日々の事から

日々のあれこれ   by Kirari

読書記録📖

2021-07-24 01:30:41 | 
『月のぶどう』 寺地はるな 著 2021.7.22読了

一気に読みたくなる内容だった。残業して帰ってくるが夕飯の合間にも読み進めたくなるくらい先が気になった。
とあるワイナリーの経営者一家を取り巻くストーリーだが、大きな中心人物は双子姉弟の弟の方の『歩』である。
元々は就職先が決まらず叔母の喫茶店で働いていたが、ワイナリーの経営者である彼の母が亡くなったことから、実家のワイナリーの手伝いをさせられる羽目になる。本人の意志がないのに。
本人の意志がないのに先に居た従業員2人に目の敵にされ大変気の毒なシーンもあるが、歩は嫌々ではなくワインについて学ぼうと試行錯誤しているところが大変偉いと感じる。
自分の職場にもいるがどんな境遇でも真摯に頑張るって心がけがないやつ、喋る気も起こらない。あと、真実を見ようとせんやつねー。会話もしたくない。
性格悪い2人は、一応放置状態なのでいい気になっているのかもしれない。
歩は自分なりに進み自分なりに成長を遂げていく。
そこのところが読みどころと思う。
性格悪そうな親戚も出てくる。でも、意外と腹黒くなくて面白い。寺地さんのすごいところは各登場人物の性格と立場をしっかり仕立ててある。肩透かしに合わないからいい。



危険人物...

2021-07-18 23:15:32 | 他人に思う事。
国道153号線の赤池2丁目の交差点で見かけた危険な中年男のこと。
何が気に入らないか知らないが、横断歩道を渡りながら大量の唾を信号待ちをしている車の方に向かって吐きかけていた。
背が高めで髪型は上がウェーブがかかった感じで後ろは短髪。全身に締まりがない感じで腹も出ており、ノーネクタイなのでだらしない風体だが一応ワイシャツみたいなものを着ていたので会社員らしき50代半ばくらいか。
唾を吐きかけたということはマスクはしないで歩いているということ。何も入ってなさそうなぺしゃんこで小ぶりの黒いリュックを背負っていた。
大量の唾を出す場面を見て、大変不快に思ったことは間違いないが、タバコ吸ってる人間がペッと痰を吐くより大変大量で、顎にも垂れているんじゃないかと思うくらいの量だった。
一瞬でそんなに唾を用意できるということは、きっといつも周囲に唾を吐きかけたいと思っているのだろう。
ここはプライムツリーという複合施設が近いし、地下鉄名鉄の赤池駅を利用する学生も会社員の通勤もたくさん通行するので、危険人物だと感じた。
私が見かけたのは夕方18時半くらい。子供も大勢通るし、皆さん気を付けた方がいい。
歩いていたので、 バス停だと箕ノ手辺りに住んでいるのか...

何しろ汚い。


読書記録📖

2021-07-18 22:56:24 | 
『希望のゆくえ』 寺地はるな 著 2021.7.18読了

久々に読みごたえのある作家に行き当たった気分である。
『希望のゆくえ』の希望は登場人物の一人の名前でもあるが、多くの登場人物のそれぞれのこれまでとこれからのことに対する希望の存在を示しているものでもあるかと感じた。

厳しい親、子育てに関してこだわりのある親がしがちな『個の無視』あるいは『個の抹殺』そこの犠牲となる多くの子供たち。
自分も親が厳しく、個の無視感が強かった家庭に育っているから余計に入り込んで読めるものだろう。子供は大人が思うよりしっかりしているのに。
智恵が付いていないだけ。侮ってはいけない。

相手の望むものを演じすぎると心身耗弱となるのは私が数年前から体感した。鏡を見ても自分と思えないほど心が解離するから気を付けないといけない。
相手は自分の要求を呑むかどうかで対してくるだけ。それだけのこと。
希望くんは仮面夫婦と面倒を嫌う兄に囲まれて成長してしまったが、自分としてどこかで生きていける場所を見つけられるといい。


この作家は最後のくだりまで手を抜かない感じがある。最後の場面まで考えさせられ、何度も読み返してしまう。
途中で行きつ戻りつも殆どない。想像力が足らない人には読めない部分もあるかもしれないが。
他の本も読んでみたいと思う。