青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第四十一話④

2021-12-02 | 第四十話〜第四十二話

そしてまた朝がやって来た。

チョルは今日も一人で通学路を歩いている。

すると後ろから、小走りで近づいてくる人物がいた。

”友人”ファン・ミエである。

「おっはよ!良い天気だね!」

「はい!どーぞ!」

ミエはそう言ってあの因縁のクリームパンを差し出した。

チョルは、ミエがなぜパンにこだわるのか分からない。

「なんでまたこれ・・」なんでかって?」

友達だから!あげる!パン!

”友達だから”という大義名分を手に入れたミエは、堂々とパンを差し出してくる。

その引力に巻き込まれるように、チョルの頭の周りでパンが踊った。

パン パン パン パン パン・・・

まるで導かれるように、ミエのパンを受け取るチョル。

そしてパン越しに手と手が繋がった瞬間、世界は光り輝いた———・・。

やった〜!

ミエはガッツポーズを決めると、固まっているチョルに念押しする。

「食べたら中のシールは私にちょうだいね!ベ・ホンギュには絶対あげないでよ!」

そう言って去って行ったミエの後ろで、チョルは呆然としながらパンを持って立ち尽くした。

一体なぜ受け取ってしまったのか分からないまま・・・。

 

学校内についてからも、チョルはまだ事態を把握しきれなかった。

とりあえずパンはリュックに入れてあるけれど。

すると建物の影から、ハン・ソンイが手招きをして自分を呼んでいる。

チョルはまるで導かれるように、そちらへと歩を進めた。

 

 

「本当にごめんね〜!」

ソンイは開口一番、チョルに向かって先日の自分の行いについて謝った。

モ・ジンソプに渡せなかったクッキーを、チョルを介して渡してもらうように頼んだことについてである。

「私おかしくなってたみたいで・・せっかく作ったのに断られると悔しくて・・

チョルに負担かけちゃって・・渡さなくても大丈夫だから!この前のことは忘れてね!」
 
「なんでまたこれ・・?」

チョルは再び渡されたクッキーの袋を見てそう問うと、意外な答えが返ってきた。

「それはチョルになの。お詫びの印・・」「は?いや・・」

「一生懸命作ったんだ。味は保証するから!」

そう言われ、チョルは何も返せずに立ち尽くした。

少し戸惑って見えるチョルを、ハン・ソンイは温かな眼差しで見つめる。

「なんでかは分からなかったけど、去年もチョルが学校の子達と気まずくなっちゃって、

こんなふうに内緒で話したよね。私は全然良いんだけど・・。
 
けど、今回私のお願いも聞いてくれて・・」
 

「チョルは本当に優しいね。

だから私にでも、他のみんなにでも、気負わずに話しかけてみたらいいんじゃないかな」

「それじゃあ私先に行くね」

そう言って、ソンイは先に教室へ行った。

チョルはまたも立ち尽くす。手にクッキーを持ちながら。

断りきれず気まずい・・

ミエにも、そしてソンイに対しても、断れずにパンもクッキーももらってしまった。

そして今チョルのリュックの中には、二人の気持ちが入っている。

 

 

 

教室のドアを開けると、出くわしたクラスメイトが少しびくついていた。

そんないつもの光景を目に映しながら、チョルは席に着いた。

まだ腑に落ちない顔をしながら。

すると。

「おはよう」

小さな声だが、ファン・ミエがチョルに話しかけた。

「宿題は順調?」

 

周りのクラスメイト達が、チョル達のことを見ていた。

学校では話しかけないというルールを飛び越えて、隣の席の”友人”はチョルに微笑みかける——・・。

 


第四十一話④でした!

またあのパンww

中にシールまで入って500ウォンのお得なパン・・

ソンイちゃんの手作りクッキー・・

みんなチョルの心配してて優しいです。

それもこれも、二人のチョルの心根の優しさを知ってるから、

みんなにも知ってほしい、もっと楽しい学校生活を送って欲しい、と思ってるんですよね

優しい世界〜〜!(号泣

 

第四十二話①に続きます