「お~い、レニ、いるかぁ~?」
僕がいつものようにチャップと二人で店番をしていると店の外から聞きなれたばかでかい声がした。
そして返事も待たずずかずかと入り込んできた人物はクレヴァーのおっちゃんとジーニアの兄ちゃん。
また暇を見つけて遊びに来たのかと僕はいやな顔をした。
おっちゃんことクレヴァー・アルステッドはホームレス生活をわびしく送っていた僕とチャップにこの便利屋という住まいを提供してくれた神様のような人だ。
さらに生活費もいくらか負担してくれている。
でも、仕事はめったに持ってきてくれず、来たとしてもだいたい仕事の邪魔をするだけだ。
僕としてはいくら感謝しても足りないような人ではあれど、あまり来てほしいと思う人でもなかった。
ちなみにそのおっちゃんの後ろについてきた兄ちゃんことジーニア・クレスはおっちゃんのパートナーだ。
おっちゃんよりもずっとしっかりしていて、賢くて、頼りになる、ほんとにお兄ちゃんみたいな存在。
「なぁに?おっちゃん、なんか仕事でも持ってきてくれたの?」
チャップが兄ちゃんに会えてうれしそうな顔をしながら無邪気に聞いた。
ったくチャップはほんと仕事に興味ないよね。
ひまでさえなければいいんだからさ。
「おぅ、今日はな、仕事じゃないんだが、いい話を持ってきたんだ。」
「いい話?!」
僕は勢いよく立ち上がる。
仕事じゃなくてもいい話は大歓迎だ。
「・・・すっかり態度が変わったな。」
兄ちゃんがポツリとつぶやき、おっちゃんはガハガハと笑った。
「そうなんだ。実は俺たちの会社の職員旅行っつーのがあって、温泉に行くことになったんだよ。それで俺とジーニアがその旅行の実行委員みたいのに選ばれてな。明日宿の下見に行くことにしたんだ。」
「それで、よかったらお前たちも一緒にどうだ?職員旅行に一緒に連れて行くことはできないが、下見は俺とクレヴァーだけだからな。それならお前たちも連れて行ける。」
その言葉に僕は息を呑んだ。
「そ、それって、僕らもしかして・・・タダで行けるの?」
「おぅよ。ちゃ~んとこっちが負担してやる!」
僕はチャップと顔を見合わせた。
もう僕は口角が上がって仕方ない。
チャップも口が開いたままだ。
僕ら二人は手をとりくるくる回り始めた。
「チャップ、温泉だって!」
「そうだよレニ~!僕ら行くの初めてじゃない?」
「ほんとだ!今まで温泉なんていったことないよ~!!」
狂喜乱舞する僕らの横でおっちゃんはまたガハガハと笑った。
兄ちゃんは苦笑いしてたけどね。
「そんじゃ、急かもしれないが明日の朝出発だ。ちゃんと店の仲間全員誘ってやれよ?」
「それから、実を言うと俺たちは宿の場所しか知らないんだ。会社の古くからの御用達らしいんだが、ここ十数年行ってなかったらしくてな。つぶれてはいないそうなんだが、資料もない。あまり俺は気乗りしてないんだが・・・」
「なに言ってんだ、ジーニア!天にも昇る心地の湯らしいじゃないか!いい宿に決まってるだろ?」
「そうか・・・?」
「まぁとにかく、明日の朝・・・そうだな、8時くらいに迎えに行くから、それまでに準備しておけよ!」
おっちゃんはそういうと仕事がまだあるからといって兄ちゃんと二人帰っていった。
1泊だけだけど、これはすごく思い出に残るだろう!
僕らはいそいそと準備を始めた。
確か今日はメイ(とフェイク)も仕事から帰ってくる日だ。
これならみんなそろって温泉旅行にいけるだろう。
なんて間がいいんだろうか!
僕がいつものようにチャップと二人で店番をしていると店の外から聞きなれたばかでかい声がした。
そして返事も待たずずかずかと入り込んできた人物はクレヴァーのおっちゃんとジーニアの兄ちゃん。
また暇を見つけて遊びに来たのかと僕はいやな顔をした。
おっちゃんことクレヴァー・アルステッドはホームレス生活をわびしく送っていた僕とチャップにこの便利屋という住まいを提供してくれた神様のような人だ。
さらに生活費もいくらか負担してくれている。
でも、仕事はめったに持ってきてくれず、来たとしてもだいたい仕事の邪魔をするだけだ。
僕としてはいくら感謝しても足りないような人ではあれど、あまり来てほしいと思う人でもなかった。
ちなみにそのおっちゃんの後ろについてきた兄ちゃんことジーニア・クレスはおっちゃんのパートナーだ。
おっちゃんよりもずっとしっかりしていて、賢くて、頼りになる、ほんとにお兄ちゃんみたいな存在。
「なぁに?おっちゃん、なんか仕事でも持ってきてくれたの?」
チャップが兄ちゃんに会えてうれしそうな顔をしながら無邪気に聞いた。
ったくチャップはほんと仕事に興味ないよね。
ひまでさえなければいいんだからさ。
「おぅ、今日はな、仕事じゃないんだが、いい話を持ってきたんだ。」
「いい話?!」
僕は勢いよく立ち上がる。
仕事じゃなくてもいい話は大歓迎だ。
「・・・すっかり態度が変わったな。」
兄ちゃんがポツリとつぶやき、おっちゃんはガハガハと笑った。
「そうなんだ。実は俺たちの会社の職員旅行っつーのがあって、温泉に行くことになったんだよ。それで俺とジーニアがその旅行の実行委員みたいのに選ばれてな。明日宿の下見に行くことにしたんだ。」
「それで、よかったらお前たちも一緒にどうだ?職員旅行に一緒に連れて行くことはできないが、下見は俺とクレヴァーだけだからな。それならお前たちも連れて行ける。」
その言葉に僕は息を呑んだ。
「そ、それって、僕らもしかして・・・タダで行けるの?」
「おぅよ。ちゃ~んとこっちが負担してやる!」
僕はチャップと顔を見合わせた。
もう僕は口角が上がって仕方ない。
チャップも口が開いたままだ。
僕ら二人は手をとりくるくる回り始めた。
「チャップ、温泉だって!」
「そうだよレニ~!僕ら行くの初めてじゃない?」
「ほんとだ!今まで温泉なんていったことないよ~!!」
狂喜乱舞する僕らの横でおっちゃんはまたガハガハと笑った。
兄ちゃんは苦笑いしてたけどね。
「そんじゃ、急かもしれないが明日の朝出発だ。ちゃんと店の仲間全員誘ってやれよ?」
「それから、実を言うと俺たちは宿の場所しか知らないんだ。会社の古くからの御用達らしいんだが、ここ十数年行ってなかったらしくてな。つぶれてはいないそうなんだが、資料もない。あまり俺は気乗りしてないんだが・・・」
「なに言ってんだ、ジーニア!天にも昇る心地の湯らしいじゃないか!いい宿に決まってるだろ?」
「そうか・・・?」
「まぁとにかく、明日の朝・・・そうだな、8時くらいに迎えに行くから、それまでに準備しておけよ!」
おっちゃんはそういうと仕事がまだあるからといって兄ちゃんと二人帰っていった。
1泊だけだけど、これはすごく思い出に残るだろう!
僕らはいそいそと準備を始めた。
確か今日はメイ(とフェイク)も仕事から帰ってくる日だ。
これならみんなそろって温泉旅行にいけるだろう。
なんて間がいいんだろうか!