塾へ向かうバスの中で、ミエは未だ呆然としていた。
予期せぬトラブルに巻き込まれて、楽しみにしていたキム・チョルの勇姿を見逃したからである。
なんであんなに早く終わったの?何分くらいやってたの?テレビではもっと長くやってたよね??
今日も混乱する16歳。
ミエはプンプン起こりながら、塾の階段を上った。
「てかなんでよりによってあの時にぃ〜!せっかくのチャンスだったのにさぁ〜!」
おっ
ミエは、ヘアピンが目に留まった。鏡を見ながら前髪を触る。
するとそこに、チャ・ヨンヒが現れた。
「そっちじゃなくてこっちじゃね?」
「ユン・・ヨンヒ!これ?」「うん、それ」
ヨンヒはミエに似合うピンを選び、チューインガムを膨らませる。
「うん、かわいーじゃん。似合ってる」
喜ぶミエの隣に、キム・チョルが通りがかった。ヨンヒが声を掛ける。
「ねぇ、どう?いい感じじゃない?」
あっ
キム・チョルは、静かに一言こう言った。
「・・髪切れば」
そしてそのまま行ってしまった。
「なんか突っかかる言い方だな。でも、確かにあんた前髪長いね。
ミエの脳裏にバリカンで頭を刈られるモ・ジンソプの姿が蘇った。
もはやトラウマのその光景を思い出して、ミエはブルブル震えていたのだった・・。
<そういうこともある>
塾の教室にて、ミエが突然こんなことを言い出した。
「私・・告白するね」
はっと顔を上げるチョル。
目を丸くするホンギュとジョンウク。
他の塾生の面々も、思わず動きを止めてミエの方を見ていた。
「実は今日サッカー見れなかったの」
ミエの”告白”が何なのかが分かると、彼らは一様に興味を失くして各々の仕事に戻った。
(ホンギュは明日の学校のことをジョンウクと話し始め、ヨンヒはそのまま寝てしまった)
キム・チョルはそっけなくただこう返す。
「あぁ、うん」
ミエは涙目になりながら、その顛末を話し始めた。
「違うの〜〜!ちょっとぉ〜聞いてよぉ〜!!」
「サッカー見に行こうとしたら、廊下にいたもんだから先生に捕まっちゃって、
「マジで観に行きたかったなぁ・・」
「だから・・」
チョルは特に慰めの言葉を掛けるではなく、ただ事実をそのまま述べた。
「どうしようもねぇだろ。お前の事情だし」「ええ〜〜!?冷たくない?!」
「冷温動物!」
「ファン・ミエ、こっちで泣きな」
ヨンヒはそう言ってミエに共感してやった。
男女の求めるものは、いつもこうやってすれ違う・・。
第四十三話①でした。
わーっ「告白するね」にびっくりした〜〜
あんなみんなの前で告白するのすごいですね(内容が何にせよ・・)
あと、最初のここなんですが・・↓
これは何・・?!
塾にこういうコーナーがあるってことなんですかね??そういうサービス?
それともお店??店員は・・??
と謎だらけで・・。
これが何なのかご存知の方は是非ともコメント欄にて教えてくださると嬉しいです!!
第四十三話②に続きます
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