デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

日野原重明「新:生きかた上手」(腎がんのメモリー41)

2017-08-17 22:30:53 | 腎ガンのメモリー
  
             いつになく雨の多い夏も 終わりの始まりか・・・ Painted by QP

 小2の孫娘がわが家にきて2週間余。愚息が仕事で遠隔地に3週間余派遣されることになり、同じ時期に愚息のお嫁さんの手術・入院が重なったためわが家に下宿した孫娘、遊びたい盛りに山のような夏休みの宿題・・・ジジババは疲労困憊のきわみです。

 
     孫娘と行った(宿題の一環?の)「日吉ダム」「ひよし温泉プール」
        ※ 日吉ダム(京都府南丹市)・・・高樹のぶ子の小説「満水子」の舞台となったダム

 その孫娘と「読書10冊」の宿題のために図書館へ行きました。孫娘は妻に任せ(押付け)私は自分の本選びに・・・。「生き方について」まとめられたコーナーがあり、いつもは無視するのですが、日野原重明著新:生きかた上手」 に目がとまり借りてきました。



 冒頭の詩「愛といのち」に日野原さんの医師たる決意が・・・
『豊かすぎる国に住む人は/貧しい国で飢えている人が見えない/病んだことのない人には/病む人の心の痛みは感じられない/愛といのちの二つは/愛する人を亡くした人/貧しく生きている人/そして病む人にこそ切に感じられる/愛を感じられる人になろう/いのちを感じられる人になろう/そのためには愛を失くした人や病む人の友となろう』

 「生活習慣病」と名付けたのは・・・
 「成人病」というジャンルは本来「老人病」です。しかし「老人病の検診を!」と言ってもソッポをむかれるため「成人病」と命名されました。そして成人病は発症のはるか以前の生活習慣に由来すると喝破し 「生活習慣病」 と命名したのが日野原さんでした。

 「生き方そのものが医療」 の日野原さん
 『自分のことだけを思い自分のためだけに行動した時よりも、自分が他から必要とされている中に素直にわが身を用いた時のほうが喜びは遥かに大きい・・・自分の時間を人のために用いれば自分もまた豊かな喜びが与えられ・・・自分を信じる力となる』

 Grief Care(グリーフ・ケア)・・・ 悲嘆を超えるとき人は成長する
 『グリーフ・ケアは悲しみを忘れさせたり悲しみから目を逸らすためのものではありません。悲しみをその人自身しっかり受けとめて過ごすことをサポートするものです。なぜなら悲しみを身に受けることく悲しみから立直ることはできないからです・・・悲嘆を乗り超えたとき、私達に成長が約束されます。悲嘆の意味を私達が知るのは、その時です』

 出会いの経験から私達は成長する
 『大切な出会いが、明日来ても1時間後に来ても或いは数十年後に来てもいいように、いつでも謙虚に忍耐強く地道に用意して待ち受けていられる人は、先々に訪れるどんな出会いも上手に受けとめ、自身の人生で深めることでしょう・・・今までの出会いの総てが力となってその人をしっかり支え・・・最後には死をも受容できる平静な心を用意されるのです』

 医療は科学に支えられたアート
 『医療は進歩し続けます。しかしどれほど進歩しても、いのちというものはいまだ有限です。ですから医療は、科学技術を駆使するだけでなく病が進行する中でも病む身の中にある心を支え励ますものでなくてはなりません。表情、動作の一つ一つに温かい愛おしみの心を伝える表現が出来てこそ医療は科学に支えられたアートになることができます』

 Involvement(かかわり合い) ・・・ 他者とどのように関わるか
 『Involvementについて今村新吉博士は“慈心相向”と訳されました。慈しみの心をもって相向かい合うとは、医師が患者さんと同じ目線で向き合い、患者さんの心の奥深くにまで分け入り、その訴えに耳を澄ます姿勢です。患者さんが抱える痛みや不安は、医師が上から見下ろすように患者さんを診ている限り、その一端にさえ触れることは出来ません』



 すべてが患者さん本位の聖路加国際病院
 22年前の地下鉄サリン事件。一番多くの患者さんが搬送されたのが日野原さんが院長だった聖路加国際病院です。リニューアルに際し病院の廊下を広くし、多数の酸素吸入器を置くなど大災害への備えがとられていました。全520床すべてトイレ・シャワーor浴室付の個室であるのも患者さん本位ゆえです(半数が差額ベッド代のいらない保険適用)。

 Persevere(堅忍) ・・・ 忍耐することにこそ人生の大きな意味がある
 堅忍とは「最後まで耐え忍ぶ者は救われる」とのキリストの教えであり、患者を英語で「Patient」と言うのは、「忍耐する人」の意でもあります。日野原さんは記します。
 
『病は、病を抱える当人だけでなく見守る家族、医師・ナースにも一つの試練です。いつか病の癒える日を信じつつ各々忍耐の中に最善を尽くし“今”を生きるべきなのです』

 愚息は三十代半ばに、家族の反対を押切り勤め(製薬の研究員)を辞めて医学に転進しました。現在研修医2年目、医療の様々な現場を経験しつつ来年は専門医の領域に進みます。臨床のどの分野であれ、日野原さんに学び精進してほしいと、心から願っています。

  吉田拓郎「夏休み」


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18 コメント

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 (遠音)
2017-08-18 06:56:57
お孫さんかわいいでしょうねー
その時を与えられて嬉しいでしょー
じき大きくなって年に数日しか
会えなくなります。

日野原さん グリーフ・ケアについて
書かれているんですね。
私は自分の痛みから その必要性を
痛感した 痛感している一人です。
結局日本の風土からその制度は生まれないのでは無いかと思っています。
私の場合は、旅で、湯治場で癒やして行きましたが・・
返信する
Re:遠音さん 「孫」 (デ某)
2017-08-18 08:55:33
遠音さん
こちらにもコメント ありがとうございます
旅から帰られたんですね。さぞお疲れでしょうに・・・。

> お孫さんかわいいでしょうねー その時を与えられて嬉しいでしょー
> じき大きくなって 年に数日しか会えなくなります。

今日で18日目。明日で下宿!も終わります。
断腸の思いで(笑) 猫可愛いがりをせず 厳しく接しました。
宿題は総て終わりましたし
掛算九九は二学期からですが、総て覚えました。
「食わず嫌い」にもチャレンジ、総て「ひとくち」はつけて貰いました。
遊びでは・・・こちらはもうヘロヘロです。
妻は 何度も眩暈がして・・・横になっていました。
明日帰って行くと思うと ほっ!とします。
その後でしょうね、じわりと 淋しくなるのは・・・。

> 日野原さん グリーフ・ケアについて書かれているんですね。
> 私は自分の痛みから その必要性を痛感した 痛感している一人です。

医療には 「死生観」と同じく 多分に宗教観!が反映しますね。
でもホスピスが生まれ そしてホスピスも多様化するようになり
日本のグリーフ・ケアは今まさに大きく変貌しつつあるように思います。

> 日本の風土からその制度は生まれないのでは無いかと思っています。
> 私の場合は、旅で、湯治場で癒やして行きましたが・・・

湯治場・・・欧州にも(ローマ時代から)「湯治」は連綿と続きますが、
「湯治」だけではなく
人と人が心身ともに裸で接する「人治」でもあると思います。
「日本の風土」と言うより 国を問わない「歴史的風土」とも・・・。

コメント欄、再開されたようですので
また楽しみにコミットさ?せていただきます。
ではでは したっけねぇ~
返信する
Unknown (noriko)
2017-08-18 10:43:38
こんにちは、デ某さん(^^♪

お孫ちゃんのお相手お疲れ様です。
私は、祖父母と何かしたとかという思い出が全くがないです。
宿題をみてくれるなんて、素晴らしいおじいちゃんですよ~、お孫ちゃん羨ましい~( ◠‿◠ )

お嫁さん、無事手術終わりましたか?
心配ですよね。順調に回復向かうよう祈ります。
息子さんも頑張ってますね。凄いな~と思います。
私の息子にも爪のあかいただきたいものです!笑

日野原重明さん、最近ネットで記事を読んで興味もっていたところに、デ某さんの今回の記事。本、読みたくなってきましたよ~ 今、まだ未読の本があるので読み終わったら読んでみます。
ちなみに今読んでるのは、「バッタを倒しにアフリカへ」です。
読み始めたばかりですが、結構、面白いです。

では、今日で帰ってしまうお孫ちゃんと沢山触れ合ってくださいね。
返信する
Re:norikoさん「バッタを倒しに・・・」 (デ某)
2017-08-18 11:40:07
norikoさん
パワフルなコメントありがとうございます

> お孫ちゃんのお相手お疲れ様です。
> 私は、祖父母と何かしたとかという思い出が全くがないです。
> 宿題をみてくれるなんて、素晴らしいおじいちゃんですよ~
私は おじいちゃん子・・・大工の棟梁たった祖父の現場でよく遊びました
孫にとことん甘い祖父で 両親は困っていたと思います(笑)
ですから わが孫娘には 宿題も食事もお手伝いも心を鬼にしてビシ!ビシ!
って言うほどでもないかなぁ~
まあお嫁さんには「助かりますぅ~」と感謝感激されました。

> お嫁さん、無事手術終わりましたか?
お蔭様で至って順調で・・・明日は孫娘も返す運びになりました

> 息子さんも頑張ってますね。
かなり無理して仕事しているようで、親としては心配がたえません
十年以上遅れた出発・・・を取り返そうとしてるんでしょうかねぇ

> 日野原重明さん・・・最近興味もっていたところに、デ某さんの今回の記事。
読みやすい書で、1冊を半日で完読できます
平易に書かれている一方、内容は濃く たくさん刺戟を頂きました。
先生の生き方に触れること自体が「優れた医療」を受けるに等しいと・・・。

> ちなみに今読んでるのは、「バッタを倒しにアフリカへ」です。
少し検索し・・・私のキャパにはない書!だと思いました
読んだら バッタリ!倒れそうで・・・(笑)
ちょっと 容易に 「読んでみます」と言えないデ某でございます

> では、今日で帰ってしまうお孫ちゃんと沢山触れ合ってくださいね。
朝から大騒ぎ・・・「アサベン(朝勉)は昼からにしてぇ~!」と
触れたくないお転婆娘、否。宇宙人にございます

今朝 こちらは雷雨に起こされました。
少し涼しくなりましたが、まだまだ残暑がつづきましょう。
norikoさんも健やかに残暑を norikitte!くださいね
返信する
深ーい、お話 有難うございます。 (ふじのりんご)
2017-08-18 17:44:14
デ某様
可愛い孫娘さんとの超楽しい生活を過ごされているんですね。
厳しくして、嫌われる事をしなくても と思いますが・・
そこは優しいデ某さん
息子さんご夫婦の為・孫娘さんの為・・
≪心を鬼にして≫ 笑笑
後々、きっと喜ばれるでしょう
何故って==愛があるから

日野原先生の本、ご紹介有難う。
優しい立派なお医者様でした~これから後に続くお医者様がでてこられますね、必ず。。
返信する
Unknown (夢ちゃん)
2017-08-18 18:00:59
○○ちゃんも息子さんもお嫁ちゃんもみ~んな大変な夏休みだったんですね。奥様やデ某さまにお疲れがでないといいのですが…

人の苦しみや悲しみ・辛さは、自分自身が経験したものでないと絶対理解できないことだと夢子は思っています。
だから、知っている人にしか話しません。   痛みのわかる人になりたいと…いつも思っています。
返信する
こんばんは (たにむらこうせつ)
2017-08-18 18:59:34
ご訪問ありがとうございます。
私も11年前直腸ガンを患いました。
ステージ4、余命半年。
ガーンとなりましたが生きてやると想い完治に至りました。
聖路加国際病院も良い病院の様ですね!
私は赤十字病院でした。

所で私の詩如何でしたか?
私のブログ如何でしたか。
読者になっていただけないでしょうか。
失礼を承知でのお願いです。
本当は相互読者になりたいのですが、
私の読者がいっぱいになってしまい登録出来ません。
私のブログに来て(名前をクリック)
プロフィールの所の数字ではなく
「読者になる」をクリックして下さい。
どうか読者登録よろしくお願いします。
無理なようでしたら構いません。
返信する
Unknown (Anne)
2017-08-18 20:47:47
日野原さん凄いですよね(*'▽')
最初はテレビと書籍でそのお名前を知っている位でしたが、知りいの方のお母様が癌と診断された時のことです。

知り合いの方も私より年上の方なんですが、お母様は90歳を超えていて、でも自分のことは全部自分でされる元気な方!

大腸がんだったそうですが、癌の画像を見てすぐに切って欲しいと!
そして入院したその病院で主治医が日野原先生の息子さんだったんです。
新宿の病院なのでお父様とは違う病院ですが・・・

こちらから先生を探して頼ったわけではなく偶然。そしてお母様はもう90歳を随分超えているのですが、術後も以前と変わらずお元気で自分のことはすべて自分でされているそうです。
何だか運の引きの良さを感じました(笑)

日野原先生の息子さんの病院が分かってイザという時に頼れるかと思ったけれど、息子さんももういいお年なんですよね(;´・ω・)
なんて、どうでもよいコメントでした(;''∀'')

返信する
Re:ふじのりんごさん (デ某)
2017-08-18 22:06:39

ふじのりんごさん
コメントありがとうございました

> 可愛い孫娘さんとの超楽しい生活を過ごされているんですね。
超!へろへろ~ 限界!にございます

> 厳しくして、嫌われる事をしなくても と思いますが・・・
> 息子さんご夫婦の為・孫娘さんの為・・・心を鬼にして(笑笑)
心を鬼!にも夜叉!にもしなければ 言うこと聞かないお転婆孫娘です
愚息から「明日午後に迎えに来る」とメールが入りましたが、
もっと早くきて~~っ! と言いたい、叫びたいっ!

> 後々、きっと喜ばれるでしょう 何故って==愛があるから
孫娘・・・そう甘くはナイチンガールです
きっと「シンドかったぁ!しかありまセーヌ河」ってところでしょう。
それはこちらのセリフですけどね(泣)

さてと 明日からわが夫婦の夏休みが始まりますが、
妻は23日~函館の実家に介護帰省にござりまするする
返信する
Re:夢子さん (デ某)
2017-08-18 22:17:14
夢子さん
コメントありがとうございました

> み~んな大変な夏休みだったんですね。
> お疲れがでないといいのですが…
孫娘以外はみ~~んな!すでにお疲れが出ていま~す

> 人の苦しみや悲しみ・辛さは、
> 経験したものでないと絶対理解できないことだと夢子は思っています
「一病息災」とは言い得て妙!の言葉だと思います
単に自身の健康のためではなく、
一病を経験することで万病の患者さんに対し想像力が働くという意味でも!

> 痛みのわかる人になりたいと…いつも思っています。
夢子さんは既に十分!わかる方でいらっしゃいましょう
この頃はとても溌溂とされていて 印象もきっとだと思います
ますますのご活躍をお祈りします
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