(8月25日の裁判を終えて。裁判所前で)
労災被災者の怒りに≪火に油を注ぐ≫で応えてきた会社の非道な発言!
(株)アイビイケイ石下工場のローラー清掃中に指を巻き込まれ、指3本を切断してしまった安田さん。その労災損害賠償を求める裁判の第2回公判が8月25日、東京地裁で行われました。
会社はこの日の公判に先立って、組合側の主張に対する反論の書面を提出してきました。
その内容は、指3本を切断するという重大な労災事故にあい、その後の後遺症に苦しむ安田さんの気持ちを一切考慮することなく、それどころか安田さんの傷に塩をなすりつけるようなひどいものです。
いわく、
「事故が起きたローラーは当時は稼働しておらず、清掃の必要はなかった」
「指を切断したのは安田さん自身」
「会社は清掃の方法を入社時より強く指導してきた。それを安田さんが無視し、あげく安田さんが考え事にふけっていたために事故がおきた」
など、自らの安全配慮義務違反を棚に上げ、安田さんに事故の全責任があるかのような主張を展開しています。
また、この裁判の組合側代理人である過労死弁護団の玉木弁護士が広く一般に認知されている合理的な計算方法(労働損失率や逸失利益、ライプニッツ係数などを用いるもの)で算出した損害賠償額についても、
「知らない」「昨今のような労働体系や雇用情勢下にあって、終身雇用体制、年功序列型の逸失利益の計算方法は社会変化を反映していない」「計算根拠の基礎が曖昧で相当というに値しない」
などと、とんでもない主張を行っています。
そして裁判当日、法廷においても、会社側代理人森田政明弁護士は安田さんの苦しみ・気持ちを全く無視した主張・発言を行いました。
会社は「安田さんをはじめとする現場の労働者に対し、徹底した安全教育を行っていた」と主張しています。その教育について具体的なマニュアルなどの有無を裁判長に尋ねられた森田弁護士は、「事故当時、安田さんは入社して6、7年経っている。会社の安全教育がなかったら、もっと早くに事故は起きていたはずだ」との主旨の発言を平然と行ってきました。
法廷においても安田さんの傷に塩を塗るような発言、これには組合側弁護団も怒り心頭、玉木弁護士はすかさず、「ひどい事を言うな。安全教育がなくても事故を起こさないよう一生懸命仕事をするのが労働者だ、当たり前ではないか。あなたも現場で6年間働いてみなさい!」との旨の発言で安田さんの立場に立っての真剣な怒りを表明してくれました。
指3本を切断した安田さんの苦しみ・家族の苦しみをアイビイケイは考えたことがあるのでしょうか。
労災被災者に謝罪・慰謝するのではなく、逆に、労災被災者をますます怒らせる会社。
東部労組・アイビイケイ支部はこんな会社のやり方を絶対に許すことはできません!