LEICA M9 / ELMARIT 28mm(4th)
LEICA M9 / ELMARIT 28mm(4th)
LEICA M9 / ELMARIT M28mm 84th)
X-PRO2 / XF23.. F1.4
一部マニアに人気の某ホテル(思いっきり名前が書いてあるけど)。巨大ホテルチェーンとは無関係の廃ホテルだ。以前にも書いたが、ここは所謂「心霊スポット」として多少柄の悪い人たちの肝試しスポットと化してしまったそうだ。僕はネットの掲示板にあった住民の書き込みに愕然としたことがある。それは次のような趣旨だった。
「ここには心霊現象なんかありません。すぐ近くで毎日生活している私が言うのだから間違いない。私には夜中に集まるマナーのない集団の方が心霊よりも遥かに恐ろしい」。
これ以上付け加えることはない完璧な証言だ。僕は廃ホテル自体には興味もなく、内部に入ったこともない。正直写真的にも特に興味を引く物件でもない。ただこのバス停に惹かれ、何年かに一度撮影する。バス停の近くのホテル廃墟には規制テープが貼られていたが、それは破られていた。もう辞めたほうが良いのでは。僕は心霊系には冷淡なのである。
LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH
それにしても、このバス停、画面を構成するあらゆる線が傾いていて、どこが水平でどこが垂直なのか、さっぱり分からない。立地条件も色合いも寂しいけど、前述の理由を考えれば、存在することに意味がある。
LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH
LEICA M9 / SUMMICRON M35mm ASPH
これも我が師匠のブログで教えて頂いたもので、岩手県前沢町にあるバス停である。このバス停の待合所は、外から見ても風情があるけど、内部はもっと凄い。見ているだけで、もう胸が熱くなる。ここに掲示されているお店、その殆どはもう営業をしていないだろう。これは単なる古びた広告看板ではない。小さな町でも人口が増え所得が増えていった時代。世界は発展し続けることを信じていた時代。個人経営の専門店が商売として成り立っていた時代。つまりは昭和という時代のレガシーかと思う。
X-PRO2 / XF14mm F2.8R
X-PRO2を手にして初めての週末だったが、所用が重なり改まった場所に出かけることはできなかった。この紫陽花に囲まれたバス停は、過去に何度か撮っているバス停だ。カメラの方はまだ試行錯誤で、色も出たままそのままである。
X-PRO2 / XF23mm F1.4R
もはやバス停とは思えず、不法投棄された廃棄物にしか見えない。でもこれは立派なバス停なのである。この椅子はいらないのではないかとか、座る人はいないだとか、論理的な帰着点は誰にでも想像はつく。それでも敢えて椅子を置こうと考える誰かが存在する。その事実こそがバス停の魅力なのである。
LEICA M9 / SUMMICRON 35mm ASPH