中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

地震とバロックに揺れる

2005年07月23日 | 行動記録
休日は早起きする方だが、疲労がたまっていたのか起床は昼近く。中野サンモールへ散歩がてら出かけて昼食。アジアンキッチンという、典型的な「中央線カルチャー」系の店でカレーバイキング。年甲斐もなく食べ過ぎる。

午後は家でビールを飲みながら(スーパープレミアムだ)音楽を聴く。所属するオーケストラで今度取り上げるシベリウスの交響曲2番について、スコアを眺めながら。北欧ものはほとんど聴かないので、明日の初練習に備える必要があるのだ。そう難しくはないけれど、あまり好みの音楽ではない。

コンサートを聴く予定があるので夕方、外出の支度をしていたところで地震発生。軽い揺れから始まったが、数秒後には揺れが非常に強くなる。体感的には震度5くらい。関東出身者として地震慣れしたつもりだったが、かなり動揺する。
子供の頃から「いつか必ず来る東海大地震」の存在が常に心の底にあったけれど、今回の揺れの中「ついに来たか」と観念したくらい。

急いでテレビの速報を見るが、千葉を中心に強いところでは震度5。中野近辺は震度4とのことだが、家が細長いマンションの最上階なので、余計に揺れたのかもしれない。

電車が心配であったので予定より早く家を出る。中野駅へ着くと人だかりとアナウンス。既に全ての電車が停止していた。しばらく待ってみるも目処が立たないようなので、東京メトロとJRを諦め、東中野からの都営地下鉄、大江戸線のルートを狙ってみることにする。都内で完結して他線乗り入れもない大江戸線が復旧も早いのでは、というのが連れの意見。

中野からJRの線路沿いを歩き東中野へ向かうが、普段往来激しい中央線路線が静かなまま、というのは実に奇異な風景だ。東海大地震が発生した暁にはどうなってしまうのだろう。

15分ほど歩き東中野に着いてみると、上記判断は正しく、大江戸線は徐行しながらも運行していた。既に遅刻は免れない時間であったけれど、前に進める、ということは実に気持ちよい。

会場(浜離宮朝日ホール)についてみると、地震に伴う交通機関の混乱を考慮し、開演時間が1時間後倒しになっていた。主催者の判断に感謝。時間に余裕もできたので冷たい飲み物でしばし休憩。

今日はチェンバロ奏者、武久源造氏リサイタル。演目はバッハとクープラン。これまでバロック音楽には全く無縁であったし、今回も「誘われて」聴きに来たわけだがこれが正解。何事も食わず嫌いというのはよくない。チェンバロの響き、って聴いていると病み付きになりそう。

単調さの中の奥深さ。より集中力を要する音楽ではあるけれど、コンサートという閉じられた環境はこの音楽を感じ取るのに最適の場だ。若い頃はバロック音楽を自分が聴くことになるとは想像もしなかったけれど、また一つ新しい世界が開けた気がする。

武久氏自身もすばらしく魅力的な人であった。器楽のスキルは言うまでもないけれど、そのキャラクターがよい。話し好きで、一曲終わる毎曲や楽器、背景等いろいろと楽しく説明してくれる。演奏とトーク、どちらも実に楽しい。演奏会後、同氏のCD、バッハのゴールトベルク変奏曲を購入。

コンサートの後は銀座まで歩いて、ビールと軽い食事。店を出た時点でも未だ不通の路線もあったようだが、地下鉄は動いていたので、無事帰宅。

購入したCDを聴きつつこのブログを書き込んでいる。ニュースでは都内の混乱振りをたっぷりと報道していただろう。首都圏の災害に対する脆さを露呈する結果となりました、とか。でも、予測不能の災害に「強い」都市ってどれだけあるのだろう。

いつかは来る。こう脅かされて四半世紀以上。東海大地震が起こる時、自分はどこで何をしているだろうか。今日のように最後は平和に終わればありがたいのだけれど…

最新の画像もっと見る