生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

力についての覚書

2015年08月20日 15時33分47秒 | 生気論
2015年8月20日-1
力についての覚書

  "One of the principal forces that drives this succession is the change in soil conditions caused by the early colonisits." (Begon et al. 1996: 697). [2003-3-29のメモ]
 上記のベゴンらが書いた生態学の教科書では、生態遷移を駆動する主要な諸力の一つは、初期に入植者たちによって引き起こされた土壌諸条件における変化である、としている。つまり、各種生物体にとっての環境の(うちの土壌という)諸条件が変化することが、生態遷移を引き起こす力、または方向づける力とみなしている。
 力学的または機構学的に見れば(システム的接近からの分析の一つから言えば)、力を発揮したのは、その場所へのいくつかの種に属する初期入植者たちである。それらが土壌諸条件を前の状態から、アレロパシーといっは化学的物質を体内から放出したり、またたとえば根っこを出して物理的に土壌構造を改変した。アレロパシー物体は、次にやって来る生物体たちに悪条件を配置するといった形で間接的に作用する。環境を介した作用は、間接的である。力とは、土壌諸条件における変化ではなく、変化を引き起こした植物体や動物体たちである。
 もとより、遷移系列が観測されるのは、各種生物体たちの継時的な相互作用による。
 
  successionにおけるaがs1に作用する。環境形成作用、土壌条件の改変。
  time           1  2  3
  state of community    a  b  c
               ⇅  ⇅  ⇅
  soil conditions      s1  s2  s3
                         [2003-3-29のメモ]

 或る状態が異なる状態へと変化させるのが、作用者(力を振るう者)である。力は、〈ものごとの変化と関連している〉ものであって、変化そのものではない。変化とは、過程として表現される。進化生物学の一部の研究者は、過程 process プロセスをまるで力と見なしている場合がある。それは、混乱のもとである。


Mario Bunge (1999) によるforce 力の定義 [20030315のメモ]
  Force a. Physics Whatever may or does change the state of motion of a material thing.
   b. Metaphysically Anything assumed to accout for change.
   Example 1: Natural selection is often called a force, while actually it is an evolutionary mechanism.
   →systems, mechanism of cahnge.

  Mechanism (p. 173)
    a. 複雑なものごとが働くようにするプロセスならどんなものでも〔メカニズム〔機構〕と呼ぶ〕。

  Process (p. 226)
    A sequence of states of a concrete (material) thing. 〔must be observable?〕

  Observation (p. 199)

 自然淘汰は過程か、力か、機構か。Bunge (1999) は、機構を過程として定義しているが、機構とは諸エネルギーと諸力(とその働き方の法則)を方向づけて制御または統御する諸存在者(下位システム)を構造(=関係)づけたものである。なんらかの程度に固定またはシステムとして同一性を維持できるようにしたものである[20150820]。


HPB〔Helena Petrovna Blavatsky ヘレナ P. ブラヴァツキー〕 Vol.4に「電気は物質か力か」