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耐震強度偽装事件に見る日本のプロの胡散臭さ!

2005年11月24日 | Weblog
 千葉県市川市の姉歯一級建築士が、建物の耐震強度を偽装していた事件は、連日マスコミに大きく取り上げられています。すでに解体を決定したマンション、営業を停止したホテル、関係者のインタビューなどが詳細に報道され、かつてない大きな広がりを見せています。
 この事件は、一部の建売住宅のお粗末さ、阪神大震災で起きたビルや高速道路の倒壊などで国民の間に広がっていた建築・土木業界への不信感を、一層増大させるものとなっているようです。
 しかし、同時にこの事件は、日本のプロが持つ胡散臭さを浮き彫りにした、とも言えます。プロは専門化集団であり、特別の知識・技術・技能を持つものとされています。多くは国家資格で保護されており、例えば弁護士・公認会計士などの独占資格がこれに当たります。また、警察官・消防士なども独占資格であり、プロと言えます。
 このようなプロの人達の多くは、専門家としての知識・技術を生かした仕事を行い、評価されています。しかし、その一方で一部の専門家による、専門知識や専門家への信頼感を悪用した犯罪・不正が発生していることも否定できません。
 またプロは、専門家として「成果重視」、「実績主義」という性向があるようです。このため「結果よければ全てよし」と考える人も多いようで、過程・プロセスを軽視する傾向があります。
 たしかに結果、出来栄えがよければ評価されます。しかし、結果第一主義がもたらす弊害もまた、深刻です。唐突で個人的ですが、終戦直後の一連の冤罪事件?は、警察官の過剰なプロ意識がもたらしたものと考えています。言い過ぎかもしれませんが、「犯人が挙がれば、真犯人でなくともかまわない」という意識が、当時の警察官にあったのではないでしょうか。
 さて結語。今回の耐震強度偽装事件は、コスト第一主義(が求められる)の日本の建築・土木業界の実態を明らかにするとともに、日本のプロの胡散臭さを浮き彫りにしたとも言えます。「彼は本物のプロではない。プロは結果も過程も重視する。不正をしないのがプロ」との反論もあるでしょうが。
                                  以上