あれです、カヤック初心者の身にも拘わらず田沢湖に遠征しあの広い湖をほぼ一周したのであります。
まっ、それだけ風も無く凪も良かったって事なんですが、これも私の人徳の賜物でありましょうか、なんちゃって。
8月15日・・・ああ、今日は終戦記念日か? と、ラジオ放送を聴いて思いつつ、俺には関係無ぇ、と東北自動車道を盛岡に向けて走っていたのでありました。
いや、当初の計画では予算節約のために下道で行く筈だったんですが台風七号の動きが気になり早く行って今日中に一本漕いでしまおう、と思ったのでありました。
で、軽トラにカヤックの組み立て済みの船体を積んで高速を走るってどーなの? とかなり心配だったんですが、案ずるより走るが易しでして時速110キロくらいまでは何事も起きませんでした。
あれです、船体を裏返しにして積んだのが功を奏したようで船底の形状からダウンフォースが生まれ安定したものと思います。
いや、ロープで縛ると骨組みが損傷したり船の外装材を傷める可能性があるので固定は4本のゴムを使った次第であります。
何と申しましょうか、平素から12尺の脚立や草刈機を平ゴムで縛り付けているのでその強度や粘り強さは知っていたのですが万が一高速道路で落として後続車に当てたなんてことになると一大事なので最初は80キロ位から徐々に上げて行ったのであります。
で、岩手県の最高速度が120キロ区間に入って100キロ以下の車を抜くのに一瞬だけ110キロ以上出したんですがなんて事も無かったのでありますが、定速は100キロでありました。
そんなわけで家から田沢湖キャンプ場まで4時間と順調に行きまして11時ちょい過ぎには駐車場に入った次第であります。
あれです、噂では駐車料金400円の他に施設利用料が400円と聞いていたんですが<
カヤックを出しますと申し出たにも拘わらず400円だけの徴収でありましたが、まっ、いいでしょう。
カヤックを出しますと申し出たにも拘わらず400円だけの徴収でありましたが、まっ、いいでしょう。
船を下ろし易い所に停められました
で、船を下ろし食料と水やカメラを防水バックに詰めいざ湖面へ、と行ったわけであります。
いや、今回は楽に運搬するために船の下に入れるドーリーって台車を使いましたが坂道なので上手く使えず結局抱えたのであります。
ああ気持ちが逸る、であります
あいやぁー!!! なんとまぁー賑やかな水際ではありませんか。
湖水浴の子供らにサップの練習をする若者と、少し沖には観光船まで航行しているではありませんか。
しかし、怯んではいけない・・・何とか隙間を縫ってでも沖に出なくては、と取り敢えずボートを浮かべ乗り込んだのでありました。
なんですかこの湖水の色は?
あれです、私しゃダイビングのガイドで透明度の良い綺麗な海は腐るほど経験してきましたが田沢湖の湖水の色は過去のどの海とも違うものでありました。
何と申しましょうか、日本一深い湖だけが出せる神秘の色なのだろうかと感動しつつ、取り敢えず直線で6キロ先と教えられた「たつこ像」を目指したのであります。
遠くに見える建物群はたつこ像 では無かった
あれです、田沢湖は一周するとおおむね20キロらしいので大した距離では無いなと漕ぎ出したのであります。
が、広い湖面に出て感じたことは、人力船は遅い、とにかく遅い、そして本気で漕がないと進まない、であります。
いや、多分あそこだと思うのだが、と見当をつけて漕いでいるわけですが周囲には誰もいないのであります。
大量にいたサップの集団は遥か後方で群れたままこちらに来る気配はなく、ホントーにあそこがたつこ像なのだろうかと不安になる私でありました。
が、漕ぎ始めてまだ30〜40分・・・んっ? 昼飯時を過ぎてるじゃないか?
しかも車を走られ続けて休憩もなしだったし。
と、そんなわけで漕ぐのを止め防水バックに詰め込んであったソーセージパンとクリームパンを齧りつつノンアルビールを飲み、船は暫し風に任せボーッとしたのでありました。
で、ボーッとしている間に少し風が出てきまして目指すたつこ象には向かい風になったのでありますが、休憩したってことで気合を入れて漕ぎ続けたのであります。
が、向かい風が邪魔な上に進行方向に高速の遊覧船やジェットスキーが走ってまして波が立つしこんな低いボートは船から見えるのか? と心配になるのであります。
さらに、ペース配分も考えずにがむしゃらに漕いで来たので腕はかなり疲れてまして、遠征先で救助されるのもアレだな・・・と、考えた時スマホを車の中に置いてきた事に気付いたのであります。
どーすっかなぁー? たつこ像を見ないと第一ポイント制覇にはならないんだろうな、と思いつつも、近くまできたから良しとし、風を避けてあっちへ回ろうと漕いだのでありました。
あれです、田沢湖キャンプ場から時計回りで漕ぎ出したわけですがどー見てもたつこ像はほぼ対岸でして岸寄りに漕いできたのはかなり遠回りだったと思いつつ、こーなったら日本一深い湖の中心を漕いで渡ろうとど真ん中に出たのであります。
すると遠くの方に高速遊覧船が走って行くのが見たのでありますが、あれが行くってことは観光名所だろうと踏んでそっち方向に漕いだのであります。
ああ、なにやら鳥居のような赤い物が
いや、来ちまったものは仕方が無いわけですが手漕ぎのボートはとにかく遅い、であります。
失敗したなぁ・・・真ん中からキャンプ場に帰れば良かったと心底後悔しつつたつこ像を外しているので1点くらいは押さえたいと気持ちとは裏腹に手は動くのでありました。
そーか、やっぱし鳥居か
いや、何の鳥居かも知りませんが霊験あらたかな物なのでありましょうが、余りにも遠かった、なんちゃって。
さて、もう2時を回ってまして、計算では3時には戻らないと宿へのチェックインが遅れてしまうのであります。
が、私の山立てではたつこ像と鳥居とキャンプ場は正三角形で等距離であります。
と、言うことは帰りも6キロ漕ぐわけでして、必死で漕いで1時間であります。
そんなわけで既に棒感覚になった腕に喝を入れて漕ぎ続け3時ちょうどに出発点に接岸したのでありました。
何と申しましょうか、本音を言うとカヤックを漕いで湖面を進んでも絵的に面白いものは殆ど無く写真も撮れないのであります。
なのでこの顛末記も有る事無い事針小棒大にナニしましたが、まっ、漕ぐってのは疲れるもんですが、まっ、いいでしょう。
田沢湖の湖底は海面よりも下なんだそうですね。万が一沈没したら、永遠に沈んで、100年後の辰子姫が飽きられた頃に、Oyazi像が建立されるかもしれませんね。
暑くなかったですか?
ええーっ!!! たつこ像ってその程度のものなのですか?
いや、何か由緒正しい歴史的なものかと思ってましたが、そもそも金色って時点で察するべきでありましたかね?
流石に700メートル以上の高地なので暑さは厳しくなかったのですが湖面に出たら日差しが容赦なく痛いほどでありました。