?

 今はそれで良かったと言える。

 狭いながらも楽しい我が家だ。隣の音にびくついているアパートじゃない。好きな犬と猫とに囲まれて、表面的には被災者であることを忘れられる。

 これでいいと思う。