青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第四十三話④

2021-12-20 | 第四十三話〜第四十五話

翌朝。

スッキリしたファン・ミエが、早朝からチョルの家を訪ねて来た。

「おはよ!今日発表準備するって決めた日だよね?!」

「ちょっとお邪魔するよ!?早くやってしまお!」

チョルは前髪をぱっつんに切ったミエを見てヘルメットを連想したが、特に何も言わずに部屋に通す。

宿題を前回はファン家でやったので、今回はキム家で、ということらしい。

「おはようございます!」「宿題しにきたの?あら髪切ったのね。かわいいわぁ」

「ありがとうございまっす!」「あとで果物剥いてあげるわね」
 

二人はチョルの部屋で発表のリハーサルをすることにした。

プリントを持ちながら、教壇の前に立ったつもりで。

「こんにちは、私たちは・・

7・・7番キム・チョルと、40番ファン・ミエです」
 

ミエは改めてチョルに聞いてみた。

「あんた・・マジで身長どのくらいあんの?めっちゃからかわれる気が・・

「早く台本読んで終わらせようぜ。ん?」

「めちゃ辞書がいっぱいあるね!ちょい借りるね」

ミエはそう言って、チョルの隣に厚い本をたくさん積み上げた。

そしてその上にそっと乗る。

「こうしたらどうかな?」

二人の目線はだいぶ合ったものの、そういう問題ではない。

「・・こんなんしたらもっとからかわれんだろ。アホか

「てかあんたマジで大きいね。180センチオーバー?」
 
「お前は150あんのか?」
 

「あっ・・・あったりまえじゃん!」

なんとなく、流れで二人は手を繋いでいた。

五年前の夏に、フォークダンスを踊った時のように。

「150・・あると思うよ・・?」

するとミエが、決意したように大きな声でこう口にし始めた。

ねぇ!うちらが揉めちゃダメだかんね?!

うちらはチームなんだから、一緒に堂々と発表しないと!」
 

「そうするからこそ、誰も私を・・ううん、私たちをからかえないよ!」

 

「分かった?!」

その強い意志に引っ張られるように、いつの間にかチョルはミエの方に傾いていた。

まるでダンスを踊るように。

「あれ?これって昔・・」

ミエも五年前の夏のことを思い出したようだ。

同時にチョルは、今の状況を目の当たりにして我に返った。

「ひいっ!!」

「うわっ降りろ!」「うわっ!」

その勢いで本が崩れ、ミエがどこかに体をぶつけた・・。

 

 

 

<とりあえず立ち止まって>

 

次の日。

短すぎる前髪が慣れないのは・・

彼、モ・ジンソプだ。

途中で友人に声を掛けられた。

「おお、ジンソプ」「よぉ」

「あんま髪切られてねーじゃん。学年主任も温情措置してくれたか?」
 
すると視界の端に、見覚えのある後ろ姿が映った。
 

 

ぴょんぴょん跳ねるあの人形・・

「俺先行くわ」

モ・ジンソプは友人にそう言うと、ミエが走って行った方へと歩き出した。

角を曲がろうとすると、大きな人影がある。

ぬっ、とそこに現れたのは、キム・チョルだった。

角を曲がって行ったのはファン・ミエだったはずだ。

モ・ジンソプはそう思いながら、驚いた表情を浮かべる・・・。

 

 

 


第四十三話④でした。

自然に手を繋いでダンスみたいになるなんて・・・!

すごいな〜〜まだ男女としては全然意識してないんですかね・・

この二人が意識し出す瞬間が楽しみです!!

前髪短いミエちゃんかわいい・・

 

 

第四十四話①に続きます


第四十三話③

2021-12-18 | 第四十三話〜第四十五話

「おはよう、ファン・ミエ」

モ・ジンソプから挨拶をされたミエは、終始下を向いて顔が見えないようにしていた。

明かに不自然である。

「ん・・ん〜?んんん・・・」

ミエの異変を目にしたチョルは、改めてモ・ジンソプの方を見た。

モ・ジンソプは変わらぬ態度で、チョルに挨拶をする。

「あぁ、おはよキム・チョル。二人して引っかかったの?

ちゃんと揃えてなきゃ〜。あ、ていうか髪切ったんだけどどう?似合ってるかな?」

「なぁ、ファン・ミエ」

急に話を振られたミエは、ビクッと身を竦ませた。

やはり目も合わせない。

「んん?んー・・んん・・」

たまらず、キム・チョルが口を開く。

「お前何・・」「おいっ!!」

するとそこを、教師に見られた。

大声で呼び止められ、こっちに来る。

「そこ何してる!離れろ!」「おっと、それじゃまたね!」

そしてモ・ジンソプは、教師と連れ立って校舎の方へと向かった。

何かと目立つ彼は、教師から常に目をつけられているらしい。

「なーにがまたね、だ!お前キム・チョルに絡んだのか?」

「いいえ〜?僕が喧嘩しないのはご存知でしょ?」「問題起こすなよ」「はいはい」
 

 

チョルがモ・ジンソプの背中を睨んでいると、教師が振り返った。

何かトラブルが起こるのではないかと警戒している。チョルはすぐに視線を外した。

「行った?あの人もう行った?」

そう言って首を伸ばすミエを見て、チョルは亀みたいだと思った。

ミエは依然として挙動不審だ。

「あーびっくりした!髪どんだけ切ったのよ!」

そんなミエに、チョルは単刀直入に聞く。

「おい、もしかしてあいつにいじめられてんのか?」

「へ?!ううん?」
 

「じゃあなんで隠れるんだ?」

「え?いや・・隠れてるわけじゃなくて・・ちょっと目を逸らしただけで・・
 
深い意味はないよ!」
 
 
「私のせいじゃないにしても、結構ショックだったと言うか・・。
 
とにかく会いたくないんだよ・・」

ミエの頭の中に、バリカンで刈られるモ・ジンソプの姿が、いまだにトラウマのように残っていた。

とにかくチョルは、これだけは伝える。

「もしいじめられてんなら、すぐ俺に言えよ。分かったな?」

「え?」

「何それ〜?誰がいじめられてるって〜?」

そう冗談めかして言ったミエだが、チョルの態度は真剣だった。

「分かったな?」

その心情を受け取って、ミエは返事をする。

「うん!分かったよん」

どこか嬉しい気持ちで、ミエはその後も立ち続けた。

教師から、その拘束が解かれるまで。

 

 

 

<んなこたない>

 

そう言えばその後、ミエはチョルにこう言って笑ったのだった。

「てか、あんた私とタメなのに〜。誰が私をいじめるっての?」

 

しかしその後・・。

「今から身体検査を行います。あと中間テストの範囲は・・」

「ファン・ミエが全校一位だろうな。チビチャンピオン!」

いつも絡んでくる男子にそう言われ、堪忍袋の緒が切れた。

バシッ!

「きゃっ!鼻血が!」

上履きは見事男子の鼻に命中。あわや流血事件であった。

そしてまた職員室・・。

家に帰ってから大目玉だった。

「中三にもなって職員室に呼び出しなんて!」「先にあっちがからかってきたの〜!」

しかも、反省文のおまけ付き・・。

げんなりしたミエは、ムンクを連れて縄跳びに出かけた。

怒りの限りジャンプし、体を伸ばし、夜空に吠えた。

「うわーっ!」

 

ミエのイラつきはおさまらずに、その矛先をハサミにむける・・。

 


第四十三話③でした。

今のチョルにとって、ミエは妹みたいな存在なのかな

頼もしいお兄ちゃんみたいな空気がありますね〜

これがどう変化していくのか、楽しみですねー!!

 

ミエちゃん、上履き投げるのはダメー!

内申とか大丈夫でしょうか・・ハラハラするわ・・

 

第四十三話④に続きます


第四十三話②

2021-12-16 | 第四十三話〜第四十五話

爽やかな朝の空気とは裏腹に、キム・チョルの周りには悶々とした空気が漂っていた。

[キム・チョル 16歳]

[誰に向かって冷たいと言ってんだ] [全く呆れる]

キム・チョルの心の中は、ミエへの不満でモヤモヤしていた。

そんなチョルは、いまだにミエがどうしてサッカーを見たがったのかいまいちよく分かっていないのだった。

[そもそもサッカーするだの見るだの、大騒ぎしてたのはどっちだよ]

「おー!」

[元々出る予定のない試合に出たのが気に食わないのか?]
 
「ともー!ん?!友よ〜!一緒に行こー!」

 

 

後ろからミエが声を掛けていたが、チョルはイヤホンをしているので聞こえない。

[”友達”としてやれるだけやったぞ] [これ以上どうしろって言うんだ?]
 
「聞こえないのかな!?足早いし!」

もうサッカーはこれで終わりだ
 
[終了!]
 
 
その時チョルは、「おい!」と何度も呼びかけられていたのだが、
 
目を閉じて耳も塞いでいたチョルには、その声が聞こえなかった。

それが教師からの声だったとしても。

「おい!そこのお前!」

チョルはビクッとしてすぐにイヤホンを外した。

「キム・チョル、お前名札は?」

「あ・・カバンに・・あれ?なんで入ってないんだ?」

ゴソゴソと鞄を探るも、名札は出てこなかった。

そしてもう一人、鞄を探っていたのは——・・。

「持ってきたと思ったのに〜バッジ・・」

「真っ直ぐ気をつけ!こいつら弛んどる!」

キム・チョルは名札なし、ファン・ミエはバッジなしのペナルティで並んで立たされた。

「あんたも引っかかったんだね」「そこ!しゃべるな!」
 

 

登校してくる生徒たちの視線を浴びながら、チョルとミエはその場で立たされている・・。

 

 

<堂々と>

 

ペナルティの生徒は一人、また一人と増えていった。

「お前はそこ!」

「お前はそこに立て」

名札、バッジ、ネクタイ・・不所持の生徒たちが並ばされる。

その中でげんなりとした表情のキム・チョルと、

「ネクタイはどこ行った?あ?」「カバンに・・」

飄々とした表情のファン・ミエ。

「早く結べ!」

ミエたちの前を、生徒たちが通りがかる。

チラチラとチョルとミエの方を見ながら。

途中、ユンヒとチソンも通り過ぎた。

「うわっファン・ミエ!」「おはよー」

チョルは心の中で生徒たちにこう訴えていた。

見んじゃねぇ。笑うんじゃねぇ。チョルミエ言うな。

二人はただ立っているだけなのに、生徒たちからヒソヒソと笑われ、

身長差すごい、だの、チョルミエだ、だの言われたりした。

[いっそ怒りたいが、それをすると職員室行き確定なので黙っているのである]
 
[実際この間ずっと我慢した]

 

[絶対引っかからないようにいつもネクタイ、名札、バッジを携帯してるのに、よりによってなぜこんな・・]
 
[そしてなぜこいつは今日バッジを忘れたんだ?]

[16歳、目立つのも笑われるのも見られるのも嫌だ]
 

[あぁ]

[さっさとこの時間が過ぎてくれたなら]

嘲笑と視線の矢が痛くて、ムカついたが、チョルはただ耐えることを選択した。

下を向いてやり過ごしていたチョルであったが、隣のファン・ミエがこう言った。

「ねぇ、顔上げて!みんなジロジロ見てくから、一緒にガン飛ばそ!」

ミエはそう言って、「何見てんだよ」とギョロっとガンを飛ばした。

何がチョルとミエだ、なんだあいつ、と小さく文句を言うミエ。
 
全て自分が我慢していたことを、この小さな女の子は事もなげに表に出した。
 
 
自分だけが不満を抱えていたわけじゃないことが分かって、何となくチョルは気が抜けた。
 
怒りと不満だらけだった心の中の、ガスが少し抜けるような。
 
 
すると目の前に、一人の人物が立ち止まった。
 
顔を上げてみると、そこにはモ・ジンソプが立っている。
 
 
「おー」
モ・ジンソプはパッと笑顔を浮かべると、浮かない顔のチョルに向かって話し掛けた。
 
「これはこれは〜!こんなところで出会うとはねぇ〜」
 
そして次に、隣のミエに向かって話し掛けた。
 
ミエは下を向いている。
 
「おはよう」
 
 
「ファン・ミエ」
 
 
 
その明かにおかしいミエの態度を見て、チョルは目を丸くした。
 
モ・ジンソプは上から見下ろしながら、ミエに向かって不敵な笑みを漏らす・・。
 
 
 

第四十三話②でした。

 

うわ〜前もあった抜き打ちチェックですかね^^;

ならばされるのきついですね・・

こういうの今もあるんでしょうか・・

 

見てる限り、カバンと靴は自由なんですね。

みんなが私服で登校してるのも見てみたいな〜〜

第四十三話③に続きます

 


第四十三話①

2021-12-14 | 第四十三話〜第四十五話

塾へ向かうバスの中で、ミエは未だ呆然としていた。

予期せぬトラブルに巻き込まれて、楽しみにしていたキム・チョルの勇姿を見逃したからである。

なんであんなに早く終わったの?何分くらいやってたの?テレビではもっと長くやってたよね??

今日も混乱する16歳。

ミエはプンプン起こりながら、塾の階段を上った。

「てかなんでよりによってあの時にぃ〜!せっかくのチャンスだったのにさぁ〜!」

おっ

ミエは、ヘアピンが目に留まった。鏡を見ながら前髪を触る。

するとそこに、チャ・ヨンヒが現れた。

「そっちじゃなくてこっちじゃね?」

「ユン・・ヨンヒ!これ?」「うん、それ」

ヨンヒはミエに似合うピンを選び、チューインガムを膨らませる。

「うん、かわいーじゃん。似合ってる」

喜ぶミエの隣に、キム・チョルが通りがかった。ヨンヒが声を掛ける。

「ねぇ、どう?いい感じじゃない?」

あっ

キム・チョルは、静かに一言こう言った。

「・・髪切れば」

そしてそのまま行ってしまった。

 

「なんか突っかかる言い方だな。でも、確かにあんた前髪長いね。

もうちょっと長いと先生に捕まるよ?てか、何でそんなに震えてんだ?」
 
「私・・今日悲惨な光景を目撃して・・」

ミエの脳裏にバリカンで頭を刈られるモ・ジンソプの姿が蘇った。

もはやトラウマのその光景を思い出して、ミエはブルブル震えていたのだった・・。

 

<そういうこともある>

 

 

塾の教室にて、ミエが突然こんなことを言い出した。

「私・・告白するね」

はっと顔を上げるチョル。

目を丸くするホンギュとジョンウク。

他の塾生の面々も、思わず動きを止めてミエの方を見ていた。

「実は今日サッカー見れなかったの」

ミエの”告白”が何なのかが分かると、彼らは一様に興味を失くして各々の仕事に戻った。

(ホンギュは明日の学校のことをジョンウクと話し始め、ヨンヒはそのまま寝てしまった)

キム・チョルはそっけなくただこう返す。

「あぁ、うん」

ミエは涙目になりながら、その顛末を話し始めた。

「違うの〜〜!ちょっとぉ〜聞いてよぉ〜!!」

 

「サッカー見に行こうとしたら、廊下にいたもんだから先生に捕まっちゃって、

掃除してゴミ捨てしろって言われたの!だからマッハで掃除とゴミ捨てしたんだよ?!」
 
 
「必死だなw」とミエを見てホンギュが笑う。
 
「そしたらモ・ジンソプが突然頭を出してきたもんだからゴミに当たってさぁ!
 
そんでめっちゃ文句言われて!」
 
「モ・ジンソプ?」
 
その名前にピクッとチョルが反応する。
 
けれどミエはそれに気が付かず、とにかく説明を続けた。
 
「そんで二人で職員室に連れて行かれて、
 
怒られたり罰を受けさせられたり頭を刈られたりでてんやわんやだったんだよぉ〜!
 
それで・・それで・・!」

「マジで観に行きたかったなぁ・・」

「だから・・」

チョルは特に慰めの言葉を掛けるではなく、ただ事実をそのまま述べた。

「どうしようもねぇだろ。お前の事情だし」「ええ〜〜!?冷たくない?!」

 

「冷温動物!」

「ファン・ミエ、こっちで泣きな」

ヨンヒはそう言ってミエに共感してやった。

男女の求めるものは、いつもこうやってすれ違う・・。

 

 


第四十三話①でした。

わーっ「告白するね」にびっくりした〜〜

あんなみんなの前で告白するのすごいですね(内容が何にせよ・・)

 

あと、最初のここなんですが・・↓

これは何・・?!

塾にこういうコーナーがあるってことなんですかね??そういうサービス?

それともお店??店員は・・??

と謎だらけで・・。

これが何なのかご存知の方は是非ともコメント欄にて教えてくださると嬉しいです!!

 

 

第四十三話②に続きます


第四十二話⑤

2021-12-12 | 第四十話〜第四十二話

チョルの参加するサッカーの試合が始まった頃、ファン・ミエはというと・・。

「違うんですって〜〜!!」

「カツアゲしてたんじゃなくて!!貸してたものを返してもらおうとして!!

おい!お前からも説明しろよ!!」
 
 
職員室にて、先生に捕まっているところだった。
 
なぜ私はここにいるの、と言葉にならない声が出る。
 
「一体何が事実なの?ゴミは放り投げるし・・と先生は呆れ顔だ。
 

先ほどの状況

「お前500ウォン返せよ!俺のピアスも!」「へ?!嫌だし!何言ってんの?!」

「出せってば!!」「あなたたち何してるの?!」
 
・・というわけで、二人は職員室に連れてこられたのである。
 
「だからこの人が俺のお金と物を持ってて、返してくれないんですってば!」
 
「違います!この人にお金借りたことありませんけど!?ピアスだってこの人の方から勝手に・・」
 
「ピアス〜〜?」
 
 
二人の説明は、先生には意味が分からないらしい。

「けどカツアゲではないんです!私のお金でもないけどこの人のお金でもなくて・・」

「??」
 
「おいお前、分かるように説明しろって!!」
 
「だから自販機で・・」 「何だぁ?」
 

すると、そこに学年主任の教師が入ってきた。

学年主任は、「おっ、」とあるものに目を留める。

モ・ジンソプの頭髪である。

「おお〜?うちの学校にアイドルがいるなぁ〜?ヨンタンだったっけか?

いやロック歌手か?お?お前ピアスまで!」
 
 
完全無防備だったモ・ジンソプは、学年主任に完璧に目をつけられてしまった。
 
学年主任はモ・ジンソプの耳を引っ張り、どこかへ連行する。

「こっちに来なさい。完全にアウトだ」

「ちょっ・・ちょっと待って!!ちょっと待って先生〜〜!!」
 
「学校じゃこれはアウトだよな?」
 

「バリカンどこですかね?」

「や、やめろーーーーっ!!助けてくれぇぇぇ!!」

ウイイン・・と、世にも恐ろしい音が聞こえる。

「やめっ・・・」

ウイーーーーン

「うわああああああーーーっ!!!」

 

 

ミエが悲惨な状況を目の当たりにしている頃、校庭では・・・。

 

「ゴール!」

「3−0!試合終了!」

「うわぁ〜〜!あっという間に終わった〜!」

12組がソッコーで3ゴールを決め、2組を敗ったのだった。

こんなあっけなく・・?

キム・チョルはその簡単さに拍子抜けしていたが、クラスメート達は大喜びだ。

「勝った勝った!キム・チョルが2ゴールも入れたなー!」

そこでチョルは、観覧している生徒達が座っている階段のあたりを見た。

ファン・ミエがいない。

・・と思ったら今来た。

「遅いよ!」とユンヒに怒られている。

う・・うわ〜い!

ようやく堂々と応援出来たミエだったが、試合を見ていなかったことにチョルは気がついていた。

「キム・チョルも嬉しそうだ」

チョルの後ろ姿を見てそう言った男子もいたが、

チョルの表情を見て「いやちょっと怖いけどな・・」と言った男子もいた。

そして完全勝利をおさめた12組の仲間に混じって、

微妙な表情のキム・チョルとファン・ミエは家路に着いたのだった・・。

 


第四十二話⑤でした。

ひぃーーっ!バリカンーっ!

今じゃ人権侵害問題に発展しそうな仕置き・・

あと職員室でこう手をあげて座ってるのは日本では見ませんね

バリカンもスクワットも(一学期初日にキムチョルがやらされてましたね)、

韓国のお仕置きはなかなか激しくてビビってます・・

 

 

第四十三話①に続きます