店舗閉鎖による社員の切り捨てを許さない！第２８回コナカ団交報告

コナカ、９月までに約３０店閉店の方針表明
社員・パートの皆さん！閉店に伴う解雇や退職強要、労働条件の不利益変更があれば、すぐに東部労組コナカ支部まで相談してください！

私たち全国一般東京東部労組コナカ支部は６月１４日、株式会社コナカとの第２８回団体交渉を東京都内の会議室で持ちました。組合側は松田委員長ら３人、会社側は鈴江人事部長代理ら３人が出席しました。

この日の団交では、すでに新聞で報道されているコナカの大規模な閉店方針について協議しました。報道などによると、コナカは２０１０年９月期の下期（４月～９月）に最大３０店舗を閉鎖すると発表した。実現すれば半期では過去最大規模の閉店。主な対象は「紳士服のコナカ」で面積３３０平方メートル程度の旧式の小型店。そのうち１５店は子会社を通じてリサイクル衣料店に転換し、不採算店の閉鎖を加速するとのこと。これらの報道について会社は団交で「現時点の方向性としては間違いない」と認めました。

私たちの最大の関心事は閉店にからむ社員・パートの雇用と労働条件です。組合側は「パートも含めてすべての社員の雇用は守る、という方針を会社は明確に示すべきだ」と迫りました。しかし、会社側は「どこのお店がいつ閉店するかは競合店や店の大家との関係もあり言えない。対象となる社員の雇用や労働条件についてもいろいろな可能性がある。少なくとも３０日以上前には社員本人には通知し、あとは個別に対応していく」と答えるにとどまりました。

かつてない規模の店舗閉鎖です。会社は社内外に向けて雇用不安は起こさない、と表明すべきです。本人の同意もなしに労働条件を一方的に不利益変更することは許されません。就業場所（勤務地）の変更も同じです。団交でコナカ支部の松田委員長は「あちこちで閉店セールが始まり、私の回りでも雇用や労働条件への不安が広がっている。とくにパートさんは近隣の他店に異動といっても家から遠ければ通えない人が多い。社員の不安にきちんと対応すべきだ」と求めました。

コナカ閉店にからむ相談をコナカ支部で受け付けます。解雇・退職強要・退職勧奨、労働条件の一方的な不利益変更などを会社（上司）から言われたら、その場で安易に「同意」と受け取られる言動をしないでください。「保留にしてください」とか「少し考えさせてください」などと言って持ち帰ってください。その上でコナカ支部まで相談してください。

＜問い合わせ先＞
全国一般東京東部労組コナカ支部（担当・須田）
電話　０３－３６０４－５９８３
ファクス　０３－３６０４－１２９４
メール　info@toburoso.org

超低額昇給を許さない！経営者こそ業績悪化の責任を取れ！

この日の団交では先月会社から回答のあった春闘の昇給額（正社員平均で１４７８円）についての協議にも時間を割きました。なぜ、こんなに低い額なのでしょうか。会社側は「業績が非常に厳しいから。売上高は昨年対比でトントンまで持って行けたが、利益が出なかった。販促費を相当使ったが、予想していたような売り上げにはつながらなかった」と分析してみせました。

この会社の言い分からも分かりますが、社員がサボったために業績が落ちたわけではありません。厳しい消費不況の中でも現場の社員は懸命に売り上げを伸ばすよう店舗で努力しています。その結果、売上高は昨年並みに押し上げているのです。販促費がどうこうというのは、あくまで経営陣の方針・見通しの誤りであり「経営の失敗」以外の何物でもありません。その失敗のしわ寄せを社員に押しつけるやり方は許せません。

そもそも店舗や社員個人には予算達成を厳しく要求し、それができなければ無慈悲に査定し降格や賃金カットをしながら、役員が「経営の失敗」＝結果が出せなかった場合にはどのような責任を取っているのでしょうか。会社側は団交で「役員はここ数年、賞与ももらっていないし、報酬もカットしている」と言いますが、具体的な数字や額はいっさい明らかにしません。社員は具体的に賞与や賃金が削られているにもかかわらずです。

今夏の賞与（６月２５日支給）について会社は「出すことは出すが、昨年より厳しい」と回答。詳細は６月２２日の取締役会で決定するとのことです。その他、通勤に使う車のガソリン代を市場価格に合わせて引き上げるよう求めました。会社側は「引き続き調査して適切に対応する」と話しました。

【追記】（６月２２日午後４時）
コナカの今年夏期賞与は原資１億４２７３万８３７２円、対象は正社員１１１５人との回答がコナカ支部にありましたのでお知らせします。１人当たりの平均は１２万８０１６円です。原資を昨年夏期と比べると約５６％にしかならない低額です。