じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風の便り 9

2020-02-18 12:21:50 | 南風の便り


6月13日か14日だったと思いますが、ドゥマゲッティーから家に電話をした時に仙台も梅雨入りした事を聞きました。
その前日の夕方、タリネス山にかかる雲の流れが少し変わっているのに気が付きました。
風向きが変わるのかなと思ったら翌日から南南東が吹き、ビサヤで言う「ハバガット」が吹きはじめました。

前々から気になっていたのですが、日本の天気が思わしく無い時にはここも良く無いなぁ、と思うのです。
ドゥマゲッティーの天気は仙台でもわかる!!!
若しくは、仙台の天気はドゥマゲッティーでも分かると・・・・?。
いやしかし、笑えませんよこの話しは・・・アジア天気図で見ると意外と近いんですから、フィリピンは。

風向きが変わる数日前から前兆はあって、毎晩強い雨が続いていました。
バケツをひっくり返した程度の雨から、ドラム缶をひっくり返したような強い雨と、はたまた、消防車の放水も真っ青と言うくらい強い雨が長く続いた夜もありました。
そんな時、我が家のトタン屋根は雨粒のドラミングでぐっすり寝込んでいても叩き起こされます。
それでも雨は朝には確実に上がっていて、日中は強い日射しが照りつけ気温は35度を超える事もしばしばです。

毎日客もなく暇なので「マサブロド・ノルテ」に潜りに行きます。
タンクを2~3本持って午後からぶらっと出かけます。
先日は一日中潜って浅場から深場まで、ガイド用のネタ探しと、ばれたら大変だけど、漁師が仕掛けた魚捕りのカゴの撤去をしました。
カゴは枝サンゴの群生の上に落とされていたものと、つぼ海綿に乗っ掛かっていたのを、ちょっとはじっこに移動させたのでした。
ここでも漁師とダイビングポイントの管理者がせめぎあっている様子がうかがえます。
漁師は少しでも禁漁区を狭めようと働きかけ、ポイント管理者はそれに対抗する為にポイントへの入海料やらの料金を上げて、ダイビングが儲かる事を示そうとします。

アポ島も最近はダイバーから金をむしろうとする話ばかりです。
マラタパイのダイビングボートを一手に引き受けているホアンも客が少なくて困っているのか、ボートの値上げをしてきました。
ホアンのボートのペンキが剥げたままになってから久しいですが、彼は船を塗る量のペンキは買えないが、看板なら書き換えられると料金表を書き換えたのでしょう。

アポ島のポールダイバーズは繁昌している様子で、増築をくり返してキャパはますます大きくなっています。
最近ではスーパーキャットの中で見られる映画の合間にCMを流している程です。

小さな島に滞在する人が増えると必ず水の問題が起こります。
水不足と雑廃水の二つの問題です。
島で生れ育った人は少ない水を上手に利用しますが、水道の発達したところから来た人は大量の水を必要とし、廃水も沢山出します。

廃水が原因とは言い切れませんが、私はかなり関係が有ると思っているのがアポ島のサンゴ死滅問題です。
アポ島のエダサンゴがかなりの勢いで死滅していっています。
例えば、サンクチュアリの水深2~3メートルで見事なテーブルサンゴを見て感動した人は多いと思いますが、あれも死にかかっています。
わずかに色の残っている部分も有りますが、ほとんど白化しています。

数年前、海水の異常な高温化で沖縄やフィリピンのボラカイなどでサンゴの白化現象が言われましたが、その時でもアポ島は無事でした。
アポ島では昨年も今年も海水温はさほどの変化は見られません。
それでもサンクチュアリの枝サンゴは急速な勢いで白化しています。
そして気になるのは、白化したサンゴの上に、すぐ堆積物が溜まる事です。
私は知識が無いので本当の原因は分かりませんが、なんとなく、海が死んでいってるなと感じるのです。

とは言え、アポはまだまだ実力有りです。
マムサに2本入って2本とも見事なロウニンアジ会いました。
真っ黒な体にまるで刀傷のような銀色のしま模様が入った、これこそがロウニンアジと言う風格の魚でした。
最初に強い流れに逆らって優々と泳いで来たのが見られ、次は水深が36メートル、いつもハタが潜んでいる棚の中から飛び出したのが見られました。

サンゴやソフトコーラルに関して言えば、サンクチュアリよりもロックポイントやマムサのエントリーしてすぐのサンゴが見事です。
ここいらは白化もなく、活き活きしているのが分かります。

そうそう、ドゥマゲッティーで唯一安心して刺身が食える「ラブ・アス」へ行って鰆(サワラ)の刺身を食べました。
お客さんのおごりなのですが鰆は本マグロのトロ真っ青と言うくらいに脂がのっていました。
SBわさびもきっちりと利いて、いやあ、旨いのなんの、馬鹿ウマでした。
そしてその料金が安いのに驚きでありました。

エアコンの効いた店内と自然の風に吹かれる外のテーブル席が有る店ですが、この約20人は全員店内の席でした。
ラブ・アスは海沿いの店で、食事をしながらセブ島のリロアンの灯や漁り火が見えます。
店内の席ではあまり上手とは言いがたいけれど、ピアノの生演奏が聞けます。

もしも貴方がラブ・アスで食事をするとしたら、どちらの席にしますか?

私は外の席でワインなど片手に漁火を眺める方をお勧めします・・・あっ、虫除けをお忘れなく。

・・・では また。

    ではまた。

(2002年6月20日に書きました)



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