おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

「夫婦善哉」

2024-05-04 23:05:52 | 観たもの
 今年は越路吹雪さんと淡島千景さんの生誕百年だそうで、それを記念してお二人がご出演の映画が上映されています。東京の歌舞伎お友だちが「大阪でやってるよ」って教えてくれました。場所は大阪の九条にあるシネ・ヌーヴォという映画館です。元々映画はめったに見ない人なので、「フーン」って感じだったのですが、Websiteを見ると森繁久彌さんと淡島千景さんの「夫婦善哉」が目に入り、「おばはん、たのんまっせ」っていう台詞はよく聞くけれど、織田作之助の原作も読んだことがないし、もちろん映画も見たことがなくて、ちょっと見てみたいかも、ってスケジュールを調べたら行けるのが今日しかなくて、急遽行ってきました。

 40年前、大学を卒業して就職した会社が大阪の難波にあって、その頃はまだ「織田作の~」っていう枕詞がつくお店がいくつかあったように記憶しています。でも、自由軒のカレーも法善寺横丁の夫婦善哉も食べたことはないのですが…。

 シネ・ヌーヴォはアート系作品を上映するミニシアターで、名前は聞いたことはありましたが、行ったのは初めてです。九条という駅に降りたのも初めてです。中心からはちょっと外れているので。

 上映時間は朝10時からでした。お休みの日にしては早起きして行きました。映画館の椅子が結構良くて、「こりゃ、寝るかしら」とちと心配しましたが、大丈夫でした。「夫婦善哉」という映画、コマ割りが細かいっていうのか場面がちょこまか変わるので、退屈する暇がないんですよね。お話もテンポよく進むので、「それからどうした?」って思っていたら2時間ちゃんと見ておりました。

 映画の説明です。
大阪をこよなく愛した作家・織田作之助原作を文芸映画の名匠・豊田四郎が映画化した日本映画史に残る傑作。船場育ちのボンボン(森繁)と新地の売れっ子芸者(淡島)、ダメ男としっかり女の哀歓を、おかしさと切なさを交えながら、市井の男女の一典型として見事にスクリーンに描き出す。戦前の法善寺界隈を再現した見事なセットも秀逸!

 見終わって思ったのは、「戦前のお話よね~」でした。倫理観?道徳観?がまるで違う、今のモノサシで見てはいけないのですが、昔のお話でもどこか感情移入できるところがあると思うのですが、これに関しては全くなくて…。ワタシ自身決して品行方正ってわけでもなく、結構ウソで固めた人生を送ってきてるので、少々エエ加減な人を見てもそんなに腹は立たないほうではありますが、柳吉に関してはウソが波状攻撃のように続くので、だんだん腹が立ってきて…。それに対する蝶子も何でそこまで入れ揚げるん?って思うと蝶子にも腹が立ってくるし。蝶子も蝶子の両親もやたら柳吉を立てるし、「なんでなん?」って思うし。夫は立てるものなんでしょうね。なかなかツッコミどころ満載でした。

 それと気になったのが喫煙、やたらめったら煙草を吸ってるんです。まぁね、ワタシの小さい頃って電車もバスも煙草OKで、そういうのを知らないことはないのですが、煙草を吸うたびに「あっ」って思ってしまって。古い映画を見るって、こっちもそういう感覚を持って見ないといけませんね。

 淡島千景さんはめちゃくちゃお綺麗でした。目がパッチリ大きくて、少女マンガの目に星が飛んでるようなお目目でした。東京生まれだそうですが、大阪弁お上手でした。森繁久彌さんはこちらの方なので、っていうか枚方市出身なんですね。wikiを見ると、お亡くなりになった時は「枚方市民葬」まであったそうで。こっちが「めっちゃ、腹立つ!」って思ったってことは、森繁さんや淡路さんの演技力の賜物なんでしょうね。そうそう、浪花千栄子さんや万代峯子さんもご出演でした。大阪の映画って感じがします。

 法善寺横丁、セットだったんですね。よー出来てました。お寺の配置って変わらないので、道頓堀の方に抜ける細い抜け道もあって、「あ、あそこや」って思いながら見ておりました。

 
 
 
 シネ・ヌーヴォです。また行くことあるかなぁ…。お二人の出演作品はまだ見たいなぁと思うものはあるのですが、時間が合いません。平日の午前か午後で、早退してまで行きたいかというと、そこまではちょっと…。
コメント (2)
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