空の日誌

設計室「空」のブログ

東北へ

2012-04-02 20:00:53 | ブログ

長野市出身の俳優「ヤブキ・レン」さんは
東北は釜石市の郊外で、仮設住宅住まいをしながら、
最も津波の被害が大きかった地域の一つ
「大槌町」で1年以上様々な支援活動を続けています。

その彼が、私にお願いしたいことがあるというので、
お手伝いできる事があれば幸いと思い、
先日、3月の29日から31日までの3日間被災地へ行ってまいりました。

彼は「LIA」と言うNGO団体の代表で、
あらゆる生き物の命を救う目的で
被災地の犬や猫を保護して飼い主を見つけたり、
里親を探したりしています。

これは「LIA」の活動の一部に過ぎませんが、
熱いハートの持ち主である「ヤブキ・レン」さんは
岩手、宮城両県で犬25匹、
猫136匹を保護したそうです。
(信濃毎日新聞の記事にも紹介されていました。)

私が到着した日には
福島の原発警戒区域に防護服で入り、
家畜の処分などの状況を調べに行ったようで
仮設住宅のテーブルにはガイガーカウンターが
置いてありました。

仲間とスカイプを使ってネット会議中の彼に代わって、
スタッフの澤舘さんが台所で夕食を作ってくださいました。

雑然とした仮設住宅の小さな部屋には
配布がとどこおり、廃棄状態になった
虫だらけのお米などが置いてあり、
彼は「もったいないから使うんです。
虫は殺さないで下さいね。」と説明してくれました。

我々は持参した寝袋をかたわらに置き、
用意していただいた野菜だけの鍋料理を
このうえなくありがたくいただいたのです。

それだけで私は彼の、
そしてそのスタッフの限りなくやさしい心と
黙々と続ける活動への強い意志を直接
感じる事ができ、
横になってからも
いろいろな事を考えた夜でした。

写真は仮設住宅の一室に保護され、
昼は外に出してもらっている3匹のワンちゃん。
翌日、近くの土手を散歩しました。
Photo

被災犬は人と同じように
心が傷ついていたり、飼い主とのかかわりによっては
凶暴になったりしていて馴らすのが大変だそうですが、
レンさんの訓練の成果があって、
私には3匹ともとてもなついてくれました。

この東北行きはわたしにとって
大変おおきな経験でした。
私に出来る事は何か、
レンさんから渡された課題を
考えつつ、思ったことを時折書いていこうと思います。

家族と共に自らも被災しながら
大槌町の被災地を案内してくださった澤舘さんの
後姿が忘れられません。
ありがとうございました。