白鳥神社 (川崎市麻生区白鳥)
今年正月4日、自宅から歩いて30分のところにある白鳥神社を詣でた。
たくさんの幟が連なってはためく階段を上りきると、閑散とした境内の風景があった。
正月だから、もう少し賑やかだと思ったが、この日は仕事始めの日。
すれ違った参詣者は年配の男性二人と赤ちゃんを抱いた若夫婦のみ。
おみくじが束になって結ばれていた。昨日までは賑わっていたのだ。
いつか元旦に来たときは初詣客が狭い階段に列を成し、お神酒もふるまわれ、小さな神社に親しみをもったものだ。
そして8月1日、猛暑の午後であったが、写生するために、またこの神社を訪れた。
参拝し、ぐるりと境内を見渡す。本堂の左側にある建物の陰を選び、スケッチを開始。
山鳩がクウクウと鳴く。トカゲの子どもが身を光らせて足元に寄ってくる。
風が通り、気持ちよく筆が進む。
子どもが三人寄ってきた。
「上手だね!」 「いつから描いているの?」 「描くのも速いんだね!」
子どもから賞賛されて、うちわで扇がれたようで暑さが吹き飛ぶ。
ここは片平・五力田地域の鎮守社である。
御祭神は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)で、社名は日本武尊の霊が白鳥となって飛来したという伝説に由来している。
他に愛染明王も祀られ、縁結びの神としても知られ、信仰を集めている。
参拝のときに見上げると、揺らした鈴の上から龍の彫刻が目に飛び込んできた。
絵の中に、龍の目を二つ入れてみると、気のせいだろうか魂が入った気がした。