古稀を過ぎた主夫の独り言日記

主夫の独り言
やれるまでは小学生とサッカー
合唱は再開しました
アフリカの想い出

シマ(アフリカ)

2012-07-28 03:31:32 | アフリカ、想い出
現地人の食べ物の話をしよう
彼らの主食は『シマ』という
トウモロコシの粉を熱湯で練ったものだ
ケニアでは『ウガリ』と呼ぶ

鍋の中に粉を入れ、熱湯を少しずつ足してヘラで懸命にかき混ぜる
その内、耳たぶくらいの柔らかさになる
それをスプーンで薄く削って、皿に盛っただけのものだ
家によって固さは異なる
経験的には上流家庭のシマほど、白くて柔らかい
生徒たちの給食のシマは、薄黒くてぼそぼそしていた

シマと一緒に用意するものは大抵煮物が一種類
イモや野菜を塩で煮込んだものだ
私が最初に友達にふるまわれた時は、カボチャの葉っぱの煮物だった
はっきり言ってしまえば、ちょっとジャリジャリした感じで美味しいものではない
しかし、招かれた客としては出された料理を美味しそうに、全て食べつくすのが礼儀だ

シマを一掴み出来るほどに手でちぎり、そのシマを煮物につける
汁に浸したシマを食べたり、時には葉っぱをシマでつまんだりして食事は終わる
慣れてくればそれなりに美味しく食べられるようになる
基本的には手で食べるのだが、最初に招かれたときはフォークとスプーンを出してくれた
それ以来、我が家ではフォークとスプーンで食べるのが普通となった

私の家のシマは、白くて柔らかい物にするよう、バンボに命じた
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料理人はバンボ(アフリカ)

2012-07-28 03:08:26 | アフリカ、想い出
料理人のことを現地の言葉でバンボという
私も彼のことをバンボと呼んだ

仮雇い三日目の夕食は、またしてもマッシュポテトとローストビーフだった
前日がハッシュドビーフとマッシュポテトだからほとんど同じようなものだった
肉が固まりかバラ肉かの違いぐらいだ
朝はパンとマーガリンそして目玉焼き
昼はパンとスープ
お決まりだった

もっとほかの料理はできないのかと聞くと、得意そうに出来るという
翌日の夕食で野菜炒めのようなものが出てきた
今日の料理はとてもうまいと言って、ニコッと笑う
仕方ないがバンボと2年間付き合うしかないか・・・

正式に雇うことを決め、しばらくすると
「自転車を買ってくれ」と言い出した
4マイル先の市場に行けばいろいろなものが買える
美味しいものがいつでも作れる
「分かった、中古の安いのにしろ」

翌日、自転車があったと報告された
高い買い物ではなかったので、金を渡した
暫くすると大きな黒い自転車に乗って、さっそうと帰ってきた
インド製の自転車で、いかにも頑丈そうだった
私も乗ってみたが、ペダルがつま先でようやく漕げる程度
視点は高く、気持ち良い

通勤にも使って良いから、大切にしろ
イエッサーマスター
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料理人を雇う(アフリカ)

2012-07-28 02:36:37 | アフリカ、想い出
赴任地に到着し、教師として生活を始めた私は生活に不便を感じるようになった。
近くにグロッサリーと呼ぶ小さな商店があった。
間口1間、奥行き1間ほどの田舎のスーパーと言えばよいだろうか。
何でも売っているが、狭い店だから種類はない。
食料品と言えば、米やパンと缶詰、トウモロコシの粉とキャッサバとサトウキビぐらいだ。

学校は朝早くから夜遅くまで。
最初の頃は米をまとめて炊いて、日本から持参した梅干し、海苔そして缶詰を買って凌いでいた。
休みの日に、歩いて6.2km先の市場で野菜や肉を買ってきた。
野菜は保存がきいたが、肉は2日程度しか持たなかった。
不便を感じて料理人を雇うことにした。
学校で校長に相談し、噂を流してもらったのだ。

翌日、早速背の高い年寄りがやってきた。
被っている帽子でモツレムだと分かった。
私の要求は、英語が話せて料理が出来る人なら誰でも良いだった。
この男の英語は単語だけで、文章にはならない。
それでも職を得るために必死で私に訴えた。

英国人の家で料理人をしていたこと。
英国人に料理を習ったので料理は得意なこと。
マッシュポテトもできる、ローストビーフもできる、パンも焼けるという。
渡りに舟とはこのことで、この舟に乗るしかないと思った。
そこで、1週間働いてみろと言った。
給料は相手の要求の半分程度で手を打ったように思うが、忘れた。
早速市場に行くというので金を渡した。

その日の晩飯から準備をしてくれた。
言葉通り、マッシュポテトとローストビーフが食卓に上った。
久しぶりに食べる温かい料理だった。
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