今日の私は、いつもと違う

2010年07月26日 | 日記
いつものように午前中、外出した。
今日は佐川のトラックは・・あ、停まってる。
けど、名札が違うな。
佐川君のトラックではないよう。
あれ?その向こうの十字路で、ひとり待機している佐川の人・・もしかして佐川君では!?
少し近づいて、それが佐川君だと分かった。
しかも、別のトラックが到着するのを待っているのか、一人で十字路に立って待機している。
周りに誰もいない・・・チャンス!!
でも何て声かけようか?
暑いですね・・それから何て続ける?
ああどうしよう、距離が迫る。
歩きながらギリギリまでどうしようか考えるため、あえて佐川君の方は見ないように、ゆっくり歩き進んだ。
もう目の前ぐらいまで来ているのに、不自然なほど違う方向を見ながら歩く私に気づいてくれて、佐川君は挨拶してくれた。
私も返事をして、そのまま去った。
ああ、なんてこと。
こんなチャンスは滅多にありませんよ。
というか、初めてですよ、いつも走っている佐川君が立っているだけなんて。
と、足取り重く、歩きながら一人反省会。
ここまでは、いつもの私。

用事を済ませて帰り道。
まだ佐川君、さっきの道にいるかな・・いや、少し時間が経ったし、さすがに居ないよね・・と、さっき居た十字路へ目をやる。
青と白のボーダーが見えた。
まだ居るよ!!
もうこのチャンスを逃してはならない。
意を決して(大げさ)佐川君の元へ向かった。
どうかまだトラック到着しないで!
いや、何を待っているのか、觔斗雲か猫バスなのか分からないけど、私が着くまでそのままで!
呼吸が苦しい。
この感じはジャルジャルの時に似ている。
そんなに好きなのか。
佐川君の近くまで来ると、私に気づいて会釈してくれた。
私も会釈した。

ここからは、いつもと違う私。
「暑いですね」と小さい声で言ってみた。
聞こえたかな?
太陽の方を向いて立っている佐川君は、眩しそうに答えてくれた。
そして私は「・・帽子とか、無いんですか?」と尋ねてみた。
佐川君は、帽子は要らないです!と即答した。
要らないってどういうこと?
あるけど使わないってこと?
無いけど、あっても使わないってこと?
いつもの私なら、相手を問い詰めるような話し方をしてしまう時があるけど、今日の私は、いつもと違う。
そのよく分からない返答を、流した。
続けて佐川君は後ろの木陰に目をやって、日陰に入ったら怒られますわ!たぶん!と言って笑った。
私が「そうなんですか・・」と言うと、佐川君は空を仰ぎ、ここで待ちます!と、強がった感じで言い切った。
どんだけ爽やかでストイックやねん、といつもの私なら口に出してしまうところだったけど、今日の私はいつもと違うから、心にとどめた。
想像していた腰の低い佐川君とは違って、結構はっきり物を言う人だった。
最後に私は「熱中症に気を付けて下さいね」と、無責任な言葉を残して去った。
「暑いけど頑張ってください」も言ったような気がする。「気を付けて」「頑張って」のような類の言葉を言うのは嫌。
相手からすれば、言われなくても分かってるよ!って思いますよね。
佐川君は眩しい笑顔で、ありがとうございます、と言ってくれた。
ここはいつもの佐川君で、完璧なビジネススマイルだった。

立ち去ってから、せめて自販機で何か冷たい飲み物を・・と思ったけど、その時私は一万円札ばかりを40枚しか持っていなくて、自販機は使えなかった。
仕方ないか~と思ったけど、待てよ、さっき目の前にコンビニがあったやん!
そこで買えば良かったー!と、後の一人反省会で激しく後悔したのは、寸分の狂いもなく、いつもの私。
事務所に戻っても、ニヤけが止まらず、でもいつまでもニヤけているわけにはいかないので、眉間にしわを寄せ、口角を下げ、プチお葬式の表情で仕事を始めた。

午後も外出した。
ヤマトのお兄さんが、帽子を取って休憩していた。
佐川君の、帽子は要りません!の意味が分かった。
暑くて帽子なんてかぶっていられない。
あほな質問したな~と思った。
待機しているとき、滝のように汗を流していたのを思い出した。

夕方、ヤマトのお兄さんが集荷に来てくれた!
今月は初めてじゃないかしら!?
ドキドキしながら無意味にウロウロしながら、お兄さんが去るタイミングを計っていた。
なるべく近くで挨拶しようと、ドア近くで、今やらなくても良いようなことをごそごそやっていた。
しかし、いよいよお兄さんが「お預かりしまーす」と言って去りそうなタイミングで、会社の人に「これなんだけど・・」と話しかけられた。
なんで?あなた今日一日一度も話しかけてこなかったのに、なぜ、今、こんなピンポイントなタイミングで私に話しかけてくるの?と心でイライラしながら、でもお兄さんがこっちを向いて挨拶してくれたので、切り替えて笑顔を作った。
あまりにも毎回私がしっかりお兄さんを見るから、来た時も出る時も、私に挨拶してくれるようになったのが嬉しい。
他の人が無関心なだけだけど。
お兄さんが集荷の作業をしているとき、何か声をかけてみようかなと思ったけど、周りに結構人が居たし、作業中に声をかけるのはさすがにダメだなと思って、何も言わなかった。
それどころか、途中で荷物を追加したのに、お願いしますとも言わなかった。
それは言おうよ。
この辺も、いつもの私。
あと、下の名前が分かって少しテンションが上がった。

今日は良い日だった。
佐川君の笑顔は素敵だった。
初めて見た時は、色白で少し小柄で腰が低くて、なぜ佐川急便に?と違和感を感じていたけど、今日少し話してみて分かった。
話し方から体育会系の雰囲気がした(日焼けがさらにそう思わせるのだけど)。