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地球温暖化防止と原発推進との関係2

2011年07月20日 00時54分33秒 | 生命生物生活哲学
2010年7月20日-1
地球温暖化防止[キャンペーン]と原発推進との関係2

 池田清彦氏は、

  「CO2が排出されても生態系にはほとんど何の影響も与えないはずです。風力発電のための風車や太陽光発電のためのパネルを大量に設置するほうが生態系に対する影響は大きいと思います。
   さしあたっては、天然ガスと石炭を輸入して火力発電所を設立するのが最も安上がりで、人々との生活や生態系に対する影響が最も少ない発電方式ということになります。
   それにしても何度も言うようにCO2を悪者に仕立てて、原発を推進してきた原子力利権集団の罪は重いと思います。」(池田清彦オフィシャルブログ 2011年4月27日 (水)「ポスト福島原発事故の代替エネルギー」)
http://ike-64.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-d82d.html

と書いているように、二酸化炭素悪者論に与しない。
 福島第一原発事故後に書かれたという序章に、下記のような原発とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)との関係についての箇所がある。当初から温暖化防止キャンペーンと原発推進とは密接に絡んでいるという。

  「もともと温暖化キャンペーンは原発絡みで始まったことで、イギリスのサッチャー首相が、イギリスは石炭も北海油田もなくなって、最終的には原発でエネルギー需要をまかなうしかないと思ったときに、たまたま、ジェームズ・ハンセンの米議会公聴会での 「温暖化が大変だ」という証言があって(一九八八年)、それに便乗して、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の立ち上げをバックアップして、「温暖化抑制」キャンペーンを始めたわけだ。もともとは原発の推進と密接に絡んでいるのである。イキリス国民に、温暖化でこんな大変なことが起こるのなら、安全な原発のほうがいいのではないかと言って、原発を推進しようとしたというのがIPCCの始まりなのだ。
 日本は、このIPCCをあまりにも信用し過ぎて、IPCCの言っていることは全部間違いないと、ずっと従ってきた。二〇〇九年の十一月に、IPCCがインチキだったということがバレて、そのあと、あちこちの国はみんな温暖化対策の政策をやめてしまった。アメリカは当然のこと、オーストラリア、カナダ、フランスあたりは、みんな温暖化対策法案をすべて廃案にした。日本だけ、いまでも二五%削減などとアホなことを言っていて、ほかの国はみんなやらない。」(池田清彦『激変する核エネルギー環境』57-58頁)。

 「二〇〇九年の十一月に、IPCCがインチキだったということがバレ」たことについての、日本語書籍は、

スティーブン・モシャー & トマス・フラー(渡辺正訳 2010.6).『地球温暖化スキャンダル-2009年秋クライメートゲート事件の激震』.日本評論社.

 なお、環境省は、

  「平成22年5月6日
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)レビュー委員指名に関するインターアカデミーカウンシル(IAC)の報道発表について(お知らせ) 」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12445

  「平成22年7月6日
   オランダ環境評価庁によるIPCC第4次評価報告書第2作業部会報告書の地域ごとの影響を評価する章に関するレビュー結果公表について(お知らせ)」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12690

  「平成22年7月8日
   英国イーストアングリア大学により設置された独立レビュー組織による「クライメートゲート事件」レビュー結果の公表について(お知らせ)」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12697

といった文書を紹介している。
 
 たとえば100年間で地球平均気温が摂氏3度あがり海面高度が30cm上がるとしても、今回の東北地方太平洋沖地震での土地陥没は一日にして数十cmのところがあった。

 
[I]
池田清彦.2011.5.激変する核エネルギー環境.223pp.KKベストセラーズ[ベスト新書].