臨済宗南禅寺派圓通寺

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インドの昔話 2

2024-01-18 | Zazen
  • 三階建ての家を建てる
『百喩経』に次のようなたとえ話があります。

あるお金持ちが隣町に行ったとき、立派な三階建ての家を見ました。その金持ちは自分の街に帰ってきて大工さんを呼んで尋ねました。
「私は隣町で立派な三階建ての家を見た。あなたはあのような三階建ての家を建てることができますか」
大工さんは答えました。
「はい、できます」
その金持ちは言いました。
「立派な三階建ての家を建ててください」
すると大工さんは家の基礎工事を始め、1階部分の工事を始めました。
するとその金持ちは言いました。
「大工さんよ、私は1階や2階ははいらない。3階部分だけでいい」
大工さんは言いました。
「ご主人さま、1階や2階がなくては、3階は建てられません」
それでもその金持ちはそのことが理解できません。
「私は3階だけが欲しい」。そのように言って大工さんを困らせました。

このたとえ話は何を伝えたいのでしょうか。それは仏教には「基礎が大切だ」ということです。インドで大乗仏教ができたのは紀元1世紀から2世紀ごろです。ブッダが教えを説いて500年以上が経ったころ、仏教は宗派分れをくり返し20の部派に分かれたと伝えられています。仏教はそうとう混乱した時代だったようです。そこで民間人の協力でインドの民話を取り入れた経典を編集するグループが出て来ました。ヒンズー教を取り入れた宗派もできてきました。その様な時代に『百喩経』が編纂されたとおもわれます。
この経典に説く「仏教の基礎」とは「仏法僧」のことです。仏とは「ブッダ」で、法とは「ブッダの教えや規範」です。僧は「サンガ」のことで「法を伝える集団」の意味です。「ブッダの教えは集団でまもっていく」ということが大切です。禅宗はこのことを大切にしています。
一般の生活や学業においても基礎が大切であることは言うまでもありません。小中学校は基礎教育期間です。看護師さんや美容師さんになるためには、国家試験がありますが、そのまえに基礎教育が必要です。


坐禅会 毎週土曜日午前6:25~8:00 
久留米市宮の陣町大杜1577-1 圓通寺 
初心者歓迎 参加費無料 詳細は電話でお問い合わせください。
℡0942-34-0350
初回参加のみ千円。二回目以降つづけていただければ無料です。
●学校やクラブなど団体研修 坐禅申し込み随時うけたまわります。
出張も致します。費用はご希望に応じます。宿泊はありません。

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