じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風のたより

2020-03-27 17:30:18 | 南風の便り

南の島の話 2004年 第9号
遠足・No.6 サンカルロス〜ビクトリア


ヴィクトリアへ・・・

1泊2日、全行程700キロメートル以上。
初めて訪れた外国の地名と位置関係を正確に記憶しておくと言うのは私の記憶力では不可能なようです。
今回の旅行の行程でギホルナンから先はすべて未知の場所でありまして、どこで何を見たものやら、判然としなくなっています。
写真を見てもサトウキビ畑などは何処もいっしょの風景で、これがバイスだったか、サンカルロスだったか、ヴィクトリアだったかと区別がつかない写真も有ります。
フィルムの前後の関係からそれ程大間違いは無いとは思いますが、万が一の場合は御愛嬌と言う事で御容赦下さい。

それにしても、メモくらい取れば良いものをと今さらながらに反省しきりでございます。
言い訳をすれば、朝からビール漬けの脳味噌と、これでもかぁーと言わんばかりの暑さの中ではメモさえ面倒だったのであります。

さて、サンカルロスは港町と言えば港町、田舎の市場町と言えばそれでも良いし、取り留めの無い地方都市でありましたが一つだけ特別目を引くものを見つけました。
これぞネグロスオリエンタルとオキシデンタルを分ける確かな証と言うものを見つけたのであります。
オートバイの脇にサイドカーを付けたものを「トライシクル」と言い、市民の普段の足としてフィリピン各地で活躍していますが、そのトライシクルの型にネグロス西州とネグロス東州の決定的な違いを見つけたのであります。
オリエンタル型はドゥマゲッティーなどで走っている、バイクと側車を一体として屋根をかけ、正面から見ると軽自動車よりも幅広の車のようになっているタイプです。(写真はネグロスの旅No1にあります)
方やオキシデンタル型は完全なサイドカータイプで、バイクには屋根が掛かっていない事が大きな違いです。
このタイプだと乗れる人数もオリエンタル型よりも少なくなると思います。
セブ島のカルカル辺りではバイクの後ろに客車をくっつけた4輪型も有るので地方型バリエーションは多いのかも知れません。
セブ島の一部は急勾配、急カーブの道が続くので側車型は不利なのかも知れません。

トライシクルは通称パタパタと言い、ドゥマゲッティーでは市民の足として欠かせない存在ですが、大都市では交通渋滞の元凶と言われ消えつつあります。
セブシティーでは大通りは走れなくなり、裏通り専門に走っています。
しかしそれでは稼ぎにならないので多くのドライバーが廃業しているようです。
この型のトライシクルはオキシデンタル州の全部で見られました。

ネグロスオキシデンタル型トライシクル

シュガーアイランドと言われるネグロス島ですが、その名の発祥はヴィクトリアのようです。
ヴィクトリアにはVicmico(Victorias Milling Company)と言うフィリピン最大の製糖工場がります。
製糖工場のある街のどこもが工場城下町として発展した様子が見えます。
工場周辺の雰囲気も似ていてアカシアの並木と古い工場の施設と入り口のゲートと、形は少し違っても様子は殆どいっしょです。
広大な敷地の製糖工場ですがヴィクミコの工場はさらに大きく、敷地内が一つの街として機能しています。
敷地内には学校、銀行、病院、ゴルフ場や会社専用の飛行場まで有るそうです。
このやり方は福利厚生を考えた訳ではなく、まず労働者を雇い入れて社宅(小屋のような家)に住まわせ払った給料がまた会社に戻って来る、賃金の環流の仕組みを作っただけなのです。
借金の形に土地を取り上げるのが目的で金も貸していました。
この方法はフィリピン全土で小作人と地主の支配関係を築きあげるのに使われました。
一番規模が大きく悲惨だったのはミンダナオ島のドールのバナナ農園でした。
しかし、ヴィクトリアも砂糖産業の衰退につれて、市場とバスターミナルを中心にした新市街が別の地域に広がるようになります。

ヴィクトリアではサトウキビの運搬に蒸気機関車を使っていたのですが最近は走っていないようでした。
BOBOが言うには数年前から走る姿は見かけなくなったそうでした。
ヴィクトリアの郊外のサトウキビ畑から集積場までのレールの終点に赤錆びた蒸気機関車が停まっていました。
機関車の雰囲気からは動く気配は感じられませんでした。

赤錆びた機関車

サトウキビ工場は内部の見学が可能だと聞いていたので立ち寄ってみましたが、事前の予約が必要との事で入れませんでした。
すでに蒸気機関車が走っていないとすれば他に見るべきものも無いサンカルロスであります。
まあ、たった一度通り過ぎたくらいで大きな事は言えないのですが。

商売柄方位や距離には敏感なつもりでいるのですが、知らない土地の方向感覚と言うのは時に怪しいものです。
頭の中の方角が変だと気がついたのはヴィクトリアで見た見事な夕日のせいでした。
私はパナイ島の方角に沈む夕日に感激しつつ、在らぬ方向に沈む夕日に位置関係が混乱したのであります。
私はてっきり東に向いていると信じていたのです。

沈む夕日に送られたのか、出迎えられたのか良く分からないうちにバコロドの市内に入ったのでありますが、全体に道路が広く、整然とした雰囲気が有り、「ややややっ、むむむむっ、おおおっ」と言う感じで、ネグロスオリエンタル州とは違うぞと感じていました。

次回はいよいよバコロドの夕方から夜、そして深夜へと新たな展開を・・・まったく大した事はありませんが。



      やっとバコロド到着・・・しつこくもまだ続きます。

(2004年 4月 書きました)
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