「ちょいと、お二人さん。いい話があるんだけど。」
二人がいる応接間の入り口のほうから不意に声がした。
二人の口癖に返事が返ってきたことに両方とも驚きを隠せないようだ。
レニは目線を入り口に固定したまま、かちりとゲーム機の電源を落とす。
そしてゆらりと部屋に現れたのは、ピンク髪の少女。
大手電気機器会社「フロラフリミア」社長令嬢クロラ・フリミアである。
しかし服装はお嬢様らしからぬラフな出で立ち。
シャツにパーカー、ショートパンツとエネルギッシュな格好である。
「お、おじょーさんじゃないか!」
クロラとレニたちが数年前の依頼で知り合って以来、彼女はちょくちょくこの店に遊びに来ている。
しかし専ら“遊び”に来るだけであって、“仕事”を持ってくることはなかった。
今までは。
「実はね、お二人に耳寄りな情報があるの。」
彼女は微笑を湛えながら言った。
ちなみに普段の彼女はこんなしゃべり方ではない。
しかし、欲に目が眩んで少年二人はこの変化に気づくことはなかった。
「君たち、最近音楽がブームになりつつあるって言うのは知ってる?」
クロラが聞いたことに二人はぶるぶると首を振る。
残念ながら、この便利屋サイコという店の店員の中で、流行に敏感な男はいない。
「そう・・・。まぁ、知らなくても問題ない。その音楽ブーム世界的なものになりそうなの。」
変なしゃべり方のまま言うお嬢様の言葉に、こくこくとうなずく二人。
なんだか彼ら二人はこのまま彼女に洗脳されていきそうな気がする。
このまま彼女の魔の手にまんまとはまってしまう気がする。
しかし、二人は欲に輝く瞳でお嬢の声をうなずきながら聞くだけであった。
「・・・つまりここで音楽関連の店をやっておけば、いざここら一帯にブームが来たとき真っ先に儲けることができるってわけよ。」
儲けると聞いたところでレニの瞳の輝きは増した。
チャップの目は細いのでいまいち輝きはよくわからないが、周りの空気がきらきらしている。
二人ともかなり乗り気になってきているのは、はっきりと見て取れた
しかし、情報は仕入れられたものの、音楽関連の店などどうやればいいのか二人にはわからない。
「音楽関連の店って何やるの?レニ。」
「そりゃぁ、楽器のひき方や歌を教えるとか、CDショップとか、楽器売るとか・・・でしょ?」
目線を宙にさまよわせながら自信無さげに答えるレニ。
「でも、君たち。楽器弾けるの?歌うまいの?CDや楽器はどこから取り寄せるの?わかる?」
クロラから質問攻めにされ、レニの視線は、よりあらぬ方向をさまようようになった。
「ここからが商談です。」
クロラが不意にまた口調を変えた。
急に改まった話し方になったので、レニやチャップも思わず畏まる。
「はい、なんでございましょ?」
若干敬語の使い方がおかしいが、クロラはそこには触れない。
「このビルの1階は空いていますね?」
彼女の質問に二人はこくりとうなずく。
1階は来た当初から物置のようになっており、片づけが面倒だったため、引っ越してきたときのまま、ほったらかしにしていた。
比較的物が少なくさっぱりしていた2階を店、残る3,4階を住居として使っている。
1階にはシャッターもついており、本来ならそこが店となるべきなのだろうが、ずっとシャッターは閉じられたまま。
それでこのビルの寂れた感じをさらに浮き上がらせていた。
二人がいる応接間の入り口のほうから不意に声がした。
二人の口癖に返事が返ってきたことに両方とも驚きを隠せないようだ。
レニは目線を入り口に固定したまま、かちりとゲーム機の電源を落とす。
そしてゆらりと部屋に現れたのは、ピンク髪の少女。
大手電気機器会社「フロラフリミア」社長令嬢クロラ・フリミアである。
しかし服装はお嬢様らしからぬラフな出で立ち。
シャツにパーカー、ショートパンツとエネルギッシュな格好である。
「お、おじょーさんじゃないか!」
クロラとレニたちが数年前の依頼で知り合って以来、彼女はちょくちょくこの店に遊びに来ている。
しかし専ら“遊び”に来るだけであって、“仕事”を持ってくることはなかった。
今までは。
「実はね、お二人に耳寄りな情報があるの。」
彼女は微笑を湛えながら言った。
ちなみに普段の彼女はこんなしゃべり方ではない。
しかし、欲に目が眩んで少年二人はこの変化に気づくことはなかった。
「君たち、最近音楽がブームになりつつあるって言うのは知ってる?」
クロラが聞いたことに二人はぶるぶると首を振る。
残念ながら、この便利屋サイコという店の店員の中で、流行に敏感な男はいない。
「そう・・・。まぁ、知らなくても問題ない。その音楽ブーム世界的なものになりそうなの。」
変なしゃべり方のまま言うお嬢様の言葉に、こくこくとうなずく二人。
なんだか彼ら二人はこのまま彼女に洗脳されていきそうな気がする。
このまま彼女の魔の手にまんまとはまってしまう気がする。
しかし、二人は欲に輝く瞳でお嬢の声をうなずきながら聞くだけであった。
「・・・つまりここで音楽関連の店をやっておけば、いざここら一帯にブームが来たとき真っ先に儲けることができるってわけよ。」
儲けると聞いたところでレニの瞳の輝きは増した。
チャップの目は細いのでいまいち輝きはよくわからないが、周りの空気がきらきらしている。
二人ともかなり乗り気になってきているのは、はっきりと見て取れた
しかし、情報は仕入れられたものの、音楽関連の店などどうやればいいのか二人にはわからない。
「音楽関連の店って何やるの?レニ。」
「そりゃぁ、楽器のひき方や歌を教えるとか、CDショップとか、楽器売るとか・・・でしょ?」
目線を宙にさまよわせながら自信無さげに答えるレニ。
「でも、君たち。楽器弾けるの?歌うまいの?CDや楽器はどこから取り寄せるの?わかる?」
クロラから質問攻めにされ、レニの視線は、よりあらぬ方向をさまようようになった。
「ここからが商談です。」
クロラが不意にまた口調を変えた。
急に改まった話し方になったので、レニやチャップも思わず畏まる。
「はい、なんでございましょ?」
若干敬語の使い方がおかしいが、クロラはそこには触れない。
「このビルの1階は空いていますね?」
彼女の質問に二人はこくりとうなずく。
1階は来た当初から物置のようになっており、片づけが面倒だったため、引っ越してきたときのまま、ほったらかしにしていた。
比較的物が少なくさっぱりしていた2階を店、残る3,4階を住居として使っている。
1階にはシャッターもついており、本来ならそこが店となるべきなのだろうが、ずっとシャッターは閉じられたまま。
それでこのビルの寂れた感じをさらに浮き上がらせていた。
そんじゃ、これから映画情報調べるから待っといて。
元スキャナの人さん、具体的なメール送ったからチェックして、返事くれ。