役所広司が、カンヌで主演男優賞を獲った名画。
友人に「すごくいいよ」と勧められて。日比谷TOHOシネマズシャンテ。
もう上映している劇場は少ない。早めに劇場でご覧になってください。
木漏れ日、の映画。
木漏れ日。木の葉から漏れ見える日差し。同じ木漏れ日は二度とない。その一瞬は二度と来ない。今度はない。今、しかない。
その木漏れ日との出会いは、一期一会。その木漏れ日に出会えるのは、ある意味、奇跡。
木漏れ日の話ではない。
木漏れ日のみならず、人生のシーンのすべてが、一期一会。二度と訪れない。
今日の自分と明日の自分は違う。今日の妻と明日の妻は違う。今日の家族と明日の家族は違う。微妙に違う。
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最後のシーンまで、最悪の映画かと思った。
しかし。
最後のシーンを見て、大どんでん返し。
やられた。
なんとまた味わい深い作品であることよ。
ワンシーンで、最悪の映画から、最高の映画に昇華。
監督はドイツ人のヴィム・ヴェンダース。外国人にも、こういう「日本的」な映画が撮れるのですね。
人生すべて、木漏れ日みたいなもの。
そう受け取りました。
題名は『Perfect Days』。だからネット上の口コミや感想も、この題名に引っ張られている感がある。
しかし。
『木漏れ日』ってタイトルの映画だと思って、見たり考えたりしてください。
また違った味わい方ができるでしょう。
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最初に思った感想は、資本主義社会、近代社会へのアンチテーゼ。
でも陳腐ですね、こんな感想。
端的には、人生すべての瞬間が、木漏れ日みたいなものなんだよ、っていうメッセージを、我々は受け取るべきなのでしょう。
この映画の味わい方のアドバイス。
1 映画館で観ろ。
2 絶対に最後まで席を立つな。