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全国一般東京東部労働組合の記録

HTS支部第13回団体交渉報告

2008年01月18日 13時01分31秒 | 添乗員・旅行業界


みなさんに訴えます!
提示された残業代に納得できない場合はサインせず、
私たちに相談してください!

HTS支部第13回団体交渉報告

就業規則の一方的制定は許しません!
弁護士は添乗員の労働の実態を見なさい!

1月17日、阪急トラベルサポートと全国一般東京東部労組HTS支部との第13回団体交渉が行われました。
組合側の出席者は5名。会社側は従来の上田支店長以下5名に加え、この日初めて弁護士を同席させました。「太田・石井法律事務所」の伊藤隆史弁護士です。

<未払い残業代について>
会社は前回12/13の団体交渉で組合員1名の過去の未払い残業代について労働時間を反映させたかたちで提示(おおむね250万円)しました。組合はこれを受け、のこり5名についても計算し金額を提示するよう要求、会社は了承しました。

しかし、この日の団交で会社は、「組合からの請求者全25名分について改めて金額を提示する」としました。

一方で会社は「全添乗員に未払い賃金を支払う」とし、1月中旬より個別に面談を行い、各自に金額を提示、同意書を取った上でそれを支払うとしています。
おそらく「同意書」には「今後の未払い賃金の請求は放棄する」=「これを受け取ることで今後自分が計算した実際の残業代が受け取った額を上回ったとしても、その差額は請求できない」という内容が含まれるものと思われます。

そこで皆さんに訴えます。
会社が一方的に「計算」して支払う金額に納得できない場合はサインしないで組合に相談してください。

<就業規則について>
・事業場外みなし労働について
組合は就業規則16条に平然と記載している「事業場外みなし労働」を撤回するよう要求しました。しかし、これについての会社=弁護士の回答は「これは法律の文言をそのまま載せているだけなので問題ない」「逆に、組合が『事業場外みなし労働はダメだ』という根拠を教えてほしい」「労基署の是正勧告指導はあったが、事業場外みなし労働についてはあくまでも『指導』である」「労基署と会社は事業場外みなし労働についての見解が違う。事業場外みなし労働はOKとの見解を自分が作成し、三田労基署に提出した」「時間管理はできなくても、指揮命令は及んでいても事業場外みなし労働は問題なく成立する」とぬけぬけと回答しました。
HTS支部組合員はこの弁護士の添乗員の労働実態とあまりにもかけはなれた言葉に唖然とし、「添乗員の実態を知っているのか!」「自分で添乗業務をやってみればわかる!」と強く抗議しました。
・有給休暇について
続いて、先日ブログで指摘した有給休暇の問題(発生要件・取得時の日当)について問いただしました。
これについての会社=弁護士の回答は「法律上それで問題ない」というものでした。しかし、「法律上」の根拠を問いただしたところ、当初は「文献にあたった」としながらも組合が追及すると「自分の見解・解釈だ」としました。
「1か月仕事をしないと有休発生までのカウントがリセット。今まで発生していた有給休暇もゼロに」「取得した日の賃金が日当を下回る」は弁護士の見解・一方的な解釈ということです。組合も強く抗議しました。「いち弁護士の見解・解釈」によって生じる不利益を押しつける就業規則があっていいものなのでしょうか!

・会社・弁護士はこの添乗員の労働実態を無視した、また労基署の是正勧告指導を無視した就業規則を2/1付けで施行するとしました。

<「HTS再編」のウワサについて>
ここ最近、「阪急トラベルサポートを閉鎖してあらたに会社を設立。HTSに所属する全添乗員をそちらに再雇用する。ただし組合員だけは再雇用しない」というウワサがまことしやかに広く飛び交っています。組合はこのウワサの真偽について会社に問いただしました。
上田支店長、伊藤課長、伊藤弁護士以下、会社の回答は「そのような事実は一切ない」と、きっぱりと全面的に否定しました。

<社会保険・雇用保険について>
会社は社会保険について、「年間180日勤務(打ち合わせ・精算含む)」の添乗員について加入手続きを進める、としています。しかし、組合は改めて「希望者は全員加入させよ」と要求しました。
これに対し会社は、「加入希望を表明した組合員(9名)については手続きを始めている」としました。
雇用保険についてもハローワークと連携しながら手続きを進めている、としました。

<その他の問題について>
その他諸要求についての会社の回答は以下の通りでした。
・対客電話について:基本的に「あいさつ」だけでいい。それ以外のことをやるよう求められたらHTS担当者に教えてほしい。やらせないようにする。
・自宅からの対客電話について:自宅からはやる必要はない。会社から電話するときに本人が不在の場合は、出た人に「あいさつ」の旨を伝言すればよい。
・賃金明細について:現状支払額のみの表示だが、これを各種手当なども記載し、分かりやすくする。

全国の添乗員の皆さん!阪急交通社・阪急トラベルサポートの添乗員の皆さん!
会社・弁護士は添乗員の過酷な労働実態を見ようとせず、一方的に就業規則を適用しようとしています。また、労働の実態を反映していない「未払い賃金」の支払いを始めようとしています。

組合とともに、就業規則の一方的適用を阻止しましょう!
会社が一方的に提示する「未払い賃金」に同意することなく、組合に入って自分の働いた分の未払い残業代を取り戻しましょう!

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72 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-01-18 16:34:04
阪急交通社・阪急トラベルサポートの添乗員だけではなくて、その他の派遣添乗員の現状の打破(労働時間に対する時給問題や雇用保険問題、たいきゃく電話問題、アンケートの問題)の為に何とかして頂けないでしょうか。
返信する
泣けてきますね。 (HTS退職者)
2008-01-18 17:14:17
会社側のコメントを見るたびに悲しくなりますね。
自分が所属していた会社だけに残念でなりません。
今日午前中に上田支店長を見かけました以前なら挨拶を交わしたりしてたのですが
挨拶をする気にすらなれませんでした。
やはり厚生労働大臣に直訴するしかないのでしょうか?
返信する
一緒に何とかしませんか。 (東部労組本部スタッフ)
2008-01-18 18:30:15
「阪急交通社・阪急トラベルサポートの添乗員だけではなくて、その他の派遣添乗員の現状の打破(労働時間に対する時給問題や雇用保険問題、たいきゃく電話問題、アンケートの問題)の為に何とかして頂けないでしょうか。」

のコメントを下さった方へ

お気持ちは良くわかります。
私たちの運動は全ての添乗員の権利と社会的地位向上が目的です。

それには、当事者自身が立ち上がってはじめて私たちもサポートできますしマスコミなど世論も応援してくれます。

事実、旅行綜研・阪急トラベルサポートの添乗員自身が立ち上がって、苦労して頑張ったからこそ大きな社会問題として取り上げられ、雇用保険も社会保険も前進しました。彼女・彼らが東部労組に加入して、はじめて声をあげたからこそ、厚生労働省も労基署も「みなし労働は違法」との是正勧告指導を出さざるを得なかったのです。
全国の多くの添乗員の応援や署名運動などの支援、このブログの宣伝なども添乗員自身の運動だからこそ拡がっています。

旅行業界の卑劣・不当な抵抗のため、根本的改善にはまだまだ時間がかかると思いますが、一年前に比べれば添乗員の歴史上画期的な改善が多く実現しています。それもこれも全て阪急HTS支部等の組合員の苦労と全国の添乗員の立ち上がりや声援があったからこそです。

当事者の立ち上がりが無い時に幾ら廻りで騒いでも行政もマスコミも労働組合も誰も相手にしてくれません。法律は絵に描いた餅でしかありません。
何度も言いますが、当事者自身の立ち上がりが決め手となります。

最近、阪急トラサポ以外の会社の派遣添乗員の労働相談・東部労組加入が相次いでいます。ここに来て、小さな派遣添乗員会社と私たち東部労組との交渉も幾つか実現してきています。改善も徐じょに実現してきています。注意して見て頂くと「コメント」にも反映されています。

いつの日か貴方自身が立ち上がることを心からお待ちしています。その時は私たちは全力であなたを応援することをお約束します。一緒に苦労しませんか。
その時は、ぜひ、一度こちらに連絡下さい。

全国一般東京東部労組HTS支部担当スタッフ
電話 03-3604-5983
メール toburoso@ka2.so-net.ne.jp
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長い戦い (泣き添乗員)
2008-01-18 19:23:44
13回目の団体交渉、お疲れ様でした。本当にいつも私たちの思いを代弁して訴えて下さるお気持ちに感謝申します。
組合の方達の頑張りにより旅行業界に旋風が巻き起こりまして1年半くらいでしょうか。色々と変化してきています。阪急でいえば、旅日記や空港税の領収書の記入・集金がなくなり、トラサポの方達には(納得できる内容ではありませんが)残業代、保険、有休のお話も出ています。他大手旅行会社の下請け派遣会社も「雇用・社会保険を入りたい人はいれてやるよ」と偉そうですが、所属添乗員に話があったそうです。とっても素晴らしい進化だと思います。でも、会社側の卑劣な対応によりまだまだ私達の不当な扱いや苦しい待遇を良くして行く戦いは続いていくんですね。
阪急のとっている対応は私たち添乗員にとって失礼です。パンフレットには「添乗員が自慢です」とうたっているのに、実際ひどい扱いです。今回の交渉もとっても悲しいお話でなりません。
私の母はパートをしていますが、有休がありますし保険加入をしています。そしてそこで働く学生バイトの子達にも有休があるそうです。どうして、世間的には当たり前のように享受されているものが私達に与えられないのか、そして当然の要求なのに会社側は出し渋るのか憤りを感じずにはいられません。
私は全く異業界の社員から夢を追うべく添乗員になったのですが、添乗員をしていると胸を張って友人たちにも言えなかったですし、今でも家族に後ろめたい気持ちでいっぱいです。好きな仕事をして、誇りを持って仕事を出来たら何よりですが、添乗中に事故にあっても保障はされない、責任は転嫁される、それなのに給料は少ないと、本当に働いていても不安を抱えています。 
一人暮らしをしたくても出来ない収入、でも毎年年齢だけは増えて、それなのに一般的な生活が出来ない自分を恥ずかしいと思い、添乗の仕事には見切りをつけようとここ何年か悩む日々でした。ですが、同じ気持ちを持っている方たちが奮闘して下さっている事に大変感激し、組合員になった今もう少し頑張ってみようという思いが湧いています。待遇アップは無理だから辞めざるをえない、そう思っていた暗い気持ちの中に少しずつではありますが、光がさしてきているのですから。人並みの生活権利を主張しているだけなのに、旅行業界は特殊だからとかそういう言葉で済ませないで頂きたい。お得なツアーが出回ってしまっているこのご時勢、なかなか折り合いはつかず長い戦いになるでしょうが、この状態にした旅行会社にも責任があると思います。阪急とのこの戦いの成果は、他社にも、旅行業界全体に影響を与えるはずです。私も出来る限りの事をしていきたいと思います。



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unknownさま (泣き添乗員)
2008-01-18 20:45:42
私自身トラサポではありませんが、組合員です。不当な扱いをされて悔しくて寝れない日々の中、救いの手を差し伸べてくださったのが東部労働組合の方々です。
思っているだけで、そして人がしている事を傍観しているだけでは自分の周りは大きくは変わらないと思います。それは私自身が実感したことですので。現に私の周りは変わりつつあります。
同じ仕事をしている私たち、気持ちは一緒です。多くの方々が立ち上がって仲間となり協力していけたら、苦しみも喜びも共有していければと願うばかりです。
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従業員代表の方へ (Unknown)
2008-01-18 21:51:03
会社の説明会に出ました。就業規則の不明解なものでした。
私が一番理解できないのはその場にいた従業員代表が何も就業規則を提出にあたっての意見書の報告などが何もなかったことです。そう思ったのは私だけでしょうか?友達の添乗員らもそう言ってます。
添乗員の就業規則への見解、当事者の全添乗員たちには何も相談なくまた報告もないっておかしくないですか?
噂では新橋支店にいかれるとか。
なんにも言わないで田町から消えることのないように切望します。
組合員とか非組合員とか関係なく全HTS添乗員に失望され嫌われることのないように。
私もそろそろ組合加入しようかと思っていますのでその時はよろしくお願いします。
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匿名でも!…朝日新聞に (Unknown)
2008-01-19 00:08:38
とある24h営業のスーパーに入社後、しばらくするとほとんどの社員が管理職となり残業代が無くなりました。家族と顔を合わせる時間も無く、心配した妻は夫の命を守るのは自分しかいないと思い、労働基準監督署に匿名で手紙を書きました。 まもなく調査が入り体制が変わったそうです。
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Unknown (Unknown)
2008-01-20 13:25:05
何でもかんでも従業員の責任にして解雇にする事は法律で数年前に違法となったはずです。
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解雇権の濫用 (本部スタッフ)
2008-01-20 21:00:53
2003年に労働基準法に新たに追加された第18条の2「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」のことですね。

不当な、理不尽な理由での解雇やアサインでの不利益や差別的な扱いなどは徹底的に争いましょう。

苦しんでおられる方はいつでもこちらに相談してください。
電話 03-3604-5983
メール toburoso@ka2.so-net.ne.jp
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質問 (大阪トラサポ)
2008-01-21 02:54:12
大阪では、新しい就業規則の説明会のとき、社会保険は10年勤続者のみ加入可能とのことでした。それに、年間180日以上の勤務者のみとのこと。私達は添乗中、1日15~16時間働いています。8時間勤務の労働者の倍の時間です。それって、8時間労働のサラリーマンに365日中360日働かないと社会保険入れてあげないよ、って言ってるのと同じ事ですよね?それに、10年以上トラサポでやってる添乗員は、全添乗員の何パーセントいるのでしょうか?その他、本当にやる気を消失させる内容でした。最近のブログを拝見すると、社会保険加入者に10年以上の勤務者という条件が付いていないですが、その条件は取り除かれたのでしょうか?

また、対客電話に関して、東京では’あいさつ’だけでよい、自宅からの電話は不要とのことですが、大阪では何も言われてないので、相変わらずの電話、不在の時は自宅からも電話しています。対客に関して、地方も東京と同じようにあいさつだけでよいはずですよね?それとも、支店によって違うのでしょうか?
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