じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風のたより 16

2020-02-26 10:26:16 | 南風の便り
ハリセンボンを膨らませる ノノイ


 アポのサンゴは世界一 ?

 アポのサンゴの素晴らしさを再認識する機会が会りました。
ミクロネシア連邦・ポナペで潜ってすぐにフィリピンへ戻りアポ島で潜りました。
記憶が鮮明なポナペの海と比較して、アポ島のサンゴの種類と生きの良さには我ながら驚きました。

南太平洋のマジュロやマーシャルのサンゴも見事に残っていて、雑誌によっては世界一書いてありましたが、どっこい、フィリピンはネグロスオリエンタル州・アポ島のサンゴも全くひけを取らない、世界一のサンゴの群生ではないかと私は思うのであります。
いや、この際世界一がたくさん有っても良いのです・・・気にせずに。

アポのサンゴはミクロネシア連邦のように大平洋の真ん中、外洋の流れに洗われているオフショアのサンゴとは趣が違います。
あちらが男性的珊瑚礁とすれば、アポ島はずっとずっと女性的で色鮮やかにして艶かしく、そしてキュートです。
そう、まるで陽気なフィリピーナのようです。
そのサンゴやソフトコーラルの周りには、宝石のように輝く小さな魚たちが乱舞しています。
潮の少し早い時等はどの魚も同じ方向に頭を向けて整列し、さながら幼稚園か小学校のようでワイルドな南太平洋では味わえない趣だと思います。

  今頃(8月)のアポ島

アポ島は今ハバガット(南風)の季節です。
アポの表玄関、チャペル前は波が高く船が着けられない日が多くなっていてダイバーの休憩は裏側のコゴンビーチになります。
コゴンビーチは遠浅で、ジャブジャブと歩いて行くと最初はサンゴのかけらの混じった砂ですが、やがてバキバキとエダサンゴを踏みつぶすようになります・・・いや、例えての話ですのでバキバキはしませんよ。
コゴンビーチはすぐ目の前に枝サンゴの群生が広がっているのです。
それもそのはず、潮通しの良いマムサポイントの延長に当る場所ですからサンゴが育っているのも頷けます。

唐突ですが、花見に行って桜の花をまじまじと見た事がありますか?
サンゴも間近でよぉーく観察するととても楽しい「生き物」である事がわかります。
まったく違う種類か?と思うと、生息場所で色が違っただけだったり、同じかなぁ?と思って図鑑で調べるとなんか違うようだなぁーとか。
簡単そうで意外と特定の難しい種類も有ります。

風裏になったコゴンビーチは静かです。
弁当を食べていると犬が寄って来るのはいつもの事ですが、ここでは鶏も寄って来ます。
犬は食べ残しの魚や肉を狙っているのですが、鶏は、御飯とマンゴーの皮を狙っているようです。
ここに居ると静かすぎて海が荒れているとはとても思えず、休憩しているとお客さまに「海、静かになりましたね」と言われます。
しかし、風が無いのも波が無いのもわずかな風裏のこのスペースだけなので帰り道は波に叩かれるのですが。

コゴンビーチは小さな貝殻の多いビーチです。
波打ち際に腰掛けて探すときれいな貝が沢山みつかります・・・休息時に探すと楽しいですよ。

  Tシャツの値段

アポのお土産シスターズも随分豊かになりました・・・何度も同じ書き方するなって?。
10年前には考えられなかったほどに様変わりしています。

犬さえ見栄えが変わって、栄養失調で毛が抜け落ちた犬とかがいなくなりました。
人が飢え無くなると犬も飢えなくなるんですね。

島での収入は、漁業とお土産売りの収入とダイビングサービスで働く収入ですが、日々の現金収入はなんと言ってもTシャツ売りでしょう。
しかし最近ではTシャツも売れなくなっています。
以前は記念に、お土産にと1人が何枚も買う姿が見られましたが、最近は来島者の財布も口が固いようです。

アポ島のTシャツは150ペソ、パレオが250ペソで2.5円換算で375円です。
これが高いとは決して思えないのですがみなさん良く値切ります。
ダイビングの雑誌に値切るのが常識、ゲーム感覚よ、と書かれるのも一因でしょうが私はこの姿が大嫌いです。
3枚買うから交渉して、とお客さんに良く言われますが、私が交渉すると10ペソしか安くなりません。

一枚10ペソずつまけてもらって30ペソ得しますが、日本円で75円です。
ホテルではビール一本飲めるかどうかと言う金額です。
気持ち良く定価で買って底抜けの笑顔に囲まれる方が私は良いと思うのですが、価値観の相違ですね。

    8月23日ブタをシメる日

 私の誕生日は9月なのですが、もろもろの事情が有って少し早く誕生パーティーをする事になりました。
ブタを潰す機会が多くて成長が間に合わないので知り合いのトライシクルドライバーJ・Rの家にいるやつを分けてもらう事にしました。
立派なブタではありますがたぶん高く吹っかけられて3000ペソ位は言われるでしょう。
今は大工もいて彼等も一口かじって行くでしようから、ビールが4ケースとスプライトが3ケースと・・・また出費がかさみます。

私はフィリピンでずいぶん好き勝手に暮らしています。
日本では考えられない程、感覚的には豊かに暮らさせてもらっています。
そのくせ税金なんてほとんど取られた記憶が有りません・・・違う意味での授業料はたくさん払いましたが。
こんな機会に私と少しでも縁の会った人たちに御馳走するくらいは潤滑油だと私は考えています。
まあ、この感覚の甘さが無いとこの国とは付き合っていけないので自分に言い聞かせている面もありますが。

フィリピンは経済的には小人の国だと言ったら失礼ですが、普通の日本人は小人の国に迷い込んだ「ガリバー」だと思うのです。
最近やっと、その自覚がほんの少しだけ持てるようになりました。

フィリピン人にとって日本人は「ガリバー」なので背中に多くの羨望や嫉妬のつぶてが飛んで来るのが分かるようになりました。
そして小人の国の住人にも色々な人がいて、ガリバーを生け捕りにしようと企む人もいます。
大きくて隠れる事のできないガリバーは意外にも脆く、簡単に捕われてしまう事もあります。
そんな時には普段どんな風に近所の人や周囲の人と付き合っているかが物を言うのも分かって来ました。
だから私の誕生日は私の為の物では無かったりする訳です。

   ・・・ではまた。

        では また。

(2003年 8月24日 書きました)

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