南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

ダイビングマンガのここが変

2007-03-13 23:21:17 | マンガ
 格闘マンガの話題が続きましたが、今回は門外漢の格闘ではなく、南野の専門分野、ダイビングについて描かれたマンガについて語ってみましょう。(え~っと、南野はダイビングインストラクターです)
 っていうか、ダイビングマンガなんていうものは、昔はほとんど見たことも聞いたこともありませんでした。やまさきひろみが「バディ」とかいうあんまりおもしろくないのを描いてたくらいです。ダイビングマンガとして楽しめるものが出てきたのは、わりと最近になってからだと思います。
 といっても、「海猿」「トッキュー!!」「我が名は海師」ぐらいしかすぐには思いつきません。
 いずれも原作は小森陽一という人で、作画はそれぞれ別です。
 一番有名なのは、映画にもなった「海猿」でしょう。描かれたのも、この中では一番古いです。
 いずれも南野の専門分野であるレジャーダイビングとは別の世界を描いたもので、「海猿」と「トッキュー」が海上保安庁、「我が名は海師」がサルベージ屋の話です。
「我が名は海師」の主人公がはじめ海上保安庁にいたとき、正直「またか?」と思った記憶があります。それしか、ダイビングを題材にしたマンガにはならないのかと。
 まあ、それは最初だけで、主人公は家業であるサルベージ業を継ぐわけですが、そのせいでこっちは海上保安庁ものよりも、アウトロー的な雰囲気になります。

 なんにしろ、マンガにするにはハード路線、アドベンチャー路線がどうしても必要なのでしょう。

 その点、ハードなトレーニングとバディとの熱い友情とかを描ける海上保安庁ものや、困難な作業を描けるサルベージものはマンガにはうってつけなんでしょう。

 若い男女が、南の海でいちゃいちゃしながら楽しくダイビングじゃ、マンガになりませんからね。
 無理してマンガにしても、ラブコメにしかなりません。
 ダイビングはただの飾りになってしまいます。

 だからどうしても出版社は、ダイビングをマンガにするときは、人命救助や、お宝探しや、沈船引き上げなど、絵になる、あるいはハッタリのきく題材を選ぶんでしょうね。
 間違っても、客のわがままに振りまわされたり、利己的なオーナーに反発する都市型ダイビングショップのインストラクターを主人公にした話なんていうのは出てきません。(機会があれば、南野自身、そういう話を書いてみたいと思うのですが、はっきりいってむずかしいと思います。よっぽどうまくやらないと、ただのつまらない話になってしまいますから)

 話がちょっとわきにそれてしまいましたが、今回のテーマはダイビングマンガの変なところ。
 原作者の小森陽一さんという人がどういう経歴の人かは知りませんが、ダイビングにはすごくくわしい人だと思います。ダイビングに関して、基本的に間違ったことは書いていません。
 ただ、南野としてはどうしても納得できないことがひとつあります。
 それはダイビング器材が古すぎなんじゃないの? ってことです。

 残圧計(空気の残量がわかるメーター)、BC(空気を出し入れして浮力を調節できるジャケット)、オクトパス(予備のレギュレーター)、このみっつは最新のダイビングではとうぜんの常識として必要なものです。
 ところが小森さんのマンガでは、さすがに残圧計は付いていたと思いますが、BCはまちがいなくつかっていません。ハーネスという浮力調節ができないタンクを背負うだけのものを使っています。オクトパスがついていないのは、この前のトッキューで、兵吾くんとメグルくんがバディブリージング(ひとつのレギュレーターを交互に吸う)をしていたことからも明らかです。

 ここでひとつの疑問が湧きます。
 これは小森マンガならではの設定なのか? あるいは、海上保安庁の潜水士とかは、じっさいにそういう装備を使っているのか?

 南野は海上保安庁の潜水士やサルベージダイバーなどの実体はまったく知りませんが、そういう危険なダイビングをする人たちが、一昔前の器材を使っているとはちょっと信じられません。数万円で安全が買えるなら、危険なダイビングをしている人ほど、率先して買うはずだからです。レジャーダイバーなら、インストラクターだろうがガイドダイバーだろうが、最新器材をそろえないのは考えられません。(いや、べつに二、三年前の型がだめだと言ってるわけじゃないですよ。一昔前の器材の話です)
 それと「トッキュー」では氷の中の海を潜る話がありました。アクシデントでスーツを使わずに潜る話だったと思いますが、それとはべつに訓練でも、ウエットスーツで潜ってました。つまり「トッキュー」の世界では、氷の海でも人命救助はウエットスーツでおこなうのが常識らしいのです。

 ドライスーツ使わないのかよ?

 南野ははげしくそう思いましたよ。ウエットスーツってスーツの中に少量とはいえ水が入ってくるんですよ。この場合、零度以下の。体濡らさないために、ドライスーツってもんがあるんじゃありませんか? 海上保安庁ってそんなにきびしいんですか?

 う~ん。誰か海上保安庁の潜水士の方、教えてください。
 海上保安庁では最新器材を使うことはゆるされないんですか?(たとえば根性を鍛えるためにとか。あるいは予算がない?)
 それとも、みんな逞しいダイバーだからそんな軟弱なものは必要ない?

 ちなみに映画の「海猿」では、ふつうにBCとかオクトを使ってましたけど。

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「リングにかけろ」に燃えたころ

2007-03-13 00:09:40 | マンガ
 前回の記事で、トンデモ系の格闘マンガとして「リングにかけろ」の名を上げました。ただ誤解しないでほしいのですが、じつは南野このマンガが大好きだったりします。
 前半の根性路線の時も、途中からのスーパーファンタジーアクション路線の時も、両方好きです。

 南野リアル格闘技はほとんど見ませんが、格闘マンガは大好きです。
 だからK-1だとかボクシングだとかの選手もほとんど知りません(名前を知っている程度)。
 それでも格闘マンガが大好きなのは、子供のころから強くなりたいという願望だけは人一倍あったんでしょうね。
 だからリアルな格闘マンガももちろん好きなわけですが、「リングにかけろ」にはまたちがった魅力がありました。

 まあ、パンチを打たれると、ガラスを突き破って外に飛び出す話ですから、途中からついていけなくなった人たちがたくさんいるのもわかります。

 ただそれでも熱中してみていたのは、そういう馬鹿馬鹿しい光景を、ギャグではなく、熱血して語れる車田正美先生の筆力によるものなんでしょうね。(だれですか、笑ってるのは? 南野はまじめに言ってますよ)
 とくに世界大会編は最高ですね。馬鹿馬鹿しさすれすれのハイテンションさが、絶妙なさじ加減で描かれています。

 世界大会編の唯一の欠点は、菊姉ちゃんがまったく活躍しないことくらいでしょう。
 菊姉ちゃんの勇姿を楽しみたいなら、チャンピオンカーニバル編が最高です。
 貴子姉さんとの、ブラコン姉二大巨頭の陰での死闘を楽しんでください。(……って、なに言ってんでしょうね?)

 リアル路線が好きな方には、もちろん初期のころがおすすめ。
 じつは南野も、菊姉ちゃんのコーチで、密かに左フックや右アッパーを練習した口です。(ちなみに左ジャブと、右ストレートは「あしたのジョー」の、あしたのためにで練習しました)

 う~む。かなり恥ずかしい気もしますが、もっと恥ずかしい話を。
 かなり昔の話ですが、南野、パワーリストとアポロエクササイザーを買いました。うひゃああ。はずかし。
(知らない人ために一応説明しておくと、パワーリストは鉛の入ったリストバンドでこれを付けてると腕の筋力が付きます。アポロエクササイザーは、摩擦を負荷につかったトレーニング器具。どちらもマンガの中に出てきます)
 もちろん、トレーニングは長続きしませんでしたけど、まあ、青春の思い出ってやつ?

 で、当時、南野は黄金の日本ジュニアのなかで、誰が一番好きだったかといえば、圧倒的に支那虎でした。(え、変な趣味?)
 とくにアメリカ編でミックをぶちのめしたときは最高でしたね。かっこよすぎます。(剣崎までいくとやり過ぎでしょう?)
 ポジション的にも、剣崎ほど傲慢ではなく、クールな実力者というあたりも南野のツボに入りました。まあ、もっともリアルではお友達にならないタイプだとは思いますが。
 南野の性格的に一番近いのは主人公の竜児だと思いますが、なぜか竜児はあんまり応援していませんでしたね。

 そんなわけで、都大会で支那虎があっさりと一コマで竜児に負けたときは、なんだよこりゃあ!と叫びたくなりました。
 今にしてみれば、たぶん編集から横やりが入ったんでしょうね。
 剣崎との決勝戦を早くやれって。
 あのころはまださほど人気がなかったから、打ち切りかどうかの瀬戸際だったんじゃないでしょうか?
 それで、そのまま支那虎をすてるわけにはいかないから、都大会敗北後京都に転校してチャンピオンカーニバルに出るという、むちゃくちゃな設定にしたんだと思います。
(いくらなんでもそれはルール違反だろうって思いましたよ、さすがに)
 もっともそのおかげで支那虎が日本ジュニアの中に入って、世界戦や十二神戦で活躍できたのかもしれませんが。
 ただ、個人的には支那虎対竜児の一戦は、単行本一冊まるまる使ったものを見たかったですよ。
 車田先生としても、ほんらいなら、パンチの効かない相手(辻本)、パンチの当たらない相手(支那虎)を破ったあと、剣崎との戦いを描きたかったんだろうと思うのですが。

 まあ、多少の不満を抱きつつも、やはりこのマンガは南野を熱中させました。あとにつづく「風魔の小次郎」や「セイント星矢」とともに、車田アクションは、南野の小説のアクションシーンにかなりの影響を与えました。
 今やっている「リングにかけろ2」がいまいちなのは残念です。

リングにかけろ 全15巻

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