なぜか僕を先頭に置き、僕らは部屋を出た。
とりあえず左右を見渡してみる。
相変わらずぼろぼろの廊下の先には特に人影はない。
「あ!」
そこへチャップが小さく声を上げた。
チャップを見ると、チャップが廊下の先を指差している。
そこにはさっきまで何もいなかったはずなのに、人影があった。
だが、その人影はおっちゃんでも兄ちゃんでも、ましてやフェイクでもない。
きっとアレはフェイクが言っていた魔導人だろう。
でもその影と僕らからは結構距離があった。
すぐに物音を立てないように移動すれば気づかれないだろう。
こう考え僕は慎重に一歩足を踏み出した。
しかしそのとき、なんと廊下の板が盛大に軋んだのだ!!
「わ!」
思わず声を出してしまう僕。
後ろを振り返るとこちらを指差す人影が見える。
気づかれた!
「走れ!」
後ろにいたアレスタがそう号令をかけ、僕らは火がついたように走り出した。
:
僕はめちゃくちゃに傷んでいる廊下をこけないように無我夢中で走った。
左右はほとんど石壁、ときおり部屋の破れてぼろぼろのふすまが見える。
後ろからはガチャガチャという、金属がぶつかり合うような音を響かせながら、何かが追ってきていた。
振り返る余裕はなく、しっかりとは確認できないが、きっと魔導人だ。
そして代わり映えのしない廊下を進んでいくと前方に壁が見えた。
分かれ道だ!
僕はどちらに曲がろうか悩み始めたそのとき、後ろからどしゃっという音が。
走る足を少し緩め、まさかと思って振り返るとそこには盛大に煙を撒き散らし倒れているチャップの姿、そして走ってくる魔導人の姿をはっきりと確認できた。
魔導人は2体。
男の型のものと女の型のもの。
手にはそれぞれ金属の棒のようなものを握っている。
僕は舌打ちをしてチャップを能力で持ち上げた。
走って体力を使っているのに、そこに能力の負担までかかったもので僕はへたり込んでしまいそうだ。
でもそこを何とか耐える。
そしてチャップが自分の足で立てそうなことを確認して、チャップをゆっくりと下に下ろすと、今度は手を魔導人へと向けた。
「そりゃああぁぁ!!」
そして僕は気合をこめ、魔導人を廊下の端まで吹っ飛ばす。
でも体力の消耗からか思うような力が出ず、魔導人を壊すにはパワー不足だった。
「今のうちに早く!」
でも能力のおかげで魔導人と距離はかなりかせぐことができた。
僕はみんなに声をかけ、再び走り始める。
今度は走る順番なんて関係ない。
アレスタが先に行ったりチャップが先に行ったり、とごちゃごちゃに固まって走った。
後ろからはまだ魔導人の追いかけてくる足音がする。
というかさっきよりも音のする間隔が短くなった気がした。
もしかして、やつらペースを上げたのか?
僕の気持ちはどんどんあせり、動悸が早くなる。
その分息も乱れて体力の消耗も激しくなるし、スピードも落ちる。
獣人族のチャップ、そしてそれと人間のハーフであるアレスタは、体力的にまったく問題がないようで、どんどん先に進んでいくが、普段運動しない僕や、女の子のメイはスピードが落ちていった。
そんな僕ら二人を気遣いエネリアは少しスピードを落として僕らの横に並ぶ。
「大丈夫ですか?よければ私がお二人を担いで走ってもいいのですが・・・?」
僕はそのエネリアの提案にはものすごい勢いで首を振った。
そんな恥ずかしい姿をチャップやアレスタに見られてはたまらない。
これでも僕はサイコの社長だ。
もっとしっかりしないと!
僕は気を持ち直し、自分の足を励ました。
とりあえず左右を見渡してみる。
相変わらずぼろぼろの廊下の先には特に人影はない。
「あ!」
そこへチャップが小さく声を上げた。
チャップを見ると、チャップが廊下の先を指差している。
そこにはさっきまで何もいなかったはずなのに、人影があった。
だが、その人影はおっちゃんでも兄ちゃんでも、ましてやフェイクでもない。
きっとアレはフェイクが言っていた魔導人だろう。
でもその影と僕らからは結構距離があった。
すぐに物音を立てないように移動すれば気づかれないだろう。
こう考え僕は慎重に一歩足を踏み出した。
しかしそのとき、なんと廊下の板が盛大に軋んだのだ!!
「わ!」
思わず声を出してしまう僕。
後ろを振り返るとこちらを指差す人影が見える。
気づかれた!
「走れ!」
後ろにいたアレスタがそう号令をかけ、僕らは火がついたように走り出した。
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僕はめちゃくちゃに傷んでいる廊下をこけないように無我夢中で走った。
左右はほとんど石壁、ときおり部屋の破れてぼろぼろのふすまが見える。
後ろからはガチャガチャという、金属がぶつかり合うような音を響かせながら、何かが追ってきていた。
振り返る余裕はなく、しっかりとは確認できないが、きっと魔導人だ。
そして代わり映えのしない廊下を進んでいくと前方に壁が見えた。
分かれ道だ!
僕はどちらに曲がろうか悩み始めたそのとき、後ろからどしゃっという音が。
走る足を少し緩め、まさかと思って振り返るとそこには盛大に煙を撒き散らし倒れているチャップの姿、そして走ってくる魔導人の姿をはっきりと確認できた。
魔導人は2体。
男の型のものと女の型のもの。
手にはそれぞれ金属の棒のようなものを握っている。
僕は舌打ちをしてチャップを能力で持ち上げた。
走って体力を使っているのに、そこに能力の負担までかかったもので僕はへたり込んでしまいそうだ。
でもそこを何とか耐える。
そしてチャップが自分の足で立てそうなことを確認して、チャップをゆっくりと下に下ろすと、今度は手を魔導人へと向けた。
「そりゃああぁぁ!!」
そして僕は気合をこめ、魔導人を廊下の端まで吹っ飛ばす。
でも体力の消耗からか思うような力が出ず、魔導人を壊すにはパワー不足だった。
「今のうちに早く!」
でも能力のおかげで魔導人と距離はかなりかせぐことができた。
僕はみんなに声をかけ、再び走り始める。
今度は走る順番なんて関係ない。
アレスタが先に行ったりチャップが先に行ったり、とごちゃごちゃに固まって走った。
後ろからはまだ魔導人の追いかけてくる足音がする。
というかさっきよりも音のする間隔が短くなった気がした。
もしかして、やつらペースを上げたのか?
僕の気持ちはどんどんあせり、動悸が早くなる。
その分息も乱れて体力の消耗も激しくなるし、スピードも落ちる。
獣人族のチャップ、そしてそれと人間のハーフであるアレスタは、体力的にまったく問題がないようで、どんどん先に進んでいくが、普段運動しない僕や、女の子のメイはスピードが落ちていった。
そんな僕ら二人を気遣いエネリアは少しスピードを落として僕らの横に並ぶ。
「大丈夫ですか?よければ私がお二人を担いで走ってもいいのですが・・・?」
僕はそのエネリアの提案にはものすごい勢いで首を振った。
そんな恥ずかしい姿をチャップやアレスタに見られてはたまらない。
これでも僕はサイコの社長だ。
もっとしっかりしないと!
僕は気を持ち直し、自分の足を励ました。
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