デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

ブーイング!にみる光と影

2018-09-10 14:51:24 | 新聞・TV・映画・舞台・書籍etc.
 スポーツにおける観客席からのブーインク・・・メジャーリーグやテニス、サッカーには付きものの光景です。如何にも欧米的なブーイング「文化」に私は否定的ですが、許容範囲のものもあります。そこに「理」があり「リスペクト」が感じられる限りですが・・・



 テニスの四大タイトル「全米オープン」。大坂なおみが決勝でセリーナ・ウィリアムズと対戦しました。大坂は第20シードからの決勝進出、セリーナには過去三度対戦しいずれも負けています。到底 勝てないとの予想を覆し心技ともに充実、圧勝しました。

 第1セットからセリーナはミス・ショットを繰返しイラついていました。よく見る光景です。一流のプレイヤーはそこから冷静さを取戻し逆に相手を追込みます。第1セットは6-2で大坂が奪ったものの休憩をはさみ第2セットでは流れが変わると思いました。

 寧ろ過去そうであったように大坂がイラつき理性を失うケースです。しかし第2セットも流れは変わりません。セリーナと観客席のコーチの所作に主審が「コーチング」の警告をします。セリーナは怒りがおさまらず、ミス・ショットにラケットを叩き壊します。 



 主審の警告が重なりセリーナから1ゲームが取り上げられました。セリーナはますます理性を喪います。セリーナは出産後最初の選手権、彼女のタイトルを期待する観客はセリーナに同調します。荒れた第2セットも大坂が連取、初の四大タイトルに輝きました。

 どんな荒れた試合も表彰式では一変、勝者への称賛と敗者への激励の場に変わります。しかしブーイングは鳴りやみません。大坂は前に進み出ることができません。セリーナに促されようやく優勝カップを手にする大坂になおつづくブーイングに心が痛みました。



 優勝カップを手にした大坂に主催者が感想を訊ねました。大坂は「その質問に対する答にはなりませんが・・・」と断った上で次のようにスピーチしました。
 
 『皆さまがセリーヌを応援していることはわかっていました。こうした終わり方になってごめんなさい。ただこの試合を見て下さった皆さまにお礼申し上げます』
     「I'm sorry」については「ごめんなさい」ではなく「残念です」の意もあり。
 『全米選手権の決勝でセリーナと対戦することは私の夢でした。それが実現してとても嬉しく思います。セリーナ、あなたと試合できて本当に感謝しています。ありがとう』


 このスピーチが会場の雰囲気を一変!させました。セリーナも「もうブーイングはやめて」と観客に呼びかけ、やがて大坂への称賛の歓声、拍手へと変わりました。



 試合をするのはプレイヤーであり観客ではありません。審判には時に誤りもありますからレフェリングへの批判はあって然るべきでありましょう。しかしエキサイティングであることと荒れる!こととはまるで異なります。おぞましい決勝戦ではありました。

 決勝戦前の日本のネット上に『流暢な日本語だけど、明らかに日本人の発音じゃないよね」「大坂を日本人と素直に思えない自分がいる」とのコメントが流れていました。こうした唾棄すべき感覚はいったいどこから来ているのか・・・暗澹たる思いにかられました。


  表彰式のシーンの一部



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6 コメント

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差別 (遠音)
2018-09-11 11:48:48
>唾棄すべき感覚は 日本中にいま蔓延してます。

悲しいことだけれど 政治の上に一番に感じ
スポーツ界の中にも・・


ぴょんぴょんもいろいろな差別を受けながら
ようやくインターハイの三年間を約束されて
国体も夢じゃないよと指導員に励まされていました。 
いま二度の手術を乗り越えましたが
今度は臆病になっている自分を乗り越える作業に入っているようです。

「差別」この人間の感情のコントロールが
災害などがあるとき特に感じてしまいます。

すもう きのうの大鵬の相撲を見て
今期は彼のものだな!と直感しました。
初日見逃しました。たたいたりどづいたりせず
観客から思わず「技あり!」と声が掛かるような
横綱すもうを 期待したいです。したっけね~
返信する
テニスは全くわかりませんが (pukariko)
2018-09-11 14:00:27
こんにちは。
どういう文脈から(ネット上の)その言葉が出てきたのかわかりませんが、
私も最初、彼女は日系米国人かと思いましたよ。
生活の拠点は米国だし、母語も英語だし。
今回TV報道でいろいろ知って、ああそうなんだと。
ヘイト的ニュアンスは感じますが、
言葉通り素直に受け取れば、私もそう思いました。
これって差別感情?
むしろ日本人はこうあるべきというステレオタイプに縛られているせいだと。
別にどこのナニ人とか関係ないですよね、彼女は彼女でオンリーワンで。

それより、なんでアメリカに移住したかという点にひっかかりません?
なのに日本初!と単純に喜んでいていいのかな。

返信する
Re : 遠音さん「差別」 (デ某)
2018-09-11 16:12:39

遠音さん
コメントありがとうございます

>(唾棄すべき感覚の蔓延は)悲しいことだけれど 政治の上に一番に感じ スポーツ界にも・・・

・唾棄すべき感覚であるか否かに気づかない・・・。
・唾棄すべきではなく寧ろその感覚を助長しようとする・・・。
そうした現実を変えるのは・・・これまでも これからも 気の遠くなる程の長い道のりだと思います。

> ぴょんぴょんも・・・国体も夢じゃないよと指導員に励まされていました。 
> 二度の手術を乗り越えましたが 今度は臆病になっている自分を乗り越える作業に・・・

BSで放送されたトランポリンの若い選手、
そして最新の科学分析によるより高い水準への挑戦の様子に
余り接することのなかった競技としてのトランポリンの奥深さ、魅力に触れました。
そしてぴょんぴょんさんがトランポリン魅かれたお気持ちにも少し触れる思いがしました。
大怪我からよくぞ甦られましたねぇ。
恐怖との闘いはじめ何かと試練が待っていることと思いますが、応援していま~す。

> 「差別」 この人間の感情のコントロールが 災害などがあるとき 特に感じてしまいます。

災害の渦中にあってこそ 襲いくる危険、恐怖に対峙し共助と連帯が求められます。
そうした志向と逆行する倫理崩壊が起きないよう願い努めたいと思います。

> きのうの大鵬の相撲を見て今期は彼のものだな!と直感しました。初日見逃しました。
大鵬ではありません(笑) でもお気持ちはよくわかります
大鵬のお孫さんで、本名の「納谷」で出ています。
やがて「大鵬」を名乗る日が来ることを心より願っています。
はい! 私、「巨人大鵬玉子焼き」世代です

> たたいたりどづいたりせず
> 観客から思わず「技あり!」と声が掛かるような横綱すもうを 期待したいです。
張り手も突きもノド輪も・・・相撲四十八手のうちですから、私は敢えて目鯨はたてません
勿論!「勝てばいい」とも思っていません。
相撲人気に応える(大向こうに受ける)名勝負を願ってやみません。
勿論!勿論!小兵は小兵なりに横綱は横綱なりに・・・ね。
返信する
Re : pukarikoさん「テニスはまったくわかりませんが」 (デ某)
2018-09-11 16:20:45

pukarikoさん
率直になお考えをコメントくださりありがとうございました

> どういう文脈から(ネット上の)その言葉が出てきたのかわかりません

文脈という長いものではなく(前後もなく)そのまま言葉どおりにご紹介しました。
「ツィター的」とでも言いますか、格別の思慮もなく放たれた言葉だと思います。

> 私も最初、彼女は日系米国人かと思いましたよ。
> 生活の拠点は米国だし、母語も英語だし。

各国の国籍法では、概ね 人種・言語・生活拠点は絶対要件ではないと思います。
ですから見た目や感覚での「思い違い」はありますし、「思う」のはノープロブレム!です。

> ヘイト的ニュアンスは感じますが、言葉通り素直に受け取れば、私もそう思いました。
> これって差別感情?

ヘイト的ニュアンスを「言葉通り受けとめ」れば、ヘイト!が蔓延することでしょう。
セクハラ・パワハラと同様の問題を孕んでいると思います。
「それぐらい いいんじゃない?」「そう思うことあるわよ」・・・
自身がそのように言われる立場に置かれたとすれば
その口惜しさ、無力感は如何ばかりかと思います。
「思った」ことは様々な情報に触れやがて考え直されるでしょうが、放たれた言葉は・・・。

> むしろ日本人はこうあるべきというステレオタイプに縛られているせいだと。
> 別にどこのナニ人とか関係ないですよね、彼女は彼女でオンリーワンで。

仰るとおりでしょうね、考え抜いて放った言葉だとは到底!思えませんから。
ただその言葉に私は「毒」を感じ、不快でした。

> それより、なんでアメリカに移住したかという点にひっかかりません?
> なのに日本初!と単純に喜んでいていいのかな。

移住されているのかどうか私は存じません。
テニス・ゴルフのトップ・プーヤーは各国を転戦しますし、試合の多さや練習環境などもあり
日本人に限らずアジア各国、欧州のプレイヤーも 米国に拠点を置く例は多いと思います。
「日本初!」と 私は単純に歓びたかったのですが、冷水を浴びせられました。

異論反論は大いに歓迎です。
コメントありがとうございました
返信する
優勝 (お母ちゃんの徒然)
2018-09-11 17:32:49
デ某さん いろんな方面からのイデオロギーは排除して
素直に
この試合を見て大御所のセリーヌは最初の試合運びから焦っていましたね
あれぇ こんなはずじゃなかったと 簡単に勝てるというおごっりではなかったでしょうか
焦りの行動がラケットを壊す苛立ちに
審判への抗議が態度にも出てしまったのでしょう
気持ちを立て直して臨めばこの女王は巻き返す実力者なのですから
完全に精神面が今回メンテナンスできてなかったのではと察しますが・・・・・・

それにつけても同情的になる大坂選手の消え入りそうな ごめんなさい ありがとう
あのブーイングの嵐にのまれたのか 可哀想な位でした
大喜びして良いのに 何か後ろめたいことでもしたかのようで

大坂選手 まだ若い のびしろいっぱい 優勝戦の枠に何度も登場するのではないでしょうか 楽しみです

おしまい

デ某さん失礼します
返信する
Re:お母ちゃんの徒然さん「優勝」 (デ某)
2018-09-11 21:47:24

お母ちゃんの徒然さん
コメントありがとうございました

> いろんな方面からのイデオロギーは排除して・・・
まあ「イデオロギー」は オーバー!でございましょう
議論をなんでもかでもイデオロギーにしてしまっては窮屈になります

> 素直に この試合を見て 大御所のセリーヌは最初の試合運びから焦っていましたね
セリーナの焦りは 大坂の正確かつ強いストロークが誘ったように思います
そこをどうかわし、立て直すかが大御所の見せ所の筈でしたが、
セリーナが見せたのは 主審と自身のに対する醜態でした

> こんなはずじゃなかったと 簡単に勝てるというおごっりではなかったでしょうか
> 焦りの行動がラケットを壊す苛立ちに 審判への抗議が態度にも 出てしまったのでしょう
第1セットの最初の2~3ゲームでセリーナの「驕り」は「不安」に変わりました
を叩き壊したのも主審への抗議も、不安を払拭しようとする行為でした。

> 気持ちを立て直して臨めば この女王は 巻き返す実力者なのですから
> 完全に精神面が今回メンテナンスできてなかったのではと察します
仰るとおりセリーナは実力者ですが、
ピークを過ぎたことを自他共に認めざるを得ない一戦でした

> 大坂選手の消え入りそうな ごめんなさい ありがとう
> あのブーイングの嵐にのまれたのか 可哀想な位でした
> 大喜びして良いのに何か後ろめたいことでもしたかのようで・・・
彼女が母語のように英語を話せたことが幸いでした
表彰式を含めて「世界の大坂」をアピールする一戦ではありました。
しかしここで経験したことは彼女の今後の大きな糧となりましょう。

> 大坂選手 まだ若い のびしろいっぱい 
> 優勝戦の枠に何度も登場するのではないでしょうか 楽しみです
はい!仰るとおりです
これから!を大事にしていただきたく、これから!に期待したいと思います。

> おしまい デ某さん失礼します
愉しい会話をしたような幸福感をおぼえています
ありがとうございました
返信する

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