青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第四十五話①

2021-12-30 | 第四十三話〜第四十五話

 

 

 

キム・チョルがサッカーの二試合目を打診している頃、ミエはと言うと・・。

 

 

昼間、身体測定の時にからかって来た男子に向かって想像の中で拳を固めているところに、

モ・ジンソプと遭遇した。

はっ!!

モ・ジンソプはミエをじっと見ていたかと思うと、

突然パッと笑顔になって挨拶した。

「どーも」 

ミエは「ひいっ」と息を飲んだ後、ペラペラと早口で捲し立てる。

「どっどーも!いま帰り?髪、サッパリ・・いやかっこよくなったんじゃない?!」

「うん、誰かさんのおかげで・・・いや君もパッツ・・いや、いい感じに切ったね」
 
「そんじゃね〜」
 

一刻も早くこの場から去りたいミエと、その逃げ道を塞ぐジンソプ。

ニコリと笑う彼の背後から、金色の光が差している・・・。

「ははは・・」

私は・・私は悪くない・・!
 
本当に客観的に見ても、私はいっこも間違ってない!

・・んだけど・・あまりにも悲惨すぎて・・・

バリカンのウイーンという音と、断末魔のようなモジンソプの叫びが、

今もミエの耳に残っている・・・。

「ご・・ごめ・・!」

 

ミエは罪悪感に負け、遂にごめんと口にした。

しかし、モ・ジンソプは静かにこう言う。

「あの時、びっくりしたでしょ?」

「見てられないって顔してたもんね」

「俺もあの時はパニクっちゃって、ちょっとわけわかんなくなっちゃってたみたい。

ごめんね」
 
 
背景に花を背負いながらそうスマートに謝る彼を見て、ミエは思わず「おお・・」と唸った。
 
自分は少し誤解していたかもしれない・・。
 
何だろ!?この人・・
 
見た目とえらく違うなと思ってたけど、意外と器が大きいのかな!?
 

「あ・・ううん、私も・・」「ん?」「その・・」

「わざとじゃないけど・・それでも・・私もごめん・・」

そ の 言 葉 を 待 っ て い た よ

モ・ジンソプはミエが見てないところでドス黒い素顔を見せた。

さぁ、反撃開始である。

「そう思うなら、俺のことちょっと手伝ってくれない?」

「え?何を?」
 

「前一緒に勉強した時さ、君英語得意だったじゃない。俺まじで英語苦手でさ。

もうすぐ中間テストもあるし、英語の宿題がいっぱい溜まっちゃってて」

「周りに勉強できる子いないし、俺らの英語の先生は間違えたとこ怒るだけだから

全然ダメで・・」
 
 
「あ・・」
 
 
そしてここで、トドメのナナメ四十五度!
 
「ダメかな?」
 
 
それはモ・ジンソプがプレイボーイとして生きてきたからこその技であった。

遂にミエは陥落———・・!

「わ・・わかった!」

「ほんと?」「うん!いつがいい?」

じわじわ、と距離を詰めていくモ・ジンソプ。

 

「それじゃ今からはどう?一緒に・・」「え?」

「今日はダメだよ、宿題がいっぱい・・」「それじゃ土曜日は?」

「あ、その日は大丈夫!じゃ、土曜日ね?」

モ・ジンソプは、ミエの前から後ろに回り込んだ。

「よかった」

「おかげで助かったよ」

「サンキュ」

足場を固めたモ・ジンソプは、そう言ってミエに背を向けた。

「それじゃ土曜日ね」「うん・・」

 

「あ、それと」

「何があったかは知らないけど、誰かが何かを言ったとしても無視してればいいと思うよ。

取るに足らないことだからさ」
 

 

「じゃあね」

ファン・ミエがキラキラした視線を自分に送るのが、背を向けていても分かった。

ふ・・・

よし。もうこれでメロメロだな。つーかなんだあの前髪

”器の大きい”モ・ジンソプは、そうしてミエを赦しているように見えた。

 

が、実際のところは・・。

 

ウイーーーーン

「うわあああああ!」

ブルッ・・

そのバリカン跡のような、深い禍根を心の中に遺していたのだった。

[モ・ジンソプがこれまで見逃してきた、屈辱を与える小さな反逆者]

[どうしても許せない、大事に育ててきた髪の損失]

夏休み・・
 
夏休みまで耐えれば思い通りに伸ばせたのに・・!
 
 
そう、モ・ジンソプには壮大な計画があったのである。
 
頭髪制限は中三に限って、夏休み以降緩和されるのだ!!
 
 
夏休み明けに、始業式で周りを釘付けにする自分の姿を想像してはニヤけていたというのに。
 
その全てが、あのバリカンによって崩れ去ったのだ———・・。
 
[もう我慢できない]
 
「待ってろ・・ファン・ミエ・・」
 
 
モ・ジンソプは復讐の化身となってミエを呪う。
 
怒りのあまり、キャンディーを噛み砕くほどに。
 
 
俺に泣き縋ってぶら下がらせてくれるわ
 
「おーいあんまり気を落とさないで〜髪切ってもかっこいいよ〜」
 
 
モ・ジンソプはドス黒い素顔を隠しながらそのまま去って行った。
 
計画はまだ始まったばかり・・。
 
 

第四十五話①でした。

切りどころが分からず今回は少し長めですいつもバランス悪くてすみません

この記事のおまけのようなコマが三コマあったので続きますね!↓

 

「あ、土曜日予定あったな。キャンセルしないと・・」
 
「土曜日だけど、急に用事ができちゃって・・」
 
 
「よかった、怒ってなかった」
 
 
でもヨンタン兄さんとドッコチャン(漫画の主人公)は全然似てないな
 
 
 
 
以上です!笑
 
 
 
第四十五話②に続きます

 

そして、みなさま今年もコメント&応援ありがとうございました

良いお年をお過ごし下さい