2012年4月9日-2
爪楊枝絵画考
彩色した画布を小さくくるくるっと巻いて、爪楊枝の大きさと形状にする。爪楊枝絵画である(と名付けよう)。
画布は黒色に一様に塗ってあるとする。するとこれは具象絵画か?
自然界または人工界に観察される対象を、なんらかの側面について絵画で『再現する』。そのような場合を、(仮に)具象絵画と呼ぼう。
色彩が似ていなくても、(『似ている』という概念は、検討を要する)、形態が似ていなくても、人は想像力を使ってか、既知の物体の種類に同定しようとする。
さて、色彩は似ていないが、形状は似ている場合、それは爪楊枝を『描いた』のであろうか? 爪楊枝を想起せずに、くるくるっと巻きたかっただけの場合は? 結果として形状は似たとしよう。しかし、棒状の物体は、爪楊枝に限らない。ではそれは、棒を描いたのか? いや、たまたまだれかが棒を描いた絵画だと主張しているだけではないか? 何の根拠があるのか?
逆に、だれかが、爪楊枝を画布に模写したしよう。それは、爪楊枝を対象としたには違いない。しかし、表現したかったのは、爪楊枝ではなく、それから想起してもらえるかもしれない、心細い感情だったかもしれない。ただし、心の内容は他人にはわからないから、確証困難である。人の言うことを、明白な矛盾とかいったことが無い限り、信じるほかない。
……
分類の落とし穴。
ペンギンしか、鳥類の属員として地球上に存在しない場合。
爪楊枝絵画考
彩色した画布を小さくくるくるっと巻いて、爪楊枝の大きさと形状にする。爪楊枝絵画である(と名付けよう)。
画布は黒色に一様に塗ってあるとする。するとこれは具象絵画か?
自然界または人工界に観察される対象を、なんらかの側面について絵画で『再現する』。そのような場合を、(仮に)具象絵画と呼ぼう。
色彩が似ていなくても、(『似ている』という概念は、検討を要する)、形態が似ていなくても、人は想像力を使ってか、既知の物体の種類に同定しようとする。
さて、色彩は似ていないが、形状は似ている場合、それは爪楊枝を『描いた』のであろうか? 爪楊枝を想起せずに、くるくるっと巻きたかっただけの場合は? 結果として形状は似たとしよう。しかし、棒状の物体は、爪楊枝に限らない。ではそれは、棒を描いたのか? いや、たまたまだれかが棒を描いた絵画だと主張しているだけではないか? 何の根拠があるのか?
逆に、だれかが、爪楊枝を画布に模写したしよう。それは、爪楊枝を対象としたには違いない。しかし、表現したかったのは、爪楊枝ではなく、それから想起してもらえるかもしれない、心細い感情だったかもしれない。ただし、心の内容は他人にはわからないから、確証困難である。人の言うことを、明白な矛盾とかいったことが無い限り、信じるほかない。
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分類の落とし穴。
ペンギンしか、鳥類の属員として地球上に存在しない場合。