評判の悪い家庭連合案件を引き受けている。
すごいですね、偉いですね、勇気ありますね、とかおだてられることがある。
なんで私がそんな人間になったか。
端的に言うと、「蘇武を知っているから」って答えることができる。
中島敦『李陵』の主人公の一人。
学生時代から、蘇武の人となりと信念を描いた以下の一節とかを、ワープロで打ち出して、拳拳服膺していた。
「想像を絶した困苦・欠乏・酷寒・孤独を、(しかもこれから死に至るまでの長い間を)平然と笑殺していかせるものが,意地だとすれば、この意地こそは誠に凄じくも壮大なものと言わねばならぬ。」
「飢餓も寒苦も孤独の苦しみも、祖国の冷淡も、己の苦節がついに何人にも知られないだろうというほとんど確定的な事実も、この男(蘇武)にとって、平生の節義を改めなければならぬほどのやむを得ぬ事情ではないのだ」
過去記事(蘇武とインテグリティ)
そんな私からすると、「蘇武を知っているか」否かで、みなさんの人生行路は変わってくるのでは、と思っている。
私が家庭連合案件を引き受けたのも、インテグリティが理由。
日頃から企業に「インテグリティを持ちましょう、勇気を持ちましょう、組織不正に対してSpeak upしましょう」って偉そうなことを言っておきながら、評判の悪い案件だからって逃げることはできない。
『李陵』で、蘇武について上記で中島敦が書いた「平生の節義」から、私は家庭連合案件を引き受けました。
人生は平生の心がけで決まります。