デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

7/10. Long Good-bye Ⅰ

2022-09-02 22:21:46 | LAST 10
 日中の暑さは殆どかわりません。でも 朝晩はとてもしのぎやすくなり 躰が歓んでいます。
 このブログは ブログ開設10周年を迎える9月18日を「10/10」として終わります。余裕をこめ「Last10」としましたが 残り二週間余に三回… かつかつで少し焦っています。
 「お一人お一人への思いを記しておこう」とは 大それたことでした。旅立たれた方… 意を尽くさぬままお別れした方… いつの間にか居なくなられた方… 思いは残ります。
 ブログ友に些かの思いを残しつつ 戦前 戦中 戦後 寝たきりの最晩年を よく生きた義母について記します。


    
                      ひと足はやく 秋の杜へ Painted by QP

 昨夏 函館の義母は殆ど寝たきりになっていました。妻の帰省が増えました。帰省と帰省の間には週1~2回に絵手紙を送っていました。同じ頃 愛猫シマジロウも「この夏を乗り切れるか…」と思う程にわかに弱りました。シマは去年の夏を冬を そして今年の夏を乗り越えつつありますが 義母は 命つきました。

 春過ぎには殆ど意識もなく食事もできない状態でした。主治医は「八月初めか お盆の頃まで」と。8月26日早暁 旅立ちました。娘二人と息子一人 そのつれあいなど11人による家族葬でした。妻が送りつづけた絵手紙数十通は 総て棺に入れていただきました。骨壺に余裕があるほど小さく少ないお骨でした。


    
        妻が送っていた絵手紙の一部。棺に入れられる前に 少しだけ写真に撮りました(以下同)

 義父はシベリア抑留から帰還し国鉄に勤め 義母と結婚。第一子の妻に妹と弟。各地の国鉄官舎暮らしの後、函館近郊の勤めとなり義母は祖父母の営む布団屋を手伝います。たぶん義母が屋台骨のお店だったと思います。半世紀前 その全員が健在!の家に 若かりし私が「お嬢さんをお嫁さんに下さい」と。

    

 実家のすぐ近くのロープウェイ基地から函館山に上り、近くの小料理屋さんでご馳走になり、家に戻りお茶を頂きながら歓談しつつ いつ切り出そうかとためらっていると「そろそろやすみましょう」と。そう言われ漸く肚を固め 畏まり「お嬢さんを…」と。その場にホッとした空気が流れるのを感じました。

    

 函館山に上ったのはその時が初めて。二回目は20年余前 義父の葬式のときに鳥取から葬儀に駆けつけた私の父と一緒に上りました。義父とは真夏に、そして実父とは函館に初雪が積もった日に…。夏の函館の夜景も、一面真っ白の函館の街も 心に鮮烈に在ります。ですから もう 函館山には上りません。

    

 残務のある妻より一足先に帰路につきました。函館空港の送迎デッキから離陸する飛行機を眺めていて その方角に立待岬があることを初めて知りました。お墓は立待岬のすぐ近くです。お墓で妻たちは 私が飛び発ったANA機を眺めていたと後で知りました。「飛行機嫌いだからきっとビビってる」と。

    
            離陸した機は前方の立待岬の手前で左方向に舵を切りつつ上昇します。


  【補遺】… 2022.11.21 記     
     このブログ記の最後にある函館空港の写真。この函館空港がかつて世界中の耳目を集めた。
     1976.9.6 ... 半世紀近い昔 この空港にソ連の戦闘機 "ミグ25" が着陸、パイロットは亡命を申請した。
     パイロットのは「ベレンコ中尉」… 米国亡命を申請し 彼もミグ25の機体も米国に送られた。
     ソ連の最新鋭戦闘機のほか 戦闘訓練~作戦まで熟知するパイロットを米国はタナボタで入手、解析…。
     先日 私の一歳上のベレンコの生い立ち~亡命~現在までを NHK「アナザーストーリー」が放送した。
     極貧の幼年時代から エリート軍人へ … そして「自由」への渇望から命懸けで決行した亡命事件。
     その自由は何だったのか … もはや "情報" としての存在価値を喪った彼の失意も素直に描かれていた。     
     彼は『生まれ育ったロシアに帰り 貧しい暮らしでも 村の風景を眺めながら 死ぬまでを暮らしたい』と。
     しかし 体制は変わっても 帰国したら反逆罪で捕らえられ 故郷の村で暮らすどころか 帰郷も許されまい。


    
       ベレンコが操縦して函館空港に着陸、空港に係留されたソ連ミグ25戦闘機(当時の報道写真より)
     

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2 コメント

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Unknown (chorus-kazeアッコ)
2024-04-18 13:54:31
ご無沙汰しています。
ブログにリアクションして頂いて
ありがとうございました!

4月からは再来年のいつかに開くだろう
コンサートの曲の練習に入っています。
ハーモニーの美しさを表現する「スカボロ・フェア」とか
「You Raise Me Up」「デイ・ドリーム・ビリーバー」などという
林光さんの作品に特化していた
「女声合唱団風」では歌うことはなかった曲が
歌えて楽しいです。

細田ご夫妻の丁寧な発声指導で
花座はドンドンバージョンアップしていると思ってます。
何時まで歌えるかはわかりませんが
楽しんでいきたいと思っています。
お体のご不調がおありかもしれませんが
どうぞご自愛なさってお過ごしくださいませ。
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Re アッコさん (デ某)
2024-04-18 17:13:23
コメントありがとうございました。
貴演奏会について折角ていねいに記されていますので
貴ブログ宛に返信させていただきます。
宜しくご諒承ください。
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