君の働き方に未来はないと言われても…

2014年03月16日 | 日記
 『君の働き方に未来はあるか?労働法の限界と、これからの雇用社会』

は、法学者の大内伸哉さんが書いた新書です。

大内さんの専門は労働法で、現在神戸大学大学院法学研究科の教授です。

「君の働き方に未来はあるか?」と問われているのは若者です。
だからって若者以外の人が読んだらダメってわけじゃあないんです。
実際、読んでいるのは若者よりも、その親世代の人のほうが多いらしいです。
自分自身の心配もあると思うのですが、おそらく
「このままじゃ、あいつ(娘や息子)の働き方に未来はない…」と危惧する親心ではないかと思われます。

どんなことが書かれているかは、大内さんがプロローグのところでちゃんと説明しています。

「雇われて働く」ということは実は「奴隷」と変らない面があること。
こうした状況を改善するために労働法があること。
正社員と言う身分を獲得できると、企業からの優遇があり、この状況はもっと改善されること。しかし、これからの時代は労働法もどうなるかわからず、正社員枠も減っていく…
そうしたなか、最終的に目指すのは、「やりたくない仕事はしなくてよい」と言える自分になること。たとえば、不本意な仕事なら辞めて転職したり、自営でやるといったことです。そのためには「仕事のプロになる」こと。

だそうです!!

なんかすごく難しそうじゃないですか!

壮大な理想ですよ!

言うは易し、行うは難しとはこのことじゃないですか!!

でも夢は大きく持て!ですよ。最終的に目指すところとしては間違ってないです。

興味深かったのは、第5章「イタリア的な働き方の本質」でした。
意外に思うかことがいくつかありました。
まず、1年間の総労働時間ですが、日本が1728時間なのに対して、イタリアは1774時間でした。食べて、飲んで、歌って、恋して、昼寝してのイタリア人のほうが日本人よりも働いているってのが驚きでした。もっとも、日本の場合、サービス残業が当たり前で、これをカウントしてないのだけど…一方イタリアの場合、サービス残業は基本考えられないそうです。それと、自営業の人が相対的に多いせいだとか。
もひとつ、とってもとっても意外だったのは、イタリアではパートで働く人が少ないという事実です。なんで少ないかっていったら、イタリアではフルタイムで働くことこそが、本来の働き方とされているからだそうです!そうなんだ!パートはフルタイムより劣った雇用という考え方が強く、労働者や労働組合がパートの増加を望まないということです。ヨーロッパの他の国では、雇用の創出や雇用維持のためのワークシェアリングの手段としてパートはよく用いられています。日本なんてパートだらけですよね。
年間休日は、イタリアのほうがちょっと多いくらいですが、有給休暇の取得日数が全然違うようです。日本は18.3日、イタリアは28日です。私てきには、日本の18って、そんなに多いんだ~というのが実感です。平均するとこういう数字になるんですね。ゼロに近い人がいったいどれだけいることか…大内さんは、イタリア人はダラダラ働くのではなく、集中して働き、休むときにはきちんと休んで、生産性を上げていると分析しています。私には、国民性のように思えますが…
給与面は他のヨーロッパ諸国と同様に、産業別労働組合があるので、中小企業と大企業で大きな差はなく、職務による違いが給与の差になるみたいです。イタリアは中小企業が多く(日本もですよね!)、労働規制に関しては、中小企業は大企業に比べて規制が緩やかということです。労働者にとっては不利なんですね。
あと、企業が社員の教育を行うというのは日本独自のもので、イタリアはもちろんのこと、欧米では基本スキルアップは自己責任だそうです。
イタリアでは、雇用されている人も、その職業のプロとして、腕を上げ、スキルを磨くことで、給料が上がります。日本だってそうじゃないかって?そう思っている人多いかも…実際には、資格があったり、スキルが高い人ほど、非正規で給料やすかったりしてますよね!!

私はむか~し、まだユーロではなく、リラだった頃、1ヶ月ほどイタリアに滞在したことがあります。働く人はみんな横柄で、つり銭をごまかしたり、くわえタバコで仕事してたり、わからないことは無視をきめこんだり、イヤ~な気分をよく味わいましたが、すぐに慣れました。そんなもんと思えました。今日本では「おもてなし」とかいうもんがもてはやされていますが、よいサービスってのも、慣れると「当たり前」になり、ありがたくないですよね。にたようなものに「便利」ってのがあります。今はどうか知りませんが、90年代初めのイタリアにはコンビニなかったですよ。でもバールとかいう、カフェだか飲み屋だかタバコ屋だか知りませんが、飲み食いできる店があって、朝早くから夜遅くまで営業していました。もっとも日曜日は、どこも閉まってますが。日本じゃ最近盆や正月も店やってますよね。一斉に店が閉まっていたのは、たしか昭和天皇が亡くなった日ぐらいじゃなかったか?
って、それはいいんですが、何が言いたいかって言うとですね
イタリアは不便でしたが、それもじきに慣れちゃうんですよ。ってことは、便利もすぐに慣れて、当たり前になっちゃうんです。で、何もかもが不便に思えちゃうんです。

最後こんな話になってしまいなしたが、未来のある働きかたを目指そう!ってことで!
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