じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風のたより ブタを焼く

2020-02-27 09:47:54 | 南風の便り
レチョンバヴォイの焼き方 

 ブタはあっと言う間も無く、頸動脈にナイフを入れられ即死しました。
頸動脈から吹き出す血をバケツに集めている所で血はすぐに料理されます。
フィリピン人はこの血を煮て固めたものが大好きで、ペースト状の物を御飯にかけて食べます。


ブタが生き物から食べ物に変わった瞬間でした

ブタをきれいに水洗いします。
水洗いの後熱湯をかけて鉄のヘラでブタの毛をそぎ落とします。
作業としてはこれが一番時間が掛かります。
お湯をかけると肌が薄いピンクから真っ白なろうそくの色に変わって生き物のブタから豚肉に変身します。

水で血や汚れを洗い流します

熱湯をかけて最後の脱毛処理です

ブタの内蔵を取り出す為に肛門の周りを大きくくり抜きます。
腹はナイフではなくカミソリで裂きます。
この処理は大切で、腸を破いてしまうとウ◯コが飛び出して万事休す、です。
なので気合いを入れて慎重に切ります。

尻の穴をくりぬく

内蔵を取り出されたブタの尻の穴から竹ざおを刺して行きます。
この作業も熟練を要する作業で簡単に竹は通らないのです。
死後硬直でブタが丸まって固くり、何度か軌道修正をして男が二人掛かりで仕上げました。

串刺しの風景

ブタは半日かけて焼かれますのでその間に崩れないように針金で形を整えたり釘で固定したりします。
この時の整形がうまく無いと焼き上がった時に台の上の座りが悪く横に寝てしまいます。


ブタが逃げないように釘を打ちます

捨てる部分はウ◯コだけです。
内蔵もすべて料理しますが、痛みやすい内臓から手早く処理して行きます。
日本なら法律で許されない料理ですが、この国ではこの処理ができる男はポイントが高いのです。
向こう側に掘られた穴の前で大腸は処理され、臭いので穴はすぐに埋められます。

手前は腸を洗い、奥ではウ◯コを埋めています

ブタの腹にレモングラス・ブラックビーンズ・ニンニク・タマネギ・塩・スプライトなどの調味料を入れて、全ての穴が縫い合わせて塞がれます。
焼くと滲み出すスプライトの糖分がブタの皮をクリスピーに仕上げます。

縫合手術

下ごしらえに約2時間。
やっと火に掛けられるところまできました。
この後、赤シャツのディトさんは半日も火の前でブタを回し続けるのです・・・彼の本職はペンキ屋です。

やっと火にかけられました

良い色になって来ました。
しかし今回はディトさんが途中で酔っぱらって少し焼き過ぎてしまいました。

一番美味しい後ろ足の前の腹が焦げています

知らない人が8割の誕生パーティー

ブタの丸焼きをメイン料理に近所の人も含めた40人ほどで私の誕生日パーティーを開きました。
習慣に則って食事を始める前にお祈りをしました。
普段は神も仏も、なんじゃいそんなものとうそぶいている私ですが、自分の為にたくさんの人が祈ってくれる姿に感激してこの日の散財の痛みは忘れました。
まあ、すぐに酔っぱらって地が出るのですが、2~3分は神妙にしていました。
日本ではほとんど相手にされる事のない私でも祝福されるフィリピンは、お金さえあれば幸せです。

ドゥマゲッティー・・・この次は貴方の誕生日をここでやりませんか?

   ・・・ではまた
 
      では また

(2003年 8月30日 書きました)
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