「実は最近、わがフロラフリミア社で、音楽ブームを予期して楽器の開発がされました。ビル群の方にフロラフリミア楽器店第一支店が近日オープン予定です。」
ふんふんと興味深げにうなずく二人。
敬語っていうところがなんとなく仕事をしている感じがして、二人も何とか形を取り繕うとしていた。
しかし下手にしゃべっては雰囲気が壊れる。
というわけで、二人はうなずくことに徹していた。
それをクロラの策略だとも知らず・・・。
「そして第一支店と合わせ、こちらの商店街のほうでも第二支店をオープンさせたいと思います。そして第二支店の候補地がここの1階となっております。」
今後も再び、ほおほお、とうなずきそうになった二人だが、今度ばかりは「へぇ?!」と素っ頓狂な声を上げた。
この店の1階をどうにかしたいという内容だというのは思っていたが、まさか店になるとは思っていなかった二人である。
どうせ、物置にしたいから貸してくれとかそう言うんだろ?と思っていた二人だったのだから、驚くのも無理はない。
「もうすでに準備は整っております。後はあなた方の了承を得るのみ。もちろん売り上げの一部を差し上げますし、人件費だってお支払いします。どうでしょう?」
そう言われたレニの頭には儲かるか否かしかなかった。
「儲かる?」
そして口から出るその質問。
クロラはそれを見てゆっくりとうなずく。
「それじゃぁ・・・いいかな。」
レニが少し悩みつつぼそりと言った途端。
「そんじゃ、話は決まり!じゃぁ、準備始めるよ!あ、今の言葉は録音してあるから、取り消しはできないから!」
クロラはいきなり早口に言った。
口調はすっかり元通りである。
「へ・・・あれ・・・?」
さっきまで辺りに張り詰めていた緊張感が嘘のようだ。
いつの間にかクロラは携帯をポーチから取り出し誰かと話している。
どうやら何か指示を出しているようだが、レニたちには何の指示を出しているのかよくわからなかった。
そしてあっという間に話し終えるとクロラは携帯をしまう。
その後ぎろりとレニたちを見た。
「あんたたち!ボーっとしてる暇はないよ!これから店の大掃除を行う!物置においてあるもので必要なものがあったらさっさと取っておかないと捨てるよ!」
「でえぇ?!」
レニとチャップはいきなりの強気なクロラの口調についていけなかった。
いや、この強気な口調こそがいつものクロラなわけだが、さっきまでの口調のギャップがありすぎる。
レニとしては1階が店になるということは別にかまわなかった。
しかし片付けなんてことをするのはいやだ。
だが、掃除はいやでも、1階に何があるとも知れない。
もしかしたらすごいお宝とか、かなり生活に便利なものなんかがあるかもしれないのだ。
かといって無駄な力は使いたくないし、埃っぽいのもいやである。
そこでふといいことを思いついた。
力仕事といえばアレスタに頼めばいい。
掃除といえばエネリアに頼んでしまえばいいのだ。
今の時間は確かエネリアのバイト時間が終わる時間だ。
アレスタだってどうせその辺ビラを配りながらほっつき歩いているだけだろう。
そのアレスタとエネリアというのはこの店の従業員であり、社長であるレニのいうことは一応聞かなければならないようになっていた。
なので、きっと事の次第を話せば渋々ながらも片づけをすることを了承してくれるだろう、という考えである。
「あ、ちょっと僕、アレスタとエネリアを呼んでくるよ!二人ならしっかり掃除とか物の選別してくれるだろうし!」
レニが言うと、チャップはしてやられた!というような顔をした。
チャップだって掃除は嫌いではなかったが、好きなわけではない。
できることならやりたくないと思っていたのである。
そこへレニだけが逃げ道を見つけた。
「あ、じゃぁ、僕も行こ・・・」
「何言ってんだチャップ!おまえが前線を仕切るんだろ!大体この店で一番ガラクタ好きなのはチャップなんだから、お前がいなきゃ話にならない!ってわけで、行ってきまーす。」
レニはチャップの言葉を思い切り遮り、言うことだけ言うとあっという間に外へ出て行ってしまった。
「んじゃ、チャップ君。仕事しましょうか。」
レニを見送るチャップの方にぽんとクロラの手が乗せられる。
チャップは深々とため息をつきながらうなずいた。
ふんふんと興味深げにうなずく二人。
敬語っていうところがなんとなく仕事をしている感じがして、二人も何とか形を取り繕うとしていた。
しかし下手にしゃべっては雰囲気が壊れる。
というわけで、二人はうなずくことに徹していた。
それをクロラの策略だとも知らず・・・。
「そして第一支店と合わせ、こちらの商店街のほうでも第二支店をオープンさせたいと思います。そして第二支店の候補地がここの1階となっております。」
今後も再び、ほおほお、とうなずきそうになった二人だが、今度ばかりは「へぇ?!」と素っ頓狂な声を上げた。
この店の1階をどうにかしたいという内容だというのは思っていたが、まさか店になるとは思っていなかった二人である。
どうせ、物置にしたいから貸してくれとかそう言うんだろ?と思っていた二人だったのだから、驚くのも無理はない。
「もうすでに準備は整っております。後はあなた方の了承を得るのみ。もちろん売り上げの一部を差し上げますし、人件費だってお支払いします。どうでしょう?」
そう言われたレニの頭には儲かるか否かしかなかった。
「儲かる?」
そして口から出るその質問。
クロラはそれを見てゆっくりとうなずく。
「それじゃぁ・・・いいかな。」
レニが少し悩みつつぼそりと言った途端。
「そんじゃ、話は決まり!じゃぁ、準備始めるよ!あ、今の言葉は録音してあるから、取り消しはできないから!」
クロラはいきなり早口に言った。
口調はすっかり元通りである。
「へ・・・あれ・・・?」
さっきまで辺りに張り詰めていた緊張感が嘘のようだ。
いつの間にかクロラは携帯をポーチから取り出し誰かと話している。
どうやら何か指示を出しているようだが、レニたちには何の指示を出しているのかよくわからなかった。
そしてあっという間に話し終えるとクロラは携帯をしまう。
その後ぎろりとレニたちを見た。
「あんたたち!ボーっとしてる暇はないよ!これから店の大掃除を行う!物置においてあるもので必要なものがあったらさっさと取っておかないと捨てるよ!」
「でえぇ?!」
レニとチャップはいきなりの強気なクロラの口調についていけなかった。
いや、この強気な口調こそがいつものクロラなわけだが、さっきまでの口調のギャップがありすぎる。
レニとしては1階が店になるということは別にかまわなかった。
しかし片付けなんてことをするのはいやだ。
だが、掃除はいやでも、1階に何があるとも知れない。
もしかしたらすごいお宝とか、かなり生活に便利なものなんかがあるかもしれないのだ。
かといって無駄な力は使いたくないし、埃っぽいのもいやである。
そこでふといいことを思いついた。
力仕事といえばアレスタに頼めばいい。
掃除といえばエネリアに頼んでしまえばいいのだ。
今の時間は確かエネリアのバイト時間が終わる時間だ。
アレスタだってどうせその辺ビラを配りながらほっつき歩いているだけだろう。
そのアレスタとエネリアというのはこの店の従業員であり、社長であるレニのいうことは一応聞かなければならないようになっていた。
なので、きっと事の次第を話せば渋々ながらも片づけをすることを了承してくれるだろう、という考えである。
「あ、ちょっと僕、アレスタとエネリアを呼んでくるよ!二人ならしっかり掃除とか物の選別してくれるだろうし!」
レニが言うと、チャップはしてやられた!というような顔をした。
チャップだって掃除は嫌いではなかったが、好きなわけではない。
できることならやりたくないと思っていたのである。
そこへレニだけが逃げ道を見つけた。
「あ、じゃぁ、僕も行こ・・・」
「何言ってんだチャップ!おまえが前線を仕切るんだろ!大体この店で一番ガラクタ好きなのはチャップなんだから、お前がいなきゃ話にならない!ってわけで、行ってきまーす。」
レニはチャップの言葉を思い切り遮り、言うことだけ言うとあっという間に外へ出て行ってしまった。
「んじゃ、チャップ君。仕事しましょうか。」
レニを見送るチャップの方にぽんとクロラの手が乗せられる。
チャップは深々とため息をつきながらうなずいた。