青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第四十三話②

2021-12-16 | 第四十三話〜第四十五話

爽やかな朝の空気とは裏腹に、キム・チョルの周りには悶々とした空気が漂っていた。

[キム・チョル 16歳]

[誰に向かって冷たいと言ってんだ] [全く呆れる]

キム・チョルの心の中は、ミエへの不満でモヤモヤしていた。

そんなチョルは、いまだにミエがどうしてサッカーを見たがったのかいまいちよく分かっていないのだった。

[そもそもサッカーするだの見るだの、大騒ぎしてたのはどっちだよ]

「おー!」

[元々出る予定のない試合に出たのが気に食わないのか?]
 
「ともー!ん?!友よ〜!一緒に行こー!」

 

 

後ろからミエが声を掛けていたが、チョルはイヤホンをしているので聞こえない。

[”友達”としてやれるだけやったぞ] [これ以上どうしろって言うんだ?]
 
「聞こえないのかな!?足早いし!」

もうサッカーはこれで終わりだ
 
[終了!]
 
 
その時チョルは、「おい!」と何度も呼びかけられていたのだが、
 
目を閉じて耳も塞いでいたチョルには、その声が聞こえなかった。

それが教師からの声だったとしても。

「おい!そこのお前!」

チョルはビクッとしてすぐにイヤホンを外した。

「キム・チョル、お前名札は?」

「あ・・カバンに・・あれ?なんで入ってないんだ?」

ゴソゴソと鞄を探るも、名札は出てこなかった。

そしてもう一人、鞄を探っていたのは——・・。

「持ってきたと思ったのに〜バッジ・・」

「真っ直ぐ気をつけ!こいつら弛んどる!」

キム・チョルは名札なし、ファン・ミエはバッジなしのペナルティで並んで立たされた。

「あんたも引っかかったんだね」「そこ!しゃべるな!」
 

 

登校してくる生徒たちの視線を浴びながら、チョルとミエはその場で立たされている・・。

 

 

<堂々と>

 

ペナルティの生徒は一人、また一人と増えていった。

「お前はそこ!」

「お前はそこに立て」

名札、バッジ、ネクタイ・・不所持の生徒たちが並ばされる。

その中でげんなりとした表情のキム・チョルと、

「ネクタイはどこ行った?あ?」「カバンに・・」

飄々とした表情のファン・ミエ。

「早く結べ!」

ミエたちの前を、生徒たちが通りがかる。

チラチラとチョルとミエの方を見ながら。

途中、ユンヒとチソンも通り過ぎた。

「うわっファン・ミエ!」「おはよー」

チョルは心の中で生徒たちにこう訴えていた。

見んじゃねぇ。笑うんじゃねぇ。チョルミエ言うな。

二人はただ立っているだけなのに、生徒たちからヒソヒソと笑われ、

身長差すごい、だの、チョルミエだ、だの言われたりした。

[いっそ怒りたいが、それをすると職員室行き確定なので黙っているのである]
 
[実際この間ずっと我慢した]

 

[絶対引っかからないようにいつもネクタイ、名札、バッジを携帯してるのに、よりによってなぜこんな・・]
 
[そしてなぜこいつは今日バッジを忘れたんだ?]

[16歳、目立つのも笑われるのも見られるのも嫌だ]
 

[あぁ]

[さっさとこの時間が過ぎてくれたなら]

嘲笑と視線の矢が痛くて、ムカついたが、チョルはただ耐えることを選択した。

下を向いてやり過ごしていたチョルであったが、隣のファン・ミエがこう言った。

「ねぇ、顔上げて!みんなジロジロ見てくから、一緒にガン飛ばそ!」

ミエはそう言って、「何見てんだよ」とギョロっとガンを飛ばした。

何がチョルとミエだ、なんだあいつ、と小さく文句を言うミエ。
 
全て自分が我慢していたことを、この小さな女の子は事もなげに表に出した。
 
 
自分だけが不満を抱えていたわけじゃないことが分かって、何となくチョルは気が抜けた。
 
怒りと不満だらけだった心の中の、ガスが少し抜けるような。
 
 
すると目の前に、一人の人物が立ち止まった。
 
顔を上げてみると、そこにはモ・ジンソプが立っている。
 
 
「おー」
モ・ジンソプはパッと笑顔を浮かべると、浮かない顔のチョルに向かって話し掛けた。
 
「これはこれは〜!こんなところで出会うとはねぇ〜」
 
そして次に、隣のミエに向かって話し掛けた。
 
ミエは下を向いている。
 
「おはよう」
 
 
「ファン・ミエ」
 
 
 
その明かにおかしいミエの態度を見て、チョルは目を丸くした。
 
モ・ジンソプは上から見下ろしながら、ミエに向かって不敵な笑みを漏らす・・。
 
 
 

第四十三話②でした。

 

うわ〜前もあった抜き打ちチェックですかね^^;

ならばされるのきついですね・・

こういうの今もあるんでしょうか・・

 

見てる限り、カバンと靴は自由なんですね。

みんなが私服で登校してるのも見てみたいな〜〜

第四十三話③に続きます