日々の事から

日々のあれこれ   by Kirari

読書記録📖

2021-06-05 22:21:35 | 
『からまる』 千早 茜 著   2021.6.5 読了

初めてTRYする作家さんである。友達の友達が友達だってことはよくあるが、登場人物はどこかで繋がっているところを描いている。
もちろん中には、今回の端っこな人物もあるが、最初の方で詳細のない人物のそちら側から見たストーリーを終わりの方で登場させるとか、なかなか深い読み物だった。
こういう書き方は好もしい。現世だって、自分の見方を相手はしない。同調はできても絶対ではない。気が合うと思いきや、相手が合わせ上手なこともよくあり、実はっていう話を聞けばショックを受ける場合も大いにあるわけだ。
実際私がそうだ。何だか相手に違った見方をよくされるが、全くそんなこと思ってないっていうことが殆どだ。単にストレートに言ってしまうと身も蓋もない批判だったりするので、社会性から考えると敢えて口にしないだけのこと(笑)
嘘も方便。気を遣ってるのがなんで解んないのかしら。
種明かしをして本音を言ったら、相手はショックで『そんなはずはない』って言うんだろう。せいぜい勝手に作った夢を見てるがいいって思うので、わざわざ種明かしはしないのだ。

この本も相手の見方が決定的でないところに共感した。本音など相手には解らないのだから。
最後は少し感動する場面がある。
以前ん読んだ他の作家の同様の視点を使った小説はくどかったりしたが、こちらは最後が私後のみの展開となったので、他の本も読んでみようと感じた。

色んな登場人物が出てくるが、誰と誰が知り合いで、さっきの場面で出てきたなって考えるのも面白かった。人物だけでなく物だったりもする。多方面から書き分けているところが凄いんじゃないかと思うのだ。



読書記録📖

2021-06-01 23:04:44 | 日記
『鍵のない 夢を見る』 辻村 深月 著   2021.5.30 読了

読み終わって、『なるほどね』と思った。家に入ろうとして鍵がないと焦る場面が自分に降りかかったら どうだろう。焦るよね。真冬だったら尚更。
私がよく見るそういう夢は、電話をどこかにかけたいのに、ダイアルやプッシュボタンをお4つほど回して間違えて何度も何度もやり直すことだ。
でも、数回やったら諦める(笑) 性格出るな...。
めんどくさいのだ。繰り返して達成できないことは嫌い。さっさとやめる。

鍵のない夢、か。
この小説を読んでるとなるほどって思ったのは、実際は起こり得ないけど起こりそうなことが書かれている。起こりそうだからって、その場を回避すればいいのに、わざわざ はまっている。
産後うつな状態もよーーく分かる。睡眠不足で白昼夢を見る。夢現幻の境がなくなる。
私も子供を2回のベランダから路上に放る想像をした。幸い想像だけで終わったが、そんな状態になるって聞いてたら子供なんて産まなかったかもしれない。
飲み歩いたりしない私でも自分だけの時間が欲しかった。核家族の子育ては孤独で、かくも危険な状態になる。
ヘビーな話も多かったが読みごたえのある本だった。好き嫌いは分かれるかもね。直木賞受賞で有名になった本なのかな?
今後読もうと思う作家さんになるかはまだ分からない。