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レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

花邑は人の心を狂わせる

2024-08-06 | その他
いわずと知れた両関酒造の「花邑」、そして「翠玉」である。すっかり入手困難な酒となった。なにしろ製造元の直営店でも買うことはできない。秋田県産の酒で、これだけ入手困難なものは、この花邑(及び翠玉)以外には、新政酒造の「ナンバー6」しかないと思う。写真は奇跡的に入手できた花邑2種と翠玉の計3本。この3本で5550円。つまりは1本あたり2000円を切っている。これだけ入手困難なのに、この価格は嬉しい限りである(といっても普段はもっと安い酒を呑む)。うち2本は贈り物で、1本だけが自分用である。

さて、店名は秘して、具体的なエピソードもなるべく避けて書くので、分かり難い話で申し訳ない。デリケートな内容なのでご理解頂きたい。花邑を秋田県内で販売する小売店は、いってみれば普通の小さな酒屋さんである。個人経営している町の酒屋さんを想像して貰えば良い。でも小さいながら、日本酒への造形が深いことが一目で分かる店でもあった。過去、ここで3〜4回は酒を買っているが、気持ちの良い対応で信頼に値する店だった。でも今回は違った。その態度は控えめにいって宜しくなかった。もっとはっきりいえば不快だった。大人の対応でスルーしたが、あたかも自分が酒を造っているかの如く、不遜な態度であった。その割に梱包などは雑過ぎた。

日本酒は長い冬の時代を経て、最近は高品質な商品には一定のファン層が付いている。良い酒は地方を超えて、全国から需要がある。花邑もそんな商品の一つであり、県外からもわざわざ客が買いに来るという。大曲の花火大会の前後には高級車が店の前に乗り付けられる。最初は驚きをもって迎えた現象が、いつしか当たり前となった。勘違いした店主は、客より自分が偉いという発想に至ったのだと思う。大ヒットのお酒は酒造会社が造ったものであり、売り手としてそれを誇りに思うのは良いが、思い上がってはいけない。いくら花邑とはいえ、気分悪い思いをしてまで入手する必要はない。ブームの終わりが、店の終わりとならないことを祈る。今回入手した酒に落ち度はないので、あとで大事に頂きます。

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