検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

東電の23年度第3四半期決算報告書を検証

2012年02月15日 | 東京電力の値上げ問題

 東京電力は2月13日、23年度第3四半期決算を発表しました。 東電の決算のポイントで「人件費や修繕費が減少したものの、原子力発電の減少などにより、燃料費が増加したことなどから経常費用が増加したため、経常損益は連結・単独ともに減益」と説明。新聞は「本業のもうけを示す営業損益は、原発の代わりに動かす火力発電の燃料費が前期同期より4,780億円増え、1,443億円の赤字」(朝日2月14日)と報道。
 あたかも、原発の運転停止により、火力発電の燃料費が増えたことが経営を圧迫しているかのように言っていますがこれはまつたく違います。
 燃料費は確かに増えていますが生産(発電)した電力はすべて燃料コスト(10円9銭)よりも高い価格(17円46銭=平均単価)で販売しています。だから燃料費の増加は売り上げを増やしているのです。
 この間、グラフのように化石燃料価格は大きく上昇。平均1.2倍になっていますがこの価格上昇分はすべて「燃料費調整」で毎月の電気料金に上乗せしてすでに回収(徴収)しているので電力会社としては痛くもかゆくもありません。

 ではなぜ赤字なのか。電気事業についていえば一番の理由は販売電力量が「節電」で大きく落ち込んだからです。その減少電力量は257億kWhです、東京電力の平均電気料金は17円48銭です。これを減少電力にかけると4,492億円になります。(減収)

 販売電力を増やすために原子力発電を再稼働させたい。ところが夏の電力需給は原子力発電がすべて停止してもやりくりできることははっきりしています。なぜ原発の稼働に執着するのか、目的は地域独占体の経営と総括原価方式の経営を維持するためです。