・・・3話のこれまでのあらすじ・・・
便利屋サイコの店員、そしてクレヴァーとジーニアで、主人公レニは温泉旅館へ旅行に出かけることになった・・・。
・・・3話のこれまでの話をまとめるとそれだけです。
それでは本編どうぞ。
:
「それでは、明日この時間にっ。」
バスの運転手の若いお兄さんは逃げるようにすでに乗客のいない空バスに乗り込むと、あっという間にオレンジがかった空のかなたへ消えてしまった。
そして僕は目の前にそびえる古びた家屋に言葉をなくす。
その日本家屋は傾いた木製、今にも崩れそうな門の前には傷んだ看板。
その看板には「宿 極楽」と書かれていた。
見るからに極楽ではなさそうである。
どう見ても何か出そうである。
言葉をなくし立ちすくむ僕らを置き、ただ一人・・・いや二人、おっちゃんとフェイクだけが楽しそうだ。
「おぉ、これはすごいとこだな!ま、んなことより湯だ!」
「ここは居心地よさそうだな!」
二人はずかずかと門をくぐり敷地内へ入っていく。
僕はまったく気が乗らないが帰る方法はない。
僕らは仕方なく二人の後を追った。
:
宿の玄関らしき場所に着いた僕ら。
だが、そこには誰もいない。
大体がどこもかしこもどういうわけかぼろぼろだ。
フェイクは相変わらずだったが、さすがにおっちゃんは不安そうな表情を浮かべる。
玄関は開いており中も見えるがそこもぼろぼろ。
床が抜けたりふすまに大穴が開いていたり。
「こ、これは何かあったんじゃないのか?警察にでも連絡・・・」
「いらっしゃいまし。」
ジーニアの兄ちゃんが携帯を取り出したとき、不意に声がした。
見るといつの間にか建物の中に着物を着た女の人が立っている。
その人は黒髪をお団子のように後ろにまとめており、テレビで見た旅館の女将さんのような見た目。
きっと女将さんだろうとは思うけれど、赤を基調とした着物に、真っ白な肌、動かない表情。
なんだかとても不気味だ。
「あ、あの、これは・・・」
「クレヴァー様ご一行ですね。お部屋を用意しております。どうぞこちらへ。」
「いえ、あの・・・!」
おっちゃんが話しかけるもすべて無視。
女性はさっさと廊下を進んでいく。
「どうするの?」
僕が聞いたが、みんな不安そうな顔を浮かべるばかり。
「おい、なにやってんだ、早く行こーぜ~。」
フェイクただ一人元気だ。
僕はとりあえず女将さんらしき女性の後を追った。
:
案内された部屋は他のぼろぼろの部屋と比べるとずっときれいだった。
障子やふすまはしっかりとあったし、床だって抜けてないし、畳だってきれいな黄緑色。
そして案内を終えた女性は一礼すると相変わらずこちらからの声は無視し、去っていってしまった。
「お、おい!何だここ?!何でこんなぼろぼろなんだ?それにさっきの人だって話聞かねーし!」
アレスタがたたみの上に胡坐をかき、ドンと机をたたいた。
机の上には置いてあると思っていた茶菓子の姿はない。
・・・お持ち帰りしようと思ってたのに。
部屋奥の窓はどういうわけか既にカーテンが閉められている。
でも外の様子からしてきっと外を見たところでいい光景は広がっていないだろう。
「ま、アレスタ、落ち着いてくれ。とりあえずは俺とクレヴァーでこの中を見てくる。それからさっきの女将らしき人にも話しを聞く。ま、この様子じゃ旅行は中止だな。もう帰るつもりでいてくれ。話しを聞いたらタクシーか何か呼ぶことにするから。」
兄ちゃんが言った。
おっちゃんは大きくため息をつきさも残念そう。
「あぁ、今日は温泉でゆっくりするつもりだったのになぁ・・・。まさか宿が崩壊寸前なんてことになってるとは・・・。」
よっこらせとおっちゃんが立ち上がる。
「それじゃ、行ってくるから、しばらくここで待ってるんだ。」
そして兄ちゃんとおっちゃんの二人は部屋を出て行った。
便利屋サイコの店員、そしてクレヴァーとジーニアで、主人公レニは温泉旅館へ旅行に出かけることになった・・・。
・・・3話のこれまでの話をまとめるとそれだけです。
それでは本編どうぞ。
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「それでは、明日この時間にっ。」
バスの運転手の若いお兄さんは逃げるようにすでに乗客のいない空バスに乗り込むと、あっという間にオレンジがかった空のかなたへ消えてしまった。
そして僕は目の前にそびえる古びた家屋に言葉をなくす。
その日本家屋は傾いた木製、今にも崩れそうな門の前には傷んだ看板。
その看板には「宿 極楽」と書かれていた。
見るからに極楽ではなさそうである。
どう見ても何か出そうである。
言葉をなくし立ちすくむ僕らを置き、ただ一人・・・いや二人、おっちゃんとフェイクだけが楽しそうだ。
「おぉ、これはすごいとこだな!ま、んなことより湯だ!」
「ここは居心地よさそうだな!」
二人はずかずかと門をくぐり敷地内へ入っていく。
僕はまったく気が乗らないが帰る方法はない。
僕らは仕方なく二人の後を追った。
:
宿の玄関らしき場所に着いた僕ら。
だが、そこには誰もいない。
大体がどこもかしこもどういうわけかぼろぼろだ。
フェイクは相変わらずだったが、さすがにおっちゃんは不安そうな表情を浮かべる。
玄関は開いており中も見えるがそこもぼろぼろ。
床が抜けたりふすまに大穴が開いていたり。
「こ、これは何かあったんじゃないのか?警察にでも連絡・・・」
「いらっしゃいまし。」
ジーニアの兄ちゃんが携帯を取り出したとき、不意に声がした。
見るといつの間にか建物の中に着物を着た女の人が立っている。
その人は黒髪をお団子のように後ろにまとめており、テレビで見た旅館の女将さんのような見た目。
きっと女将さんだろうとは思うけれど、赤を基調とした着物に、真っ白な肌、動かない表情。
なんだかとても不気味だ。
「あ、あの、これは・・・」
「クレヴァー様ご一行ですね。お部屋を用意しております。どうぞこちらへ。」
「いえ、あの・・・!」
おっちゃんが話しかけるもすべて無視。
女性はさっさと廊下を進んでいく。
「どうするの?」
僕が聞いたが、みんな不安そうな顔を浮かべるばかり。
「おい、なにやってんだ、早く行こーぜ~。」
フェイクただ一人元気だ。
僕はとりあえず女将さんらしき女性の後を追った。
:
案内された部屋は他のぼろぼろの部屋と比べるとずっときれいだった。
障子やふすまはしっかりとあったし、床だって抜けてないし、畳だってきれいな黄緑色。
そして案内を終えた女性は一礼すると相変わらずこちらからの声は無視し、去っていってしまった。
「お、おい!何だここ?!何でこんなぼろぼろなんだ?それにさっきの人だって話聞かねーし!」
アレスタがたたみの上に胡坐をかき、ドンと机をたたいた。
机の上には置いてあると思っていた茶菓子の姿はない。
・・・お持ち帰りしようと思ってたのに。
部屋奥の窓はどういうわけか既にカーテンが閉められている。
でも外の様子からしてきっと外を見たところでいい光景は広がっていないだろう。
「ま、アレスタ、落ち着いてくれ。とりあえずは俺とクレヴァーでこの中を見てくる。それからさっきの女将らしき人にも話しを聞く。ま、この様子じゃ旅行は中止だな。もう帰るつもりでいてくれ。話しを聞いたらタクシーか何か呼ぶことにするから。」
兄ちゃんが言った。
おっちゃんは大きくため息をつきさも残念そう。
「あぁ、今日は温泉でゆっくりするつもりだったのになぁ・・・。まさか宿が崩壊寸前なんてことになってるとは・・・。」
よっこらせとおっちゃんが立ち上がる。
「それじゃ、行ってくるから、しばらくここで待ってるんだ。」
そして兄ちゃんとおっちゃんの二人は部屋を出て行った。
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