

この食堂もJR酒田駅前にある。まさに駅前食堂。いつ廃業したのかは分からない。十年くらい前に、この食堂を見つけた時点では、既に営業していなかった記憶しているる。比較的建物は新しいので、その数年前までは営業していたように見える。根拠はないけど、「カツ丼」が旨かった店に違いないと決めつけている。ビニール椅子がついた四人掛けのテーブルが3脚くらいあって、あとはカウンター。もしかすると小上がりの小さな座敷もあったかもしれない。いつ行っても、白髪の短い頭をした老人が隅っこのテーブルでコップ酒を呑んでいる。そんな店だったのかもしれない。この店が残っていれば、わざわざ鉄道で行っただろう。午前中から酒田の町の写真を撮って歩き、昼時にはここで瓶ビールと一緒に中華そばを食べる。いやカツ丼が良いか。妄想は膨らむばかりである。食堂記憶遺産、また機会があれば撮ってみたい。これにて終了。
LEICA M10 / SUMMICRON M35mm ASPH
山形は冷やしラーメンが一時期流行っていましたが、あれはどうも美味い不味いがあったので、好きになれませんでした。
東京方面も、一昨年に若かりし頃に十数年住んでいた練馬区に行って来ましたが、貧乏だった時代に通っていた定食屋等は、見る影もなくビル群に変わっていました。
どの店も、後を継ぐ方がいなかったので、自然と消えていく時代なんでしょうね。
貧乏だった時代に通った店は一層の愛着がありますよね。客がいても店主が高齢になると閉店してしまう店が多くて寂しいです。
一連の「記憶」の記事を拝読し、画を興味深く拝見しました。
閉店してしまって、何時の間にか年月が経っているという風な「元食堂」という場所は、現状の街中で「変化して行くモノ」という存在でしょうが、そこが「食堂」であった時には利用客や出入業者が在って、営んでいる関係者も在って、そんな人達の日常が展開する舞台であったということになりますね。
そういうような「眼に視える“画”として写り悪いが、確かにそこに在った筈」を想うという着想が興味深いと思いました。
このシリーズの画に在るような「元〇〇」に出くわした場面で、こういう御話しを思い出しそうです。
面白い企画に感謝!!
酒田駅前は営業している食堂よりも廃業した食堂の方が多いのではないかという状況です。乗り継ぎの際に、昼食も食べられない(駅の反対口にラーメン屋さんがあると後で知りました)ことに少なからショックを受けました。
その後に廃業した食堂を見ると、どうしても在りし日のことを想像してしまうようになりました。これは社会派ドキュメントとかでは毛頭なく、単純にそういう想像が好きなだけです。
そういう所を的確にコメント頂き、嬉しい限りです。