古稀を過ぎた主夫の独り言日記

主夫の独り言
やれるまでは小学生とサッカー
合唱は再開しました
アフリカの想い出

いんじぇら

2022-01-10 11:48:27 | 主夫のつぶやき
インジェラはエチオピアの主食である。
テレビで日本に暮らすエチオピア人の家族を放映した。
そこで紹介された食事を見て41年前を思い出した。
当時、エチオピアは夜間戒厳令が敷かれていた。
それとも知らず、入国したばかりの私は一人、ホテルで紹介された酒場を訪ねた。
そこで現地の酒を、差し出されたあてを肴に呑んでいた。
人懐こい現地人が私の回りに集まり英語や身振りで意志疎通を図る。
彼らは長身で精悍なスタイルをしているが、顔はにこやかで優しい。
外国人で金がない奴だと分かっても馬鹿話は終わらなかった。
その内一人が言った。
今日はここに泊まりだなと。
とんでもない、ホテルに帰ると言うと皆で笑った。
もう帰れない、今から外に出れば殺される。
時間は9時を回っていた。
そこで初めて戒厳令の事を知った。
こんなことは日常茶飯事なのだろう。
店主のママが問題ないと笑った。
その夜はそこに泊まることになった。
食事を用意してくれた。
十人近くの円座に出てきたのが初めて見るインジェラだった。
直径が30cmほどある薄いパンのようなものだが色が悪い。
使い古しの雑巾のようだ。
泡のような膨らみがいっぱいあり酸っぱい臭いもする。
ママがこれをちぎり肉と野菜を炒めたものを少し掴むと私の鼻先に差し出した。
これがエチオピアの習慣なのだそうだ。
少し臭いが我慢して食べた。
味はよかった。
するとママの娘や従業員が次々と同じことを始めた。
私は自分で食べるまでもなくお腹が一杯になった。
その内に外でガラガラと音がする。
戸を開けないで外を見ろと言う。
そこには装甲車が砲塔を揺らしながら見廻りをしていた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きょねんの

2022-01-10 09:45:05 | 主夫のつぶやき
去年、トマトと一緒に植えた苺が芽生えている。
苺用の土を入れただけで全く手を入れていないのに。
花が咲くか、実を着けるかも分からないが自然は偉大だ。
季節になれば目を覚まし、自ら育つ。
トマトは枯れたまままだ実を着けている。
寒いので実は赤くならない。
それでもこれがどうなるのか見届けたい気持ちがある。
根を抜く気になれないのだ。
赤い実がいくつも根本に散らかっている。
それもそのままにしている。
種から芽が出るかもしれない。
そう思うと捨てる気にもならないのだ。
寒々しい庭に赤い実が優しさと勇気を届けてくれる。
ミニトマトの実は腐ることもない。
みずみずしいままに転がっている。
赤くなりかかった中玉トマトは鳥が食べてくれた。
こんなに力がある鳥はヒヨドリだろうか。
冬の鳥は沢山庭を訪れてくれる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする