生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

design=de+signという考え方/デザインとコンセプト

2010年04月19日 07時51分34秒 | 美術/絵画
2010年4月19日-1
design=de+signという考え方/デザインとコンセプト

 語源、または、言葉の構成的成り立ち、から考えることは、そもそもの発想を探ることにもなるだろう。一つには、素過程に分解または分析できる(あるいは、分解できることに繋がるかもしれない)という利点があると思われる。われわれにとっては、物体または心(あるいはむしろ意識)の運動を、互いに独立だと考えた、あるいはそのように仮りにでも分析したプロセスから構成されたものとして考えれば、なにかと便利である。たとえば、異なる(同時的)組合せにしたり、異なる順序にすれば、新しい物体になったり、異なる方向への制御ができるかもしれないからである。気に入る物体であるかどうか、気に入る運動結果(たとえば音楽)になるかどうかは、やってみてのお楽しみである。(むろん、楽しくないだろうと予想されれば、そのような製作はしなくてもよい)。

 さてそこで、デザインは、デ・サインだとすると、サイン(記号)の外化・ ・ となる(山田 2007: )。
 米澤(2008: 7)によれば、フランスで15世紀頃に使われ始めたdesignは、イタリアから来たもので、ラテン語のdesignareに遡ることができて、それはde+signumであるので、
  「「徴しるしを付けて区切る」、「境界線を引く」というのが最初の意味だろう。意図的に徴を付ける、という意味から、計画、構想といった意味が派生したらしい。半世紀くらい前まで、デザインの語はまだ絵画や彫刻作品のプラン、デッサン、スケッチ、要するに「下絵」の意味で、完成した作品のことではなかったのである」(米澤 2008: 7)
と言う。

 人の言葉の使い方はどういうわけかすぐに変異してしまう(確証されない一般的傾向)ので、語の意味が多義的になったり、語の指示対象の範囲が不明瞭になる。デザインについては、

 営業活動で、「君はどんなコンセプトでやってるの?」というときの、conceptは、conception胎むことのほうに繋がる意味であろう。コンセプトとは、「作家に宿った「芸術的着想」を指す」(米澤 2008: 6)し、これは内側のもので、theme主題は外部(注文者または芸術家?)から与えられたものと、対比的に捉えられよう(米澤 2008: 6)。

[Y]
山田忠彰.2007.4.存在とデザイン??デザインのデ・サイン構造??.山田忠彰・小田部胤久(編)『デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響』: 258-285. ナカニシヤ出版.

山崎正和.2007.6.装飾とデザイン.299pp.中央公論新社.[ISBN 9784120038372 / 2,200円+税].

米澤有恒.2008.9.ア-トと美学.ix+253pp.萌書房.[ISBN 9784860650414 / 2,200円+税].〔http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=2844464、に追加項目〕

新道展における抽象作品割合/日展における具象作品の分類

2010年04月17日 23時50分53秒 | 美術/絵画
2010年4月17日-3
新道展における抽象作品割合/日展における具象作品の分類

 新道展の2005年と2009年についての分類結果は次の通り。なお、立体作品との区別がつかないことによる算定誤差の可能性もある。また、図録からは、絵画か版画は区別できない。

2005年(第50回)
       抽象  中間  具象  抽象割合
 会員出品数 16   29   49  16/94=0.17
 受賞出品数  1    3    8   1/12=0.08
 会友出品数  5    6   24   5/35=0.14
 一般入選数 10   22   90  10/122=0.08
    総計 32   60   171  32/263=0.12
(会友と一般から受賞作品が選ばれる。
 これらは、会友出品数または一般入選数に含まれていない。)

2009年(第54回)
          抽象  中間  具象  抽象割合
 会員出品数    20   33   43  20/96=0.21
 受賞・推挙出品数  5    6   20   5/31=0.16
 会友出品数     5    8   23   5/36=0.14
 一般入選数     9   18   71   9/98=0.09
    総計    39   65   157  39/261=0.15
(会友と一般から受賞作品や会員または会友推挙者が選ばれる。
 これらは、会友出品数または一般入選数に含まれていない。)

新道展における出品数割合
         抽象  中間   具象     抽象割合
   1990年   37   47   124  37/208=0.18
   1995年   34   47   172  34/253=0.13
   2000年   30   52   177  30/259=0.12
   2005年   32   60   171  32/263=0.12
   2009年   39   65   157  39/261=0.15


 日展の日本画部門と洋画部門について、2009年の図録に掲載されている作品は、日本画部門の1作品を除いてすべて具象作品であった。そこで、具象作品を
  人物(動物を含む)
  室内・静物
  風景
の3つのカテゴリーに分けて、その作品数を次に示す。なお、掲載されているのは、会長、顧問、理事、参事、幹事、参与、評議員、会員、新審査員、特選、のもので、この順に掲載されている。

  2009年    人物  室内  風景  抽象?
  日本画部門   41    5   59    1
  洋画部門    49   11   53    0

 分類は容易であった。つまり、描かれている対象はそれとわかりやすい。また、対象に心象を重ねているといった場合も少ない。

抽象作品割合の変化(新道展の場合)

2010年04月17日 01時39分43秒 | 美術/絵画
2010年4月17日-2
抽象作品割合の変化(新道展の場合)

 新道展とは、北海道全体規模での3つの美術公募団体のうちの一つの展覧会で、道展、全道展についで創立された団体の展覧会である。
 図録にもとづき、各作品について、[抽象、中間、具象]の3分類に同定した。数値にするといかにも客観的にうつるが、同定には主観的要素が入るので、同定する人(の経験や能力とそのときの気分)によっては、作品数の算定にいくつかの触れがあるだろう。会員と会友についてはカラー印刷だが、一般入選については白黒印刷だという差異もあって、同定結果に影響するだろう。また、調査対象を絵画のみに限定するが、版画なども入っているだろう。そして、平面作品と立体作品は分けて収録されていないので、その判断においても誤差がはいるおそれが少しある。
 基準は、
  抽象:種類同定できないパターンまたは幾何学的パターンが描かれているもの、
  中間:種類同定できる物体が描かれているが、かつ、この世界での通常的な配置関係ではないもの(いわゆる超現実主義的な作品やかなり幻想的な作品)。あるいは、色彩と形態のパターンが画面全体にわたって物体種類の同定において不分明なもの(たとえば、物体の境界がぼかしてあったり曖昧にしてあったりするもの)、
  具象:種類同定できる物体が描かれていて、かつ、この世界での通常的な配置関係のもの、
である。
 1990年、1995年、そして2000年についての結果は次の通り。

1990年(第35回)
       抽象  中間  具象  抽象割合
 会員出品数 18   16   48  18/82=0.22
 会友出品数 10    9   18  10/37=0.27
 一般入選数  9   22   58   9/89=0.10
    総計 37   47   124  37/208=0.18

1995年(第40回)
       抽象  中間  具象  抽象割合
 会員出品数 19   17   41  19/77=0.25
 会友出品数 10   10   14  10/34=0.29
 一般入選数  5   20   117   5/142=0.04
    総計 34   47   172  34/253=0.13

2000年(第45回)
       抽象  中間  具象  抽象割合
 会員出品数 17   21   36  17/74=0.23
 会友出品数  5   14   14   5/33=0.15
 一般入選数  8   17   127   8/152=0.05
    総計 30   52   177  30/259=0.12

抽象出品数割合   会員   会友   一般   総計割合
   1990年   0.22   0.27   0.10    0.18
   1995年   0.25   0.29   0.04    0.13
   2000年   0.23   0.15   0.05    0.12
   2005年   
   2009年   

 一般入選数における抽象作品数の割合は、1990年にくらべて、1995年と2000年は半分である。総計においても減少傾向である。
 なお、団体は、その成員によって維持されるので、会員や会友になる制度と運営の有様によって、またその展覧会活動は、入選の様式によって、大きく左右されると予想される。

絵画における具体物の再現度(同定)1

2010年04月17日 00時13分43秒 | 美術/絵画
2010年4月17日-1
絵画における具体物の再現度(同定)1

 具象絵画とは、画面全面が肉眼で見たように描いてあるというのが、極であろう。デジタルカメラで撮って、インクで印刷すれば、絵画とも言える。そこにおける人の制御は、何をいつどのように(枠、角度、レンズの種類、露出、シャッター速度など)撮るかである。標準レンズで撮れば肉眼で見たものと近いだろう。絵具を使うと再現度には限界がいくつもある。
 しかし、類似したものを描くことはできて、一つの基準は、この世界に存在する物体が画面に描かれていることであろう。いわゆる「再現性」も様々な種類と程度がある。
 或る絵画が、具象的かどうかの指標または尺度として、画面における物体の個数または描画面積と類似度の積を考えることができる。ここでは個物の数と各個物がどれだけ似ているかという程度を分けて考えている。このようにするのは、たとえば超現実主義的な絵画とか幻想的な絵画も測定できるようにすめためである。例えば、半分の画面が写実的で残り半分の画面は抽象的だというものも考えられる。あるいは各個物で写実度が異なるかもしれない画面も測定できるようにするためである。
 似ている程度というのは、どのような性質を測るかによって異なる。(また、指標の値の計算式によっても異なる。)

 具体物がどのような種類の物なのかを同定するとき、人のそれまでの経験によっても、或る物体を同定できるかどうかの程度は異なる。様々な個物を見知っているかどうかという、親密度も関係する。そして、われわれの経験する世界は、いわゆる標準的焦点距離のものであり、顕微鏡で拡大したり、逆に望遠鏡で拡大することで経験の範囲を拡大してきた。そのような知識を学んでいるかどうかの種類と程度によっても異なる。
 たとえば、昆虫の皮膚表面の走査電子顕微鏡写真は見ていない人が多いだろう。それは個物のごく一部分でもあり、それが何であるかを言い当てることができる人は少ないだろう。あるいは器官の内部断面である。人によっては、人の脳のレントゲン断層写真は見知ったものかもしれない。分類カテゴリーの学習は、人様々であり、動物の個体全体を見ても、その種類を知っているかどうか、つまり同定できるかどうかは、様々である。たとえば猫類や犬類(自然物)や机類(人工物)は、人の生育過程で見知ったものになり、通常は親密な対象(存在物)である。ペンギンしか見なかった人にとっては、あるいはそのような人々の分類体系のおける、『鳥類』の代表例は、飛行したりする物体ではなく、氷の上をすべったり、(スズメのようにびょんぴょん跳ねるのではなく)ひょこひょこ歩いたり、泳ぐ物体というようなものであるかもしれない。
 したがって、画面において、
  1. 個物と認定できるかどうか(個物の境界の認定にも関わる)、
  2. その個物がどんな種類のものか同定できるかどうか、
という、或る絵画を見て、それが具象的なものかどうかの認定は、上述した要因などに依存して、人様々である。
 しかも、写実性の種類と程度も描き方に依存する。たとえば、この経験世界での物体についての、絵具での対応を、物体の色彩、物体の形態、物体の背景、物体の配置関係、などのそれぞれをどのよう(な種類と程度)に、類似させるか、またどんな種類と程度の精度(粗さ)で類似させるか、様々に変異させることができる。
 そこで、実際の平面作品について分類することにしよう。そして、「写実」から抽象への筋道のいくつかを同定(解明)することにしよう。ただし問題は、写実性とか再現性とかの定義である。realityの訳(現実感、実在感、実在性、実相、など)または解釈が多義的である。この諸意味を、まず、素な関係に分析する必要がある。そうしていくつかの尺度や指標を設定すると議論が混乱しないだろう。

’10 第37回北海道抽象派作家協会展が始まります

2010年04月13日 00時49分07秒 | 美術/絵画
’10 第37回北海道抽象派作家協会展のご案内(再掲)

 本日4月13日の午後1時に始まります。

第37回北海道抽象派作家協会展

時:2010年4月13日(火)~2010年4月18日(日)
  10:30~18:00 (初日は13:00から。最終日は17:00まで)
処:札幌市民ギャラリー(第1展示室と第2展示室)
  札幌市中央区南2条東6丁目
交通アクセス:地下鉄東西線の「バスセンター前」駅下車、
        10番出口から右へ徒歩2分
  案内地図サイト
入場料:無料

出品作家
 <一般>
  甲斐野 弘幸(札幌)
  甲斐野 市子(札幌)
  笹岡 素子(江別)
  鈴木 薫(札幌)
  能登 智子(札幌)
  横山 隆(札幌)
  吉田 英子(札幌)
  風間 虹樹(帯広)

 <同人>
  石川 潤(七飯)
  今荘 義男(岩見沢)
  岩田 琿(七飯)
  後藤 和司(札幌)
  佐々木 美枝子(札幌)
  鈴木 悠高(札幌)
  外山 欽平(函館)
  名畑 美由紀(札幌)
  林 教司(岩見沢)
  三浦 恭三(小樽)

◇ 参考サイト
北海道抽象派作家協会
’08 第35回北海道抽象派作家協会展/札幌市民ギャラリー の紹介
’09 第36回北海道抽象派作家協会展/札幌市民ギャラリー の紹介(by 栄通記)
’09 第36回北海道抽象派作家協会展/札幌市民ギャラリー の紹介(1)(2)(3)(by 北海道美術ネット別館)
北海道抽象派作家協会 同人と2009年展推薦者による小品展/ギャラリーたぴお の紹介(by 北海道美術ネット別館)

脱タバコ社会へ

2010年04月13日 00時23分27秒 | 生命生物生活哲学
2010年4月12日-4
脱タバコ社会へ

 「受動喫煙防止の推進について」という、日本学術会議の「脱タバコ社会の実現分科会」による2010年4月6日付けの提言
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-t93-1.pdf
は、当然の内容である。これまで長らく、日本では国民の健康よりも、ニコチン中毒者が不健康になることが配慮されてきた。むろん、ニコチン中毒者も犠牲者である。税収確保のため? また、メカニズム的実験結果からも明らかなのに、最近でも、その健康被害は科学的根拠が無いという人もいる。

 飲食店での喫煙の全面禁止を急ぐべきである。そのためには一挙に値上げすべきである。要望の要点の6の、
  タバコ税を大幅に引き上げ、税収を確保したまま、タバコ消費量の減少を図る
というところの、「税収を確保したまま」というのは、(ここだけ)変。

 引用する。
  「「ビル衛生管理法」で定められた屋内粉じん濃度に関する基準、すなわち「粒径10μm以下の粉じん(SPM)の時間平均浮遊粉じん濃度が0.15mg/m^3以下」と2009年9月に環境省が「微小粒子状物質に係る環境基準」で告示した基準、「粒径2.5μm以下の粉じん(PM2.5)の濃度を1年平均値が15μg/m^3以下、かつ、1日平均値が35μg/m^3以下」の2種類あるが、環境省が健康を保護する上で望ましいとした基準を採用すべきである。ただし、喫煙によって発生する微小粒子状物質には69種類以上の発がん性物質が含まれていることに加え、タバコ煙のガス状成分には一酸化炭素、アンモニア、二酸化硫黄、 ジメチルニトロソアミン、ホルムアルデヒド、青酸ガス、アクロレインなど多くの低分子有害物質も含まれている。したがって、タバコ煙の粒子の大きさのみに着目した基準を適用しても、それにより受動喫煙の危険性除去できるという科学的な証拠がない以上、労働者の健康を守るための政策としては、分煙は緊急避難的な措置でしかあり得ない。長期的にはあくまでも職場における完全禁煙を目指すべきである。」(3-4頁)。

 他人の化粧臭(微粒子物質発散)による受動的アレルギー症状発現の防止にも取り組んでほしいな。

一原有徳の版画実験

2010年04月12日 23時36分36秒 | 美術/絵画
2010年4月12日-3
一原有徳の実験

光岡幸治.2010.3.一原有徳??版の冒険.182pp.北海道新聞社.[ISBN 9784894535435 / 1,100円+税].〔56の図版あり〕.

を読了した。

 一原有徳は、多くの独創的な実験をしていて、その結果の作品が良い。いくつか挙げると、
  1. モノタイプにおける独創的製作(制作)方法。産物は、質感に富んだ平面作品。
  2. 円筒状にした平面。立体的に展示した平面作品。
  3. 版と転写物との関係の再考。版をオブジェとして提示する。

石または金属の平板によるモノタイプの場合
 ほぼ単色インクの場合は、見えとしては、明暗の程度が強調されるだろう。平たくインクを塗布して、それをこそげ取るときにインク厚さが制御される。ここでは描いている。インク粒子が大きいときは、つまり粗いときは、砂絵と同様である。インクの厚みまたは深さが、平たい紙に濃淡として転写(つまり写像または変換)される。それが、見えとしては明暗になる。それを実現するために、インクの厚みを製作上で制御する。制御は手の力(平面的方向と垂直的押しつけ強度)によるが、その道具として「曲線的にうねらせることができる道具」(光岡 2010: 120)を見つけたことが、たとえば1975年の<Ron 15>を産んだ。
  二次元視覚における明暗=変換 (パターンとしての濃淡)=変換 (インクの厚み)。
 もし、測定単位を定め、単純に比例するとすると、aを比例定数として、
  視覚的明暗度=a(インクの厚み)+b。

 多くの人は、明度差(濃淡差)を、立体物の遠近として錯視する。つまり遠近が現われていると(脳において?)解釈する。


ロスコ作品/サントリーミュージアム展示/大阪市近代美術館準備室所蔵

2010年04月12日 01時58分25秒 | 美術/絵画
2010年4月12日-2
ロスコ作品/サントリーミュージアム展示/大阪市近代美術館準備室所蔵

 2010年4月7日に見た、
  レゾナンス共鳴:人と響き合うアート/サントリーミュージアム
は、20人の作家の展示。一人につき一つの部屋である。
 例外は、マーク・ロスコと草間彌生の作品で、直角に向き合う二つの壁面に一つずつ展示されている。他のふつの壁面は展示なし。椅子またはソファは無い。
 草間彌生作品は、およそ縦が2m、横4mの豊田市美術館所蔵の網目状のもの。1959年のNo.AB。この作品は「不協和音 日本のアーティスト6人」展/2008年09月30日~2008年12月25日/豊田市美術館、で見たと思う(6人とは、オノ・ヨーコ、草間彌生、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子、田中敦子である)。これの半分くらいの同様の網目状のものは、芥川(間所)紗織展/一宮市三岸節子記念美術館で見た。
 ロスコ作品は、1958年作「Bottle Green and Reds」で、大阪市近代美術館準備室所蔵。205.7×157cmのものがおよそ7m幅(目測)の壁面に展示されていた。数cm幅の枠のなかに暗赤色80cm、黒30cm(緑がかっては見えない)、暗赤色80cmほどの三段に色面が分かれる。深みのある落ち着いた感じをたたえて、そこにある。絵画作品はかくあるべきという、一つの見本。大阪市近代美術館準備室と納税者に感謝。なお、図録の図版では、三段には見えず、したがって異なるものに見える。
 このサントリーミュージアムは今年末で休館とのこと。そのことがあって、このような企画が立てられたとか、このことはどこで見たのだったかな。

抽象絵画論・美術論/文献追加

2010年04月12日 00時25分58秒 | 美術/絵画
2010年4月12日-1
抽象絵画論・美術論/文献追加

[Y]
山田忠彰.2007.4.存在とデザイン??デザインのデ・サイン構造??.山田忠彰・小田部胤久(編)『デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響』: 258-285. ナカニシヤ出版..[ISBN 9784779501272 / 2,730円(税込)]〔1 記号化される生命(バイオセミオティクス、情報と「環世界」、)、2 表面の世界、3 デザインとデ・サイン〕

山田忠彰・小田部胤久(編).2007.4.デザインのオントロギー:倫理学と美学の交響.312pp.ナカニシヤ出版.[ISBN 9784779501272 / 2,730円(税込)]〔週刊読書人2007年6月1日号に古賀徹「「広義」なデザイン論の意味」という書評があるらしい〕

百貨店芸術?

2010年04月10日 21時07分42秒 | 美術/絵画
2010年4月10日-3
百貨店芸術?

 新幹線内でgoogleと、
  THE MONO-HA 関根 伸夫展/大丸東京店/八重洲
をやっている。で、銀座ギャラリー訪問を止めて、東京で下車。
 コラージュ1点と刀の鍔のような形でおそらく樹脂鏡をそのまま大きな面積で使ったのもののほかのおよそ22点は、木枠パネルに和紙を幾重かに張って、純度高い金箔を全面またはほぼ全面に張り、時には穴を開けたりして、青、赤、白などの岩絵具を使ったもの。和紙を破ったり、谷筋を入れたりといったところは、彫刻的発想か。金箔の使い方は難しいな。

 池袋では10階で、東武 春の絵画市2010。20人くらいの作家が区画を1~3人で展示する形式。院展会友の日本画家作品に赤札多し。一巡りした後見たら、1箇所の作品が異なるものが展示されていた。奥の目立たないところにレオナール・藤田の千数百万円の値札の小ぶりの作品がひっそりと。
 200点を越えると思うが、そのうち抽象絵画は、2点のみ。

 立教大学近くの画廊を経路設定して探したが、iPhone探索の精度が悪く、断念。

東京と大阪で見た展覧会記録

2010年04月10日 02時37分19秒 | 美術/絵画
2010年4月10日-2
東京と大阪で見た展覧会記録

2010年4月4日
 赤坂付近から歩いて10時前に着く予定が、乃木坂から入れず、搬入口の門からもすぐ近くなのに六本木方面からの門の方へとぐるりと回らなければならなかった。他にも道を聞いている人がいた。不親切な作りの美術館。で、ルノワールー伝統と革新展/国立新美術館〔美術センター〕。(松坂慶子の声なので)音声ガイドを聴いた。

 アーティスト・ファイル2010ー現代の作家たち/国立新美術館〔美術センター〕。音声ガイドを聴いた、と思うが不確か。

 第69回創元展/国立新美術館〔美術センター〕。ルノワール展の半券を見せれば200円。

 第70回美術文化展/東京都美術館/上野。東京都美術館のページによれば、3月26日(金)~4月4日(日)の間の入場者数は5,329人とある。

 第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展/損保ジャパン東郷青児美術館/新宿。絵画で技法的に面白いのが一つあった。モダンアート展出品者の立体二人は良い。石を彫刻した人は、今度は三角錐を倒立したものを台にひび入りで立てた作品で、素材も素敵。パンフが行方不明。
 常設されている「ひまわり」は、(一度目に見たことと同じだが、やはり)花の部分が土壁の崩れかけのような感じ。ゴッホ作であるにしろ、現在では壊れもの。

2010年4月6日
 北浜近辺の画廊を3つほど見た。
 松岡美子展/ギャラリー風/北浜。
 没後三年 Hommage 白髪一雄展/アート遊/北浜。

2010年4月7日
 レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート/サントリーミュージアム/天保山。シニアは700円。(音声ガイドを聴いた、500円。ペアは700円、どんなのかは調べなかった)
 高島屋大阪店/難波の美術画廊を覗いた後、帰ろうとエレベーターで降りる途中、中壁にポスターが張ってあり、降りて上へ。
 没後10年記念 三岸節子展 心の旅路~満開の桜のもとに/大阪髙島屋7階グランドホール。好太郎作品と黄太郎作品も数点ずつ展示。黄太郎のものは現代的な地。

滋賀県立美術館/フォンタナは未訪問

2010年04月10日 00時34分20秒 | 美術/絵画
2010年4月10日-1
滋賀県立美術館/フォンタナは未訪問

 滋賀県立美術館/瀬田には、見たい現代絵画がいくつかある。

http://www.shiga-kinbi.jp/exhibition/exhibition_josetsu.html#Anchor%20jousetsutenji
には、
  8月31日(火) - 10月31日(日)
   横山大観と仲間たち
  9月1日(火) - 12月20日(日)
   赤と黒-色彩の実験
とあるが、9月1日(火) は8月31日(火) だろう。

 年間のご案内パンフには、赤と黒は8月31日(火)からとなっていて、
  フォンタナ「空間概念」の赤地に三本切り裂きの絵
の画像がある。この期間に行かなきゃね。

まつもとやすこ展/海岸通ギャラリー・CASO Y室

2010年04月09日 23時07分45秒 | 美術/絵画
2010年4月9日-9
まつもとやすこ展/海岸通ギャラリー・CASO Y室

 まつもとやすこ展/海岸通ギャラリー・CASO Y室


<床面部分>(実際はもっと白い)
 床面に組作品、壁面に要素集合的な立体的平面作品(あるいは平面的立体作品)。面白い。和紙、蝋、白は、好みの素材だし。ねらいについてあえて答えてもらうと、水だとのこと。
 床面に律動的に要素が並んでいる。一つの要素は、和紙をちぎって、中央付近に円弧状に破いて、全体を蝋に浸したもの。それをたくさん並べて一つの単位にしている。それが5列。白い和紙が蝋で異なる風合いになる。
 数cm幅の細い和紙を立てるために、四角い断面の白い樹脂に縫いつけている。蝋の面を接着するのは困難だとのこと。


<壁面部分>
 壁面は、同じ作り方の和紙の葉っぱ的形状のものが要素。それをピンで壁面に留めている。それらが壁面に1.5mほどの幅で下端から上端まで斜めに並んでいる。照明によって、葉っぱの影も生じている。それも効果的。

 (画像での)「昇華」2008(これもふわふわしていそうで面白そうだが)よりも小さい要素で最小数で構成して存在感のある小さな立体を作ると、面白いかもしれない。さらにそれを単位に大きなものを試みたものを見てみたい。(画像での)「漂う」2006は、好み。
 作家さんに聞くと、色のついたものも前には試みているとのこと。

 入り口で聞いたが、CASOでは撮影してもよいが、それをwebに載せるのは不可とのこと。ここでの掲載は作家さんの了承済み。(平面作品もだが)立体作品についてはまだ感想ないし批評用語を構築しておらず、気の利いた言葉が使えない。他にもいろいろと教えていただいた。ありがとうございました。


海岸通ギャラリー・CASO訪問

2010年04月09日 22時54分49秒 | 美術/絵画
2010年4月9日-8
海岸通ギャラリー・CASO

 訪れようと思っていたことを、ふと思い出した。今日は休館ではなかった。CASOの最寄り駅は大阪港駅で、サントリーミュージアムのと同じだったとは。大阪港駅に CASOの案内はなかったのかな。

  前期 2010年6月30日(水)~7月11日(日)
  後期 2010年7月14日(水)~7月25日(日)
で、現代美術 インディペンデント CASO展/海岸通ギャラリー・CASOがある予定になっている。

2010年4月9日
 海岸通ギャラリー・CASO、いずれも無料。
 中嶋雄二展。片岡健二展。Food for the senses(中屋敷智生、田中秀和、国谷隆志、松村晃泰)展。
 立嶋滋樹 「あたらしい言葉」展。生カンヴァスか、地塗済みカンヴァスを裏返したものに、まるでクレパスで描いたような感じ。やはりDMに使われた「Shigure」(DMではShi gu reとなっていた。そうだったっけ?)が良い。実物の色はもっと良い。

 2階に資料室もあり。