生徒たちはジャージに着替え、身体測定が始まった。
身長、体重、体力測定、採血なんてのもある。
そんな中、憂鬱な顔をしたこの人は・・。
トンッ
「キム・チョル、18Xcm」
チョルの身長を聞いたみんなのどよめきが広がった。
チョルは(くそっまた伸びた)と思いながら、早足でそこから離れる。
ミエはというと、やはりチョルの身長を耳にして驚きが隠せないようだ。
「うわー大きいね」「あんなに大きいからサッカーも上手いんだろうね」
「はい次の人ー」
私もう中三だもん〜〜!
祈るように目を瞑りながら、ミエは身長計に乗った。
「腰真っ直ぐに伸ばして」
トンッ
「ファン・ミエ150・Xcm」
ミエの身長を聞いて、友人たちがミエの周りに集まってきた。
皆嬉しそうだ。
「ミエ150越えた〜!」「ほぼ151じゃん!」「おめでとー!」
そしてミエは、この人にこの結果を一番伝えたかった。
「ほら!150あったでしょ!?」
もういない 「チェッ」
すでに不在のキムチョルに口を尖らせたミエだが、とにかくめでたい!
[もう中三ですから!]
<いっそ思い切って>
その後は順調にこなしていった。
視力検査や前屈など、様々な項目がある。
そんな中チョルはというと、クラスの男子に囲まれていた。
「採血超怖い」「けどもう終わるじゃん」「今日の給食何?」
なんで一緒に回ってんだ?
そのあまりの自然さに、チョルは自分が”大魔王”であることを忘れていた。
廊下の一角では、こんなやり取りも合った。
「ジンソプくん!元気・・」「あ、どーもー」
親しげに話しかけてきたりそっけなくなったり、モ・ジンソプの態度にハン・ソンイは翻弄されていた。
そして我が道を行くミエはというと・・。
「ふふ〜ん150越え〜」「あっミエ、落としたよ!」
「あっ!」
計測の紙を落としてしまい、ひらひらと落下するそれを追いかけた。
「あー飛んでちゃう!」「拾って拾って」
「小さい紙どこいった?」
紙が落ちた先を見ると、そこには彼がいた。
”友人”キム・チョル。
チョルもまたミエに気づいて彼女の方を見る。
「あ!あんたの足の下!」
反射的にそう叫んだミエだったが、瞬時に周りの視線に気が付いた。
それと同時に、チョルはミエが何を探しているのかに気づく。
ミエは口パクで、「行っても大丈夫?」とチョルに意図を伝えた。
チョルに伝わっただろうか?
いや、伝わったとしても無視された・・。
ミエは息を飲むと、そそくさとチョルの足元に落ちた紙を拾いに走る。
さっと拾ってすぐ行けば大丈夫
しかし、ちょっと違った。
チョルはミエの意図を無視したわけではなく・・
そっとそれを拾い、彼女に向けて差し出した。
何も言わなくても、もう伝わってしまったらしい。
ミエの顔が、パッと笑顔になる・・。
チョルから紙を受け取ったミエは、大きな声で礼を言った。
「ありがとう!!」
そして小さな声で先ほど伝えられなかったことも・・。
「あ、それと私150越えてたから」「分かったから早よいけ」
すると。
「うーわなんだあいつ。小学生か?」「くそチッセー」
通りすがりに、聞こえよがしの悪口を言う男子がいた。
ミエは信じられなくて、目を丸くしてそちらを向く・・。
第四十四話②でした!
えー?!150センチって言うほど小さいですか??
140センチだと小さいなーと言う感じですが、150くらいならざらにいる感じがするんですが、
これは日本感覚なんでしょうか?韓国はもっとみんな大きいんですかね?
チョルの180センチ越えは大きいですが・・
韓国男子、大きい人多いですもんね
そして最後何!?あの失礼な男子はーっ
ミエちゃん、負けるなーっ!!
第四十四話③に続きます