あらためて今、東北の子どもたちを
『あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである』というガンジーの言葉
NHKスペシャル「命と向きあう教室~被災地の15歳・1年の記録~」
震災のつらい体験を打ち明ける友に心を寄せ、涙ながらに作文をつづる同級生。宮城の中学校で行われた命の授業だ。前に進むためにともに命と向き合った15歳の1年の記録。
宮城県の鳴瀬未来中学校の3年生が授業で「命」と向き合った。これまで学校で、ほとんど触れてこなかった震災の記憶。それを毎月作文につづって発表し、感想を伝え合う。親しい人を亡くした悲しみを抱えて苦しんでいた生徒を心配した先生が、児童心理や教育学の専門家と相談して始めた。つらい気持ちを吐露する友に寄り添い、涙ながらに言葉を探す同級生。前に進むために、ともに命とは何かを考え続けた15歳の1年を見つめた。
また泣いた!無力な自分に!たたかう子どもたちを見て
1000人以上が津波の犠牲になった東松島市。心に刻まれた深い傷。触れなかった、触れられなかった。あの日から3年。月に一度の命の授業。どうしていいのかわからなくてここまできたが、避けては通れない、アプローチしなくてはいけない。
深夜だよ、13時半から14時半まで。食い入るように、テレビにかじりついた。テレビに集中することが少なくなった今、メモを取ることも惜しんで子どもたちのたたかう姿を見た。地震、津波、原発事故は終わっていない。子どもたちの声をしっかり受け止めよ!子どもたちは助けを求めるのは迷惑をかける。また、自分のことを知られたくない。そんなに簡単にはまとめられない。絞り出すように、一言でまとめると、「強くて弱くて美しい輝き」なんのために生きる。夢があるから。命がないとできない。母・姉を亡くしたゆうまくんは泣きながら作文を書いた。想いが伝わればいい、考えることで何かが変わることがあればと。両親を亡くし本音を出さなかったあみさん。頼りにすると、相手が困ってしまう、頼っている自分が嫌になる。夢に出てくる、一生懸命手を伸ばし、届くことがないのにそれでも続ける自分と本当の気持ちを語った。みんなに助けてといってもいいのではないかとゆうまくん。さりげなく助けてあげればいい。あみさんがつぎのようにまとめていた。作文なんか書く必要ないと思っていた、自分のことを知られたくない。でも、書くことによって自分を見つめ直すことができた。自分が知らない自分を知ることができた。
この授業を通して、津波だけでなく違う悩みを打ち明けるようになった。親に捨てられた、小さいころ両親が離婚した、生きている意味がない。
やっと本音を言うなかで共感が生まれ、感謝ということを知った。みんなは強い、乗り越えて今を生きている。きれいごとじゃ意味がない、他人事になってしまう。