生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

Zero BookJ-[G]

2010年06月01日 21時46分42秒 | 生命生物生活哲学
2010年6月1日-2
Zero BookJ-[G]

[G]
*ギリース.(中山智香子訳,2004)確率の哲学理論.日本経済評論社.[B2007**]

学習研究社.1992.禅の本:無と空の境地に遊ぶ悟りの世界.228pp.学習研究社.[B990203, y971]

郡司ペギオ-幸夫.2002.生成する生命:生命理論Ⅰ.265pp.哲学書房.[B20021120, y1,900]

郡司ペギオ-幸夫.2006.3.生命理論.541pp.哲学書房.[第1部: 生成する生命 ; 第2部: 私の意識とは何か;「生成する生命」(2002) と「私の意識とは何か」(2003) の改題、合本]

郡司ペギオ-幸夫.2006.6.生きていることの科学.288pp.講談社(講談社現代新書).[ちんぷんかんぷん。すぐ挫折した。養老孟司氏の、理解しなくても書評するという離れ業、に脱帽。]

郡司ペギオ-幸夫・松野孝一郎・オットー・E・レスラー.1997.内部観測.240+iiipp.青土社.[W980428, y1796]

郡司篤孝.1974.恐怖の加工食品-AF2その他の添加物.253pp.三一書房.[y650]

後藤雅洋.1990.ジャズの名演・名盤.241+xxivpp.講談社.[B991210, y700]

後藤尚久.1993.なっとくする電磁気学.278pp.講談社.[W980304, y2,614]

ガードナー,H. 1985.(佐伯 胖・海保博之監訳,1987)認知革命-知の科学の誕生と展開-.14+411pp.産業図書.[The mind's new science: a history of the cognitive revolution.] [B950228, y4120]

ガードナー,M. 1952.(市場泰男訳,1980)奇妙な論理-だまされやすさの研究.279pp.社会思想社.[y1500] [ショーもない本。だまされてはいけない。]

ガードナー,M. 1964.(坪井忠二・小島 弘訳,1971)自然界における左と右.340pp.紀伊國屋書店.[y1400]

ガーゲン.1994.(杉万俊夫・矢守克也・渥美公秀監訳,1998)もう一つの社会心理学:社会行動学の転換に向けて.xxx+339pp.ナカニシヤ出版.[B000717, y4,800]

ガイスト,V.1971.(今泉吉晴訳,1975)マウンテンシープ上.304pp.思索社.[y1800]

ガイスト,V.1971.(今泉吉晴訳,1975)マウンテンシープ下.305-597pp.思索社.[y1800]

ガウゼ,G.F.1934.(吉田敏治訳,1981)生存競争.204pp.思索社.[y2000]

がんばるウーマン応援委員会(編).1999.がんばってなにがワルイ!!:勝負したオンナに福来たる.143pp.エージー出版/レゾナンス出版.[B000323, y1,300]

ギトン,J., ボグダノフ,G. & ボグダノフ,I.1991.(幸田礼雅訳,1992)神と科学:超実在論に向かって.218pp.新評論.[B951022, y1800]

ギブソン,J.J.1979.(古崎 敬ほか訳,1985)生態学的視覚論:ヒトの知覚世界を探る.xxii+360pp.サイエンス社.[B000507, y4175]

ギボンズ,M.19 94.(小林信一訳,1997)現代社会と知の創造:モード論とは何か.iv+293pp.丸善.[B000606,y740]

ギロビッチ,T.1991.(守 一雄・守 秀子訳,1993)人間この信じやすきもの:迷信・誤信はどうして生まれるか.viii+331+25pp.新曜社.[W980508, y2893]

ギャラハー,W.1996.(幸田敦子訳,1998)なぜ私は「私」なのか-パーソナリティの研究.316pp.河出書房新社.[B980513, y2300]

ギンズブルグ,C.2000.(上村忠男訳,2001)歴史・レトリック・立証.212pp.みすず書房.[B011031, y2,800]

ギル,R.1989.コラッ!!む.222pp.白水社.[Gill, R.] [y1000]

ギルバート,スコット・F. (塩川光一郎・深町博史・東中川 徹訳,1991.1-3)発生生物学?分子から形態進化まで〈上〉〈中〉〈下〉.xiii+950+11pp.トッパン.[Gilbert, Scott F. ] [B991020, y4,466; xii+583+9pp.] [B991020, y5,437] [細胞分化の機構(細胞質の特性化によって行う決定/徐々に決定が進行すること/ ゲノムの等価性と、それが区腹して発現されること 発生学的な研究/ゲノムの等価性と、それが区腹して発現されること 分子的な研究/遺伝子発現の転滋調節 発生過程における転滋の変化/遺伝子発現の転滋調節 区腹して遺伝子の転滋が起こる機構/RNAプロセッシングによる発生の調節/翻訳および翻訳後のレベルで調節される発生過程/15 細胞に空間的秩序を与えること?細胞表蔓の役割/16 近くにある組織間の相互作用?2次的な誘導/17 パターン形成/18 ショウジョウバエにおけるパターン形成の遺伝学/19 離れた細胞間での相互作用?ホルモンが仲介する発生/20 成長の様式と発ガン/21 性の決定/22 生殖系列の細胞の物語.]

ギル佳津江.2000.今日からはじめるアロマセラピーマッサージ.風媒社.[B20031109, y1,600; d2009]

グールド,S.1983.(渡辺政隆・三中信宏訳,1988)ニワトリの歯上-進化論の新地平.296pp.早川書房.[y1700]

グールド,S.1983.(渡辺政隆・三中信宏訳,1988)ニワトリの歯下-進化論の新地平.310pp.早川書房.[y1500]

グールド,S.J.1967.(仁木帝都・渡辺政隆訳,1987)個体発生と系統発生.649pp.工作社.[y5500]

グールド,S.J.1977.(浦本昌紀・寺田 *訳,1984)ダーウィン以来上-進化論への招待.219pp.早川書房.[y1200]

グールド,S.J.1977.(浦本昌紀・寺田 *訳,1984)ダーウィン以来下-進化論への招待.221pp.早川書房.[y1200]

グールド,S.J.1980.(桜町翠軒訳,1986)パンダの親指下-進化論再考.258pp.早川書房.[y1400]

グールド,S.J.1980.(桜町翠軒訳,1986)パンダの親指上-進化論再考.289pp.早川書房.[y1400]

グールド,S.J.1981.(鈴木善次・森脇靖子訳,1989)人間の測りまちがい-差腹の科学史.444pp+xxii.河出書房新社.[y3900]

グールド,S.J.1985.(新妻昭夫訳,1990)フラミンゴの微笑上-進化の現在.306pp.早川書房.[y1600]

グールド,S.J.1985.(新妻昭夫訳,1989)フラミンゴの微笑下-進化の現在.358pp.早川書房.[y1600]

グールド,S.J.1987.(渡辺政隆訳,1991)嵐のなかのハリネズミ.360pp.早川書房.[y2000]

グールド,S.J.1990.(渡辺政隆訳,1990)時間の矢時間の環.277pp.工作舎.[y2600]

グールド,S.J.1991.(廣野善幸・石橋百枝・松本文雄訳,1995)がんばれカミナリ竜(上)-進化生物学と去りゆく生きものたち.355pp.早川書房.[B951115, y1900] [Bully for brontosaurus: Reflections in natural history. W.W.Norton & Comany.]

グールド,S.J.1991.(廣野善幸・石橋百枝・松本文雄訳,1995)がんばれカミナリ竜(下)-進化生物学と去りゆく生きものたち.410pp.早川書房.[B951115, y1900] [Bully for brontosaurus: Reflections in natural history. W.W.Norton & Comany.]

グールド,S.J.1995.(渡辺政隆訳,2000)干し草の中の恐竜:化石証拠と進化論の大展開(上).331pp.早川書房.[B000929, y2,100]

グールド,S.J.1995.(渡辺政隆訳,2000)干し草の中の恐竜:化石証拠と進化論の大展開(下).374pp.早川書房.[B000929, y2,100]

グールド,S.J.1996.(渡辺政隆訳 1998)フルハウス:生命の全容 四割打者の絶滅と進化の逆説.324pp.早川書房.

グールド,S.J.1996.(渡辺政隆訳,1996)八匹の子豚(下).310pp.早川書房.[B970114,y1800]

グールド,S.J.1996.(渡辺政隆訳,1996)八匹の子豚(上).338pp.早川書房.[B970114,y1800]

*グールド,スティーヴン・J.****.(渡辺政隆訳,2002)ダ・ヴィンチの二枚貝〈上〉:進化論と人文科学のはざまで.277pp.早川書房.[y2,200]

*グールド,スティーヴン・J.****.(渡辺政隆訳,2002)ダ・ヴィンチの二枚貝〈下〉:進化論と人文科学のはざまで.254pp.早川書房.[y2,200]

ハールマン,H.1985.(早稲田みか編訳,1985)言語生態学.x+242pp.大修館書店.[B951026,y1545]

グッドウィン,B. 1994.(中村 運訳,1998)DNAだけで生命は解けない~「場」の生命論.xvi+268pp.シュプリンガー・フェアラーク東京.[B990310, y3200]

グッドマン,J.1983.(板倉勝正訳,1983)人類誕生のミステリー.viii+303pp.明日香出版社.[y1800]

グッドマン,N.1978.(菅野盾樹・中村雅之訳,1987)世界制作の方法.xii+274+ixpp.みすず書房.[B950404, y2575]

グッドマン,N.1979, 1983.(雨宮民雄訳,1987)事実・虚構・予言.224+ivpp.勁草書房.[B941205, y2,060]

グッギィスベルク,C.A.W.19??.(小原秀雄訳,1974)シンバ上.272pp.思索社.[y1600]

グッギィスベルク,C.A.W.19??.(小原秀雄訳,1974)シンバ下.273+522pp.思索社.[y1600]

クドール,ジェーン & バーマン,フィリップ.2000.(上野圭一訳,2000)森の旅人.339pp.角川書店.[B000328, y1,800] [B20020528, y1,800]

グリーン,ブライアン.2001.(林一・林大訳,2001)エレガントな宇宙-超ひも理論がすべてを解明する.574pp.草思社.[B20020413, y2,200]

グリーンウッド,P.J.& アダムズ,J.1987.(厳佐 庸監訳,1991)「性」の不思議がわかる本-♂と♀の進化生態学.xxxi+151pp+viii.HBJ出版局.[y1500]

グリーンカルチャーセンター(編).1986.緑の地球へ-森林のエコロジー.159pp.現代書館.[y1,200]

グリック,J.1987.(大貫 昌子訳,1991)カオス.536pp.新潮社.

グリビン,J.1995.(櫻山義夫訳,1998)シュレーディンガーの子猫たち:実在の探求.14+358pp.シュプリンガー・フェアラーク東京.[B990122, y2200]

グリビン,J. & チャーファス,J.1982.(香原志勢監訳,1984)モンキー・パズル-分子人類学からみた進化論.382pp.ホルトサウンダース.[y1500]

グリフィス,J.S.1971.(塚原仲晃・佐藤俊輔訳,1973)数理神経生物学.10+169pp.産業図書.[y1300]

グリフィスス,S.(編).1999.(渡辺政隆・松下展子訳,2000)世界の知性が語る21世紀.x+338 pp.岩波書店.[B010130, y2,600]

グリフィン,D.R.1976.(桑原万寿太郎訳,1979)動物に心があるか-心的体験の進化的連続性.x+160+26pp.岩波書店.[y900]

グリフィン,D.R.1984.(渡辺政隆訳,1989)動物は何を考えているか.301pp.どうぶつ社.[y3000]

グリフィン,D.R.1992.(永野 敬・宮木陽子訳,1995)動物の心.471pp+xii.青土社.[B951109, y2800]

グレアム,F.ジュニア.1970.(田村三郎・上遠恵子,1970)サイレント・スプリングの行くえ-自然の保護と人間の生態.303+10pp.同文書院.[Since Silent Spring. y650]

グレイ,D.F.1964.(村松 繁訳,1967)免疫学入門.5+190pp+10.共立出版.[y850]

グレイ,G.W.(編).1955.(浦原春一・江上信夫訳,1975)動物の生態-その生理と生活.326pp.白揚社.[y320]

グレイザー,B.G.& ストラウス,A.L.1967.(後藤 隆ら訳,1996)データ対話型理論の発見:調査からいかに理論をうみだすか.xiii+376+7pp.新曜社.[W000612, y4,200]

グレゴワール,F.1969.(中村雄二郎訳,1972)哲学入門(改訂新版).156pp+x.白水社.[y650]

グロフ,S.1985.(吉福伸逸・星川 淳・菅 靖彦訳,1988)脳を超えて.xxii+623pp+26.春秋社.[y4200]

グラース,B.・テムキン,O.・ストロース・JR,W.L.1968.(谷 秀雄監訳,1988)進化の胎動-ダーウィンの先駆者たち1745-1859.329pp+xviii.大陸書房.[y2400]

グラーゼナップ,H.V.1960.(大河内了義訳,1983)東洋の意味-ドイツの思想家のインド観.vii+338pp.法蔵館.[y2900]

グラッドウェル,マルコム.2000.高橋 啓訳,2000 ティッピング・ポイント:いかにして小さな変化が大きな変化を生み出すか.210pp.飛鳥新社.[B000313, y1,700]

ゲーテ.**.(高橋義人・前田富士男訳,1982)自然と象徴-自然科学論集.xxii+348+xxxvi pp.富山房-富山房百科文庫.[y1300]

ゲーテ.(高橋義人・前田富士男・南大路振一・嶋田洋一郎・中島芳郎訳,1999)色彩論 完訳版.1教示篇・論争篇654pp.2歴史篇700pp.「色彩論」図版集61pp.工作社.[B000419, y25,000]

ゲーテ,J.W.(池内 紀訳,1999)ファウスト第一部.255pp.集英社.[B000504, y2,200]

ゲーテ,J.W.(池内 紀訳,2000)ファウスト第二部.382pp.集英社.[B000504, y2,800]

ゲーリング,ワルター・J.1999.(浅島 誠 監訳,辻村秀信ほか訳,2002)ホメオボックス・ストーリー:形づくりの遺伝子と発生・進化.313+xxiii pp.東京大学出版会.[B20020515, y4,800]

ゲイロード,R.J.& ウィリン,P.R.1995.(荒井 隆訳,1998)Mathematica 複雑系のシミュレーション:物理学と生物学の探求.xvi+295pp.シュプリンガーフェアラーク東京.[W980922, y4788]

ゲノン,R.1927.(田中義廣訳,1986)世界の終末-現代世界の危機.244pp.平河出版.[y1400]

ゲゼル,A.1941.(生月雅子訳,1967)狼にそだてられた子.142pp.家政教育社.[y350]

ゲルテイボス,F.1978.(石山かさ夫・高津光洋・長井辰夫訳,1981)染色体のしくみとはたらき-基礎知識と実験法.ix+313pp.サイエンス社.[y2000]

ゲルマン,M.1994.(野本陽代訳,1997)クォークとジャガー:たゆみなく進化する複雑系.451pp+vii.草思社.[B980121, y2600]

ゴーナム,M.1998.抗癌力:再発・転移を防ぐ免疫強化物質「アラビノキシラン」.222pp.主婦の友社.[B981214, y1500; 20040508s/y30?]

ゴードン,D.1999.(池田清彦・池田正子訳,2001)アリはなぜ、ちゃんと働くのか:管理者なき行動パタンの不思議に迫る.232pp.新潮社.[B20021127, y600]

ゴールドスミス,E.1996.(大熊昭信訳,1998)エコロジーの道:人間と地球の存続の知恵を求めて.x+558+76pp.法政大学出版局.[W981027, y6484]

ゴールドマン,M.I.1972.(都留重人訳,1973)ソ連における環境汚染-進歩が何を与えたか.xiv+388pp.岩波書店.[The Spoils of Progress: Envioromental Pollution in the Soviet Union.The M.I.T. Press. y1000]

ゴオー,G.1987.(菅谷 暁訳,)地質学の歴史.330+xxxvipp.みすず書房.[B000503, y2,500]

ゴドフリー,トニー.1998.(木幡和枝訳,2001)コンセプチュアル・アート.447pp.岩波書店.[oc708 ,y5,040; Rh20061017]

ゴドリエ,M.1996.(山内 昶訳,1998)2000 贈与の謎.vi+339+16pp.法政大学出版局.[B000801, y4,000]

ゴルツ,A.19??.(高橋武智訳,1980)エコロジスト宣言.328pp.緑風出版.[y2200]

ゴルデル,J.1991.(須田 朗監修・池田香代子訳,1995)ソフィーの世界-哲学者からの不思議な手紙.667pp.日本放送出版協会.[B960118, y2500, Sofies verden. H.Aschehong & Co.]

ゴルボフスキー,A.1971.(中山一郎訳,1972)失われた文明-1万2千年前の世界.207pp.講談社-講談社現代新書.

ジュゼッペ カリオティ.1997.(宮崎 忠訳 ) 「あいまいさ」の物理学:秩序と無秩序の間をとらえる新しい試み.433pp+5pp.講談社.[B970515, y762]

ジョージ,W. 1964.(吉田敏治訳,1968)動物地理学.224pp.古今書院.[y800]

ジョージェスク-レーゲン,N. 1993.(高橋正立・神里 公・寺本 英・小出圧之助・岡 敏弘・新宮 晋・中釜浩一訳,1993)エントロピー法則と経済過程.ix+598pp.みすず書房.[W980206, y9,676]

ジョルジュ,P. 1971.(寿里 茂訳,1972)環境破壊.144+iipp.白水社,文庫クセジュ.[y350]

愚安亭遊佐.1989.見わたせば人生途上旅途上-いつも舞台にひとり.182pp.自然食通信社.[y2000]

『現代思想』.1984.特集=ニューサイエンス.<知>の新しい波.302pp.青土社.現代思想(12)-1.[セール,M. ら.y980]

*『現代思想』.2006.2.ポストゲノムの進化論.[y1800]

*『現代思想』.2007.9.温暖化の真実:環境問題の発見.222pp.青土社.[y1,299]

ニッチ構築の定義1

2010年06月01日 15時01分03秒 | 生態学
2010年6月1日-1
ニッチ構築の定義1

  「生物体は、進化において二つの役割を演じる。一番目は、遺伝子を運ぶこと〔保持する carry これはあいまいな言葉やなぁ。佐倉ほか訳では「遺伝子をになう」としている〕から成る。生物体は、その環境のなかで偶然〔機会 chance〕と淘汰圧にしたがって、生存し、生殖する。……生物体はまた、環境と相互作用し、環境からエネルギーと資源を獲得し、環境に対して小生息場所と大生息場所を選好し、環境のなかで加工物を構築し、廃棄物を排出し、そして死ぬ。すべてのこれらのことをすることによって、少なくともそれ自身の局所環境とお互いの環境において存在する淘汰圧のいくらかを修正する modify。」(Odling-Smee et al. 2003: 1)〔20100601試訳〕。

 進化とは、その生物体の環境下において、生物体自身の振る舞い、生物体どうしの相互作用的振る舞い、生物体とその環境との相互作用、それらの総合的結果の或る側面を、われわれが取り出して言うものである。そうであるならば、「役割 role」といった、全体が先立つような言い方はおかしい。進化の舞台、という言い方ならばよいかもしれない。その場合も、生物体を含む物体自身とそれらの相互作用の結果である(太陽から地球へのエネルギーはほとんど一方向的だが)。お互いが舞台となっている。要は、進化という概念を祭り上げて、そのなかのものとか一部を構成するといったような、生物体という主体を埋没させるような言い方あるいは捉え方は、本質を捉えられなくなるかもしれない。

  "This second role for phenotypes in evolution ..."
  「進化における表現型のための〔に対する〕、この二番目の役割は、……」〔とも取れるが、〕
  「表現型が進化に果たす、この2つめの役割は、……」(佐倉ほか訳 1頁)。

 「for」をどう解釈すればよいのか? しかしそもそも、環境のなかで様々なことを生物体が行なったり、環境と相互作用したりすることが、そのまま役割と捉えることはできない。すぐ後で、生態系エンジニアリングという概念を持ち出すことから考えると、生態系のなかでの役割といいたいのだろうか。
 ともあれ、著者が「ニッチ構築」と呼ぶのは、二番目の役割であり、それは生物体と環境との関係に関わることになるだろう。きちんとした言葉で定義を明瞭にしてもらたいものだ。中尾(162頁)が指摘するように、ニッチ構築とは生態系エンジニアリングと本質的に同じだと言っている。おやおや、ニッチ構築とは役割を指すのではなく、生物体が行なうなんらかの行為なのか?

  "Jones et al. 〔1994, 1997〕describe organisms that choose or perturb their own habitats as "ecosystem engineers," where "ecosystem engineering" is essentially the same as "niche construction." Jones et al. claim that when organisms invest in ecosystem engineering they not only constribute to energy and matter flows and trophic patterns in their ecosystems but in part also _control_ them. The propose that organisms achieve their control via an extra web of connectance in ecosystems, which they call an "ecological web," and which is established by the interactions of diverse species of engineering organis,s (Jones et al. 1997)." (Odling-Smee et al. 2003: 6).

  「そこでは、「生態系工作」は「ニッチ構築」と本質的に同一である」(試訳)。

 whereは何を指しているのだろうか。Jonesらが書いている論文では、ということなのか。わが英語力の不足。

 また、著者はニッチ構築の「結果」として、生態系エンジニアリングを挙げている(中尾 2008: 162頁)らしい。今度は、何かの結果である。生態系を制御することは、ニッチ構築の結果なのであり、ニッチ構築は生物体による生態系制御の結果であると、時間軸で述べたということなのだろうか。

 (ナタナエル、君に情熱を教えよう。悲痛な日々を送るより、情熱に溢れた楽しい日々を創ることだ。)


中尾央.2008.[書評]Odling-Smee, F. J., Laland, K. N. and Feldman, M. W. Niche Construction: The Neglected Process in Evolution. Princeton University Press, 2003. (邦訳:『ニッチ構築:忘れられていた進化過程』佐倉・山下・徳永訳,共立出版,2007年.). 科学哲学科学史研究 (2): 162-164.

Odling-Smee, F.J., Laland, K.N. & Feldman, M.W. 2003. Niche Construction: The Neglected Process in Evolution. xii+472pp. Princeton University Press.

Odling-Smee, F.J., Laland, K.N. & Feldman, M.W. 2003.(佐倉 統・山下篤子・徳永幸彦訳,2007.9) ニッチ構築:忘れられていた進化過程.viii+400pp.共立出版.[R20080404r, y5,040]