2016年8月6日(土) オフの日

2016-08-06 19:53:48 | 日記
今日はオフ。
8月6日で広島「原爆の日」でもある。

首相が「非核三原則を堅持する。日本の核保有あり得ない」
なんてコメントしたらしいけど、
平気で嘘をつく“人格破綻者”の言うことなんて信用できないよ。
またどうせ“新しい判断”でひっくり返すんだろ、このイカサマ野郎!


2012年12月に安倍政権が発足した時に、
なんだかとても嫌な予感がして、最初に手に取ったのがこの本だった。
今になって考えてみると、自分ながら非常に的確な選書だったと思う。
なぜなら日本はその後一貫してどんどんナチス・ドイツと類似してきているからだ。
稲田朋美が防衛大臣とか、世耕弘成が経産大臣とか、
目を背けたくなるようなおぞましいニュースだが、それが現実なのだから仕方がない。

電通なのかアメリカCIAなのかは知らないが、
どうも日本を支配している連中は、
ナチス・ドイツの国民洗脳手法、ファシズム国家建設手法を
そのまま日本に適用しているような感じもする。




『ナチズムの時代』
(著)山本秀行
山川出版社 世界史リブレット



この本を読んだ感想を、
2012年12月28日にテレビ東京の「池上彰の報道特番」宛てに投稿した。
以下その文章(まだ残っていた)。
その当時は自分もまだテレビ局に希望を抱いていたんだね。
今や腐り切ってしまってどうしようもない。テレビ局は日本社会最大のガン。
大江麻理子がやっているWBS(ワールド・ビジネス・サテライト)だって、
インチキ経済番組の代表みたいになってしまって、まるで見る気が起こらないや。


  1930年代のドイツ社会と現代の日本社会は似ているのではないかという問題意識のもと、『ナチズムの時代』(山川出版社)という本を少しディープに読んでみました。大江麻理子アナも今年確かアウシュビッツを訪れたそうで(夏の池上特番見ましたよ)、この件無関心ではないのではないでしょうか?この本はナチズムの所業を単にヒトラー個人の特異性や異常性格に帰するのではなく、当時のドイツ社会の状況や構造に重点を置いて記述している点に特徴があると思います。

  私がまず注目したのは当時の経済状況。低成長の時代で生存競争が激化せざるをえない時代だったということ。分配や削減、負担やコストの問題がむき出しにされ、先鋭化しやすい状況だったということです。現代日本もまったく同じで、世代間の対立、産業間の対立(TPPが典型)、富裕層と貧困層の対立などが今後先鋭化することが予想されます。

  続いて注目したのは、1933年1月にヒトラーが首相に就任した時のナチスの2つのコンセプト、それは①再軍備によって戦争遂行能力をつけ、ベルサイユ体制の打破を目指す②国内の反対派を排除し、国防能力を再建し、戦争に耐える国家を建設する(この②がエスカレートして、ナチ断種法やユダヤ人のホロコーストなどにつながった)。なんとなく安倍氏が言っていることと重なる感じがします。「ベルサイユ体制」を「戦後レジーム」に置きかえることができるだろうし、「反対派の排除」とは言っていないものの、来年の参院選までは安全運転で、選挙に勝ったら暴走を始めると言っている(に等しい)のだから何をやり出すか分かったものではありません。

  続いて、最も印象的なのは、世界恐慌を経験したドイツの人々のメンタル面に注目する必要があるという指摘です。長びく失業により自尊心やアイデンティティを失っていたドイツの人々が、ヒトラー政権によって生活の安定が見込めるようになった。このことによりナチスの「戦争国家建設」の方針を容認、是認する空気が形成された。背に腹は替えられぬということです。まるで来年の日本の空気が予見できるかのようです(アベノミクスで来年はバブル景気になるのでは?)。つけ加えると、当時のドイツは第一次世界大戦を経験して、負けてえらい目にあって、人々が平和を願う気持ちは現代の日本人よりもむしろ強かった可能性さえある、にもかかわらずということです。

  以上、ナチズム時代のドイツ社会と現代の日本社会との類似点を荒っぽく挙げてみました。もちろん相違点も多々あるかと思います。そこまで過激になることはあり得ないと思われる点もありました。しかし、「歴史は繰り返す」という言葉もありますし、警戒するに越したことはないと思います。現時点で日本は自民党政権以外に選択肢はないのかも知れませんが、安倍氏はイケイケどんどんで大衆を熱狂に誘い込もうとしているような気がしてどうも不安になります。そこで再び池上彰さんにリクエスト、「1930年代と現代の類似点と相違点」というテーマを。もちろん大江麻理子アナ(平和の象徴)のアシスタントで!

追伸・・・柴山桂太著『静かなる大恐慌』(集英社新書)を読んでみても、現代がいかに1930年代に似ているかが感じられると思います。ファシズムとの関連で言うと、カール・ポランニーの「社会の自己防衛」という考え方が印象に残りました。池上さんおっしゃるように今こそ歴史に学ぶべきです!